編集部2022年2月6日

渓流釣り/増水時の河川を釣る 前編・雪代による増水と降雨による増水

ヤマメ イワナ 魚種別釣りガイド

渓流釣りを何年か続けると、必ず増水河川での釣りを経験する。雨による増水か、雪代による増水か、河川規模によっても状況は変わる。過去の経験を踏まえながら、春先の雪代による増水と降雨による増水対策を解説したい。

雨か雪代か、河川規模によっても状況は変わる。

解説◎大沢健治

 渓流釣りを何年か続けると、必ず増水河川での釣りを経験する。雨による増水か、雪代による増水か、河川規模によっても状況は変わる。過去の経験を踏まえながら、春先の雪代による増水と降雨による増水対策を解説したい。

こちらの記事は月刊『つり人』2020年4月号に掲載したものをオンライン版として公開しています。

解説◎大沢健治
埼玉県日高市在住。釣り歴は40年。小学生に上がる頃には近所の川や沼での雑魚釣りをはじめる。釣り好きがこうじて大手釣り具チェーンに就職。20年以上勤務していたため幅広い釣りをこなす。『全日本暇人協会』所属

雪代による増水は情報収集を念入りに

 私は以前、仲間と3~4月にかけて新潟県によく出向いていた。雪代特有の白く濁りの入った流れは川底のようすも分からず、ごうごうと流れ、はじめは圧倒された記憶がある。しかも午前中はまだ薄めな濁りも気温の上がる午後には透明感をほとんどなくすまでに強く濁り、水量も増える。それでも埼玉県からわざわざ釣りに出かけるのはやはりいい思いをしたいがためで、釣れる魚も魅力的だった。では雪代を体験したことのない私がどうやって釣果を得ることができたのか。やはりそれは情報が第一だったと思う。

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安全に気を付けたうえで増水でもポイントを絞ってサオをだしていきたい。諦めなければ釣果はついて来るだろう

 

 中規模以上の雪代河川の場合、釣れる場所、ポイントは限られてくる。そんな中、闇雲にサオをだしてもあまりにも効率が悪すぎる。やはり地元の方とパイプを作ることは非常に重要だ。どの区間がよさそうかといった情報だけでも釣果を大きく左右する。釣り券を購入する際はなるべく、地元の商店や釣具店などで情報を聞きながら購入するのがよい。また漁協に電話してアドバイスを受けるのもよいだろう。

 釣るポイントが決まったら次は道具立てだ。川幅のある本流域の場合、サオは小継の7mをよく使用していた。川幅は20m以上あるような場所もあるが、ポイントは7mのサオで充分ねらえた。何せ大半のポイントは足もとだったのだ。結局対岸に届かないなら、長ザオは逆に扱いにくいだけだ。

 3月といってもまだ積雪は多いので、もし落水したら大変な危険を伴う釣り。そのため、水深のあるポイントはあまり近寄らず、安全を考えて釣りをしたい。7mあれば岸際の水深のあるポイントも少し離れてねらうことができる。

 次にエサだが、川虫やブドウムシ、キヂ、イクラなど色々と用意をして釣りに出かけたが、イクラとキヂを使用することが多かった。匂いの強いエサがよいのではないだろうかと思う。またキヂも大きめのものを用意して濁りが入った流れでも見つけてもらいやすいようにと考えていた。

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標高のある山岳渓流では夏になっても雪渓が残る。気温が上がるお昼近くになると雪代がゴンゴン流れ、ソ行を妨げる

流すスピードはゆっくり

 雪代の増水河川を私なりにまとめると、午後の強く濁りが入る前に釣ることが重要。次になるべく情報を得てから入渓すること。これは安全に釣りをするにも大切なことだ。ポイントは岸際の深みや、流れのタルミ、石裏の緩い流れ、また届くのであれば流心と流心の間にできる緩い流れなどだ。

 

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石裏など流れが緩む所がポイントになる

 ある程度川幅のある渓流でも雪代の強い流れに踏み留まれる魚はいない。やはり魚にとってまだエサもそれほどない季節で、しかも水温も低い。定位しやすい場所をねらっていくと釣果に繋がるはずだ。エサは匂いの強いイクラ・キヂは用意したい。もちろん川虫やブドウムシでも釣れるのだが、濁りが強くなればなるほど魚からは見つけにくい。

 小河川の場合でもねらうポイントは緩い流れ、水深のある場所になる。流すスピードは河川の規模にかかわらずゆっくり。少し流れに対して重たいオモリを使用してブレーキをかけながら流す。いわゆるドラグをかけながら流したほうがよい。比較的浅い水深の小さなポイントではアタリが出るのが早い場合が多いようだ。

 深い大きなポイントはその逆でアタリが出るまで時間がかかるケースが多いので、少し粘ってみるのもよいだろう。いずれにしても早アワセは厳禁で、ひと呼吸おいて合わせたほうがすっぽ抜けを減らすことができる。またソ行では大石などの間に積もった雪を踏み抜いたりしないように注意が必要だ。

 

降雨による増水は水が落ち着くポイントを捜す

 続いて降雨による増水を振り返ってみる。降雨による増水では、その河川の地理的問題も大きく関わってくる。まず手が付けられないと思うのが、近隣を広大な畑に囲まれた渓流だ。高原野菜の産地などに多く見られるのだが、とにかく畑の土が流入する。すると焦げ茶色に水が濁り、魚も全くエサが見つけられない状況になってしまう。こういった状況では、車で大きく移動したい。周辺に畑がなさそうな支流を捜す、もしくはできるだけ上流に移動したほうがよい。

 車で大きく移動ができない場合は水が落ち着くポイントを捜したい。増水すると魚は流心ではなく、流れの緩い場所に避難する。水が落ち着くなるべく水深があるような落ち込み、滝下、堰堤下などからのヒラキ、淵、大岩の裏が有望。岸際の浅い流れなども見落としがちだ。水が落ち着く場所は透明度が回復するのが早い。そういった場所をじっくりと探りたい。

 

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増水したら水が落ち着くポイントをねらう

 山間部を流れる渓流では多少の雨による増水は、魚の活性も上がり、いい釣りができることもある。釣り人の数も減ることから私的にはおすすめだ。

 私のホームグラウンドである秩父には小規模、中規模の渓流が数多くある。小規模の渓流ほど水が引くのが早く、増水後はすぐにサオをだしたいほどだ。増水中で濁りがきつい場合、前述したように魚が避難するような水が落ち着く場所をていねいにねらっていく。中規模な渓流でも基本的にねらう場所に変わりはない。増水時は上流、支流から徐々に濁りが取れる。小規模渓流から濁りが取れると覚えておくと釣り場選択の役に立つと思う。

 

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源流部での多少の増水は魚の活性も上がりチャンス

 

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