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『安近短』のエギング
この記事は月刊『つり人』2021年2月号に掲載したものを再編集しています
冬はライトエギングの好機!
一般的にエギングといえば、普通は餌木を使った陸っぱりのアオリイカ釣りを指すが、ケンサキイカ・ヤリイカ・ヒイカ・スルメイカなどアオリイカ以外のツツイカの類をねらうライトエギングという釣りがある。タックルや使用する餌木サイズがアオリイカのエギングと比べると軽量だ。
ライトエギングは、アオリイカのエギングに比べタックルが軽量で、激しいシャクリも必要としないため疲れにくく、まさにライトゲーム感覚で繊細な操作の釣りができる。また、群れで回遊するツツイカの特徴から、ひとたび釣果があがると次々に連発して数釣りができる可能性がある。しかもツツイカは総じて食味もいい。
中でも注目したいのはヒイカだ。
夜景の美しいベイエリアでも釣れることから、都会でイカ釣りという『非日常』や『ミスマッチ』が味わえる。『安近短』の代表格であり、仕事帰りに気軽に楽しめるのでおすすめ。
年間を通じて多彩なツツイカが釣れるが、水温が低下する初冬からアオリイカと入れ替わるように各種ツツイカの群れが固まるため岸から釣れる範囲への回遊が始まる。
関東近辺では10~12月にヒイカ(東京湾)
12~1月にケンサキイカ(相模湾:三浦半島~東伊豆)
1~3月にヤリイカ(相模湾:三浦半島~東伊豆)
1~3月にスルメイカ(相模湾:東伊豆)の回遊がある。
必要なタックル
ロッド&リールアオリイカのエギングで最も多用されている3.5号の餌木が20g強の重量であるのに対し、ライトエギングで使用する餌木は3~10gと軽いため、エギングロッドを使用するとオーバーパワーとなるだけでなくアタリも感知しにくくなる。使用する餌木の重量に応じたスペックのライトゲームロッドを使用するとよく、中でも感度に優れたアジングロッドの高弾性モデルは重量も軽くて操作性がよい。
合わせるリールもアジングやメバリングなどのライトゲーム用の軽量モデルを選択すると、タックル全体の重量も軽くなり、軽快かつテクニカルな釣りが楽しめる。ただし、ヤリイカねらいなどで遠投性を高めるため3号などの大きめの餌木を使用する際は秋のアオリイカエギングに使用するタックルの流用でもよい。
ラインと餌木
常夜灯の下などラインが見える明かりがある場合は白などの視認性のよいカラーのPEを使用することでラインの変化でアタリを取ることができる。また、5g以下の餌木を使用する際はアジング用のエステルラインを使用すると手感度が上がり、イカのアタリを感じやすくなる。これはアジングにもPE派とエステル派がいるのと全く同じで、アジングで使い慣れているラインを選択するといいだろう。
餌木はライトエギング専用のものが使いやすい。浅いレンジから深いレンジを探れるように、シャロー(S)・ベーシックシャロー(BS)・ベーシック(B)・ディープ(D)の4タイプを沈めるレンジに応じて使い分けたい。
そのほかあると便利なグッズ
ライトエギングには大きく2種類のリグがある。ラインの先に餌木単体をセットした「エギ単」と、リーダーにドロッパーとしてスッテを付ける「アシストリグ」だ。後者は効率よくダブルヒットをねらえるだけでなく、異なる姿勢、大きさ、カラーを組み合わせることで1パイが抱く選択肢が増え、結果的にヒット率が高まるうえに状況の推理もしやすくなる。また、小型のスッテは単体だと軽くて投げにくく、また沈まないため使いにくいが、餌木と組み合わせることで遠くに投げることも深く沈ませることもできるようになる。アシストリグの完成仕掛けがあると非常に便利だ。
ヒイカはこんなところにいる
ツツイカの仲間の中で最小のヒイカこそライトエギングの面白さが凝縮されている。
ヒイカは砂泥地を好み、漁港内や波止などでねらう。
小型のうちはプランクトンや甲殻類を捕食しているが、成長に伴い魚食性が増すので小型のイワシ・サッパなどが回っていると餌木への反応もよくなる。
最もヒイカに巡り合いやすいのは常夜灯の下で、光にプランクトンやそれをエサにする小魚が寄り、それをねらうヒイカも集まりやすいためだ。明かりの周りにヒイカが浮けばサイトフィッシングもでき、回遊してきたヒイカが一旦留まる場所となる。
流れに乗ってベイトが回遊、またはエサが流れてくるイメージで誘うのも大切だ。餌木をシャクっていて流れの圧を感じる場所はヒイカの食い気も上がりやすい。潮通しのよい船道や潮目のある場所などに入るとよい。また、船や台船、ロープ周りなどもフィッシュイーターから身を隠すために居着くことがあり、甲殻類や小魚が通過すれば陰から飛び出して捕食もする。ヒイカは小型ながら性格はかなり獰猛なイカである。
ヒイカの誘い方、釣り方
ヒイカのみならずツツイカの類は、表層を固まって回遊するときもあれば、ベイトフィッシュの有無、セイゴやタチウオなどの外敵の有無により、中層・ベタ底など回遊レンジが変わり、それを探り当てる必要がある。そこで下図の①~③のようにキャスト後カウントダウンを行ない、一定のレンジを攻めながらツツイカの回遊層を探る)
次に、常夜灯下にヒイカが回遊してきた場合、また①~③の釣り方で追尾してきたヒイカがいた場合は足もと中心の釣りを行なう。
イカが目視で確認できた場合はシャクリでイカに餌木を気付かせ、フォールまたはステイで乗せるサイトフィッシングの④を行なう。
イカが見えない水深の足もとにいる場合は、ある一定の秒数をフリーフォールさせてバーチカルにシャクるカウント釣法か、テンションを掛けたままフォールさせ、イカの触りにラインが緩んだらアワセを入れる方法の⑤で足もとの見えないイカにアプローチするとよいだろう。
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