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編集部2020年6月27日

クロダイ(チヌ)釣りスタートガイド/カカリ釣り入門

クロダイ-川 クロダイ-海 海の岸釣り 魚種別釣りガイド

カカリ釣りとは、付けエサを寄せエサで包んでダンゴ状にしたエサを海底まで沈めてねらう釣り方。舞台となるのは係留されたイカダや船で、その直下に自らポイントを作る釣りである。繊細な穂先と強靭なバットを持つサオでのスリリングな駆け引きも魅力。

寄せエサダンゴで自らポイントを作る釣り

つり人編集部=写真と文

釣り座直下の海中の出来事をコントロールし、演出していく面白さがカカリ釣りの醍醐味

カカリ釣りとは、付けエサを寄せエサで包んでダンゴ状にしたエサを海底まで沈めてねらう釣り方。舞台となるのは係留されたイカダや船で、その直下に自らポイントを作る釣りである。繊細な穂先と強靭なバットを持つサオでのスリリングな駆け引きも魅力。


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釣り場は沖に固定されたイカダやカセ



クロダイのカカリ釣りは沖に固定されたイカダや船を利用する。地域によって「イカダ釣り」、船を係留する場合は「カセ釣り」とも呼ばれる。専門の釣り場や船宿がないと難しいが、手漕ぎボートでやる人もいる。釣り人が連日のようにエサを撒くことから飼い付け釣りともいわれ、ヘラブナの箱釣りに通じるものがある。ツボにハマると圧倒的に数が釣れ、競技性が高く、またのんびりした釣趣もある。

寄せエサをダンゴ状にまとめ、その中に付けエサを包んで海底に届けるのが基本スタイル。このほかガン玉を噛ませ、付けエサのみを落とし込む釣法もある。



クロダイのカカリ釣りに使う道具


長さ1.4~1.8mと短く、ワカサギザオを彷彿させる繊細な穂先が専用ザオの特徴である。アタリはすべて穂先で取る。ヘラウキのトップのように視認性がよく、太さも同じくらいだろう。この穂先に対しバットは強靭だ。クロダイだけでなく、トドと呼びたくなるボラは頻繁に掛かるし、イシダイ、マダイ、ワラサといった大ものも出る。その突進を受け止め、浮かすパワーが秘められている。

繊細な穂先を備えたカカリ釣り専用竿 030-031_06 カカリ釣り専用ザオの穂先はとても繊細。ヘラウキのトップのように視認性が高く、海底のさまざまな情報を伝えてくれる。その太さ、調子はバリエーション豊かで先調子もあれば、穂持ち付近まで入る調子もある

030-031_14 強靭かつ柔軟なバットが手もと近くまで曲がる。短ザオで味わうこの興奮の引き味もたまらない要素

p026-033-3tackle
これに組み合わせるリールは小型両軸受けタイプか、近年は片軸受けモデルも登場していて、親指ひとつでイトを送り込みやすい。ラインは0.8~3号のフロロカーボン。1.5号前後が一般的だろう。これを通しでハリを結ぶ。

030-031_07 カカリ釣り専用の片軸受けリール。下向きタイプのほか、小型両軸受けタイプもある。イトを送り出しやすいものを選びたい

030-031_08 ラインはパリッとした張りがあり、根ズレにも強いフロロカーボンが主流。潮が早い時ほど、細いラインのほうが水切りもよく、扱いやすい

ダンゴと付けエサの無限ともいえる組み合わせ


寄せエサのダンゴは数種類の配合エサを混ぜ合わせて作る。船宿によっては、特製のオカラダンゴなどを販売している。水分量でダンゴの仕上がりは変わる。水分多めでエサを抜きやすくするタッチもあれば、ボソボソにして軽い力でしっかり固まるタッチもある。

クロダイ釣りのカカリ釣りの寄せエサ:ダンゴ 030-031_02 クロダイの警戒心を解くためにこまめにダンゴを打ってニゴリを作る。ニゴリを途切れることなく作ることからカカリ釣りは「濁らせ釣り」とも呼ばれる

030-031_03 半日分のダンゴを作るのに必要なエサ。ベースとなるのはカカリ釣り専用の「ダンゴ」と書かれたものを用意

030-031_04 特製のダンゴエサを用意する船宿もある

030-031_05 まずは海底までしっかりと届けられるようなダンゴの圧をつかむこと

ダンゴには集魚力を高めるために、アミエビ、コーン、オキアミといったエサも混ぜ込む。トーナメンターは後に付けエサになるだろうエサもダンゴに一緒に埋め込み、海底に布石を残していく。

オキアミ1種類の付けエサで、それを置きザオにしておいてもクロダイは釣れる。が「同じエサだけでは釣れ続かない」と言うのがカカリ釣りのトップトーナメンター、兼松伸行さんだ。オキアミ3種、アミ、サナギ、コーン、ボケジャコ、カラスガイ、アケミガイ、練りエサ、アオイソメ、イワイソメと多彩なエサを用意する。クロダイの目先を変えてやるために、その日その時の当たりエサを探る意味で数種類のエサはあったほうがよいという。ちなみに春はボケジャコ、生きエビ、オキアミといった身が軟らかいエサのほうが効果的だ。

寄せエサ、付けエサともに種類は豊富でその組み合わせは無限ともいえる。

代表的な付けエサ 030-031_09 ボケジャコは尾羽根の付け根から通し、ハリ先を腹側に抜く

030-031_10 オキアミは尾羽根を取ってハリ全体を隠すように通すのが基本

030-031_11 コーンは数珠つなぎに刺す

030-031_12 ダンゴに包むことは少ないが、アオイソメは付けエサのみで落とし込んで探る時に用いる

付けエサが自然にこぼれ出るように


前述のように、この釣りの基本形は、ダンゴの中に付けエサを埋め込み、海底まで届ける。ダンゴはバラけながら落下、着底からしばらくしたのち崩れる。この時に付けエサをピョンと飛び出させるのはNG。そうするとエサ取りに食われやすい。ボロボロと崩れるダンゴとともに自然にこぼれ出るようにするのが理想だ。

p026-033-3image 030-031_13 オモリを使って水深を測り、油性マジックでラインに印を付けておく。着底分のライン量を分かりやすくしておく

ちょうど水深分のラインを出して底トントンでねらう釣りもあれば、一旦そこでダンゴを割ったのち上に誘い上げたり、逆に上から落とし込む中層の釣りもある。ガン玉を包むようにダンゴを作って、付けエサと分離させるズラシの釣りもあれば、ノーシンカーで水深以上のイトを出すハワセ、ダンゴが出た後も付けエサの側にしばらく留めておくようにする釣り方もある。また付けエサをダンゴに埋め込まず、寄せエサが効いているだろうところにキャストして探ることもあるアタリは穂先で取る。クッと押さえ込まれるような場合もあるし、ピュンと明確に引き込まれることもある。

そしてアワセはイトが出ている分だけ大きく行なう。ノーシンカーでエサを海底に這わせる時は、水深の2倍以上もイトを出すことがある。軽くサオを立てただけでは、イトが張りきらないため、立ち上がって合わせたうえに、さらにラインを引っ張ってようやく魚の重みが乗ることもある。

やり取りはサオとイトの角度を90°以上に保ち弾力が活きるようにする。周囲の環境にもよるが、ロープが張られているような場所はイトを出さずにためる。

030-031_15 イトや穂先の変化から海中を推理するスリルがたまらない


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この記事は『つり人』2012年5月号でも読むことができます。

 


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