夏の源流は最高だ。なかでも最も簡単かつ軽い道具で楽しめるのがテンカラ釣り。毛バリを流してヤマメやイワナと出会うための基本をまとめた。
源流に入るための装備
写真と文◎丸山剛
夏の源流は最高だ。なかでも最も簡単かつ軽い道具で楽しめるのがテンカラ釣り。毛バリを流してヤマメやイワナと出会うための基本を解説します。今回は源流に入るのに必要な装備品についてまとめました。この記事は『つり人』2020年9月号に掲載したものを再編集しています。
STEP1:源流に入るための装備
源流域へ行くには、車止から林道や杣道、登山道を利用することが多い。1時間歩くようなところはまだ近いほうで、林道歩き2時間なんてところもざらである。早く釣り場に行きたくて、急いで歩いてしまいたくなるが、それは疲れるだけで効率的ではない。登山もそうだが、歩きで息を切らせないことがコツになる。ゆっくりした足取りで、心臓がバクバクしない歩き方を心がけることで、余計な汗もかかず、身体の負担も小さくなるのだ。日帰りの場合は、行った道を戻ってこなければならない。2時間歩いて、4時間釣りをして、さらに2時間歩いて戻ってくるとなると、8時間の行動時間である。歩きで疲れてしまっては、釣りも楽しくならない。歩きのコツをしっかり押さえて、疲れない源流釣行をしたい。ストックは林道や杣道を歩く際に転ばぬ先の杖として携行したい。登山でよくダブルストックが使われるが、源流は荷物を少なくしたいことからシングルストックをオススメしている。Tグリップのものが使いやすい。力を入れる時に上から押し付けるので身体を楽に上げることができる。徒渉するときもこれが1本あると安心感がある
チェーンスパイクは源流歩きが楽になるアイテム。高巻き(滝などを直登せず左右の登りやすい地形から遡行すること)や斜面の上り下り、杣道の歩きが安全にできるようになる。シングルストックとチェーンスパイクは、源流を安全に歩くために必要なアイテムだ
6~7mmロープを20m携行しておくと、いざという時に役に立つ。ロープは自己脱出やちょっとした斜面を安全に降りるために大事な役割をしてくれる。源流釣行がより安全になるので、ぜひ持っていこう
◆関連動画でロープの使い方をチェック!
編集部員も入門!
イワナやヤマメ釣りの経験がほぼない編集部ササキも源流入門するために装備を一式購入。ヘルメットやザック、ハーネス、ロープ、フェルトシューズやチェーンスパイク、タイツなどをすべて揃えて10万円ほどかかった。10万円の特別定額給付金ではじめるのにちょうどいいかも。ザックは日帰りならば30L、泊りならば60Lが基準だという。
シューズはモンベルのサワートレッカー。フェルト製ソールのほうが石のヌメリやコケに対して滑りにくいと登山用品店スタッフに教わったためこのモデルにした。ラバーソールはコケの生えた石では滑りやすいが、そうでない岩に対してのグリップ力が非常に高い。靴下はネオプレーン製のものにした
岩や木をつかむことが多いためグローブはあったほうがいい
肌着はファイントラックのドライレイヤー。「とにかく身体を“濡れ”から離す」という考えで、撥水性能が徹底追求されている。肌が濡れると疲れやすかったり、低体温症になったりするリスクがあるのだ。ドライレイヤーの上にはアウターとして同じくファイントラックのフラッドラッシュを着た。やや厚めの生地で濡れたときに冷たさを感じにくい
沢歩きでは脚を打つことが多いためヒザとスネ用のパッドもそれぞれ購入
蚊やブヨ、ダニが多い源流では虫よけスプレーも重要だ
偏光サングラスがあると水の中のようすがよくわかる。ラインのちょっとした変化に気付きやすいし、岩の形状や魚も見やすくなる
渓流のポイントガイドブックの決定版
『「いい川」渓流アマゴ・イワナ釣り場』
kindle版が発売になりました!! ・秩父・奥多摩・丹沢「いい川」渓流ヤマメ・イワナ釣り場
・山梨・静岡「いい川」渓流アマゴ・イワナ釣り場
・栃木・群馬「いい川」渓流ヤマメ・イワナ釣り場
・長野「いい川」渓流ヤマメ・イワナ釣り場