いろいろ交換してみるべきなのは、ヘッド以外の「ユニット」部分のほうだ。その中でも一番の核となるのは、ヒラヒラと揺れ動くネクタイということになる。スカートはネクタイの役割にプラスして、たとえば活性のより高いマダイに対し、よりボリュームのあるシルエットでアピールする役割がある。
いろいろなネクタイを試してみよう!
まとめ◎編集部
和製漁具が発展して生まれたタイラバ。「アワセをしない」「ただ巻くだけ」という釣り方から、慣れないと「本当にそれで釣れるの?」と疑問も湧くが、全国の海で効果は実証済み。オモリの後ろにヒラヒラと揺れ動くネクタイとハリが繋がり、その動きに興味を示したマダイが食いついてくる。この春、チャレンジしてみよう。
この記事は月刊『つり人』2021年5月号に掲載したものを再編集しています
この記事の内容
- 第2回:タイラバの選び方
- 第1回:タイラバに適した竿(ロッド)、リール、ライン
- 第1回:タイラバの概要・仕組み
- 第3回:タイラバの釣り方の基本はタッチ&ゴー
- 第3回:釣れない時も焦らない
タイラバの選び方
タイラバ選びは迷い始めるとキリがない。いろいろな考え方があるが、入門者であればずばり、重さが合っていればヘッドは何でもよいとまず割り切ってみる。これはタイラバのエキスパートの一人である、和歌山加太・釣り舟海竜の中井一誠さんも提唱している考え方だ。
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タイラバでは最終的にハリ部分にマダイが食いつくことが大切だ。オモリが目立ったとして、その場合は強いアタリはあってもしっかりフッキングせずバレることがよくある。それならばヘッドはあまり迷わず、ひとまずベースカラーといわれる赤系やオレンジ系にしておけばよいだろう。
いろいろ交換してみるべきなのは、ヘッド以外の「ユニット」部分のほうだ。その中でも一番の核となるのは、ヒラヒラと揺れ動くネクタイということになる。スカートはネクタイの役割にプラスして、たとえば活性のより高いマダイに対し、よりボリュームのあるシルエットでアピールする役割がある。そのため、釣り人によってはスカートは使用せず、ヘッドとネクタイとフックだけの組み合わせを常用する人もいる。
上段2列がオモリを兼ねたヘッドで、下段2列がユニット部分。ヘッドが受けた水流が渦になることで、後方のユニット部分(ネクタイなど)がゆらゆらと生命感のある動きをする
ネクタイのパターンは無限にあるが、大きくはストレートタイプとカーリータイプの2 種類だ。同系色でまとめたり、コントラストを付けたり、細身のものを使ったり、太めをセットしたり、自由に組み合わせて使う
ネクタイには大きく分けて「ストレート系」と「カーリー系」がある。ストレート系は名前のとおりまっすぐ直線的なシルエットで、スカートの中でもナチュラルな波動でマダイにアピールする基本形とされる。一方のカーリー系は、くるっと巻いたようなシルエットで、流水抵抗をより受けることから、波動がやや派手になる。
まずはストレート系のネクタイで釣りをして、アピール力をアップするほうがよいのでは?と思ったら、カーリー系にチェンジしてようすをみるといった使い方をする。もちろん、初めからカーリー系のネクタイを試しても全く問題ないし、ストレート系とカーリー系のネクタイを合わせ使ってもよい。
そしてネクタイ(を含むユニット部分)については、積極的なカラーチェンジがアタリを増やすのに欠かせないと多くのタイラバ経験者が実感している。特に釣り場の水深が浅く(目安として50m以浅)、なおかつ潮が澄んで透明度が高い時は、その時にマダイがよく反応する色があるという点は多くの人の実感だ。
基本とされる色はいくつかあり、「赤」「オレンジ」「緑」「黒」などが代表格だ。このほかに「ケイムラ」や「グロー(夜光)」といった要素もある。色選びの一例は別表に記したので参考にしてほしい。なお、一見すると同じピンクでも、普通のピンクだと全くアタリがなかったのが、極薄のピンクにしたら釣れたという状況が実際に起きる。そうかと思えば、多くの人が繊細な厚みも色も薄いものを選んでいる状況で、一人だけシルエットのハッキリする濃い色やボリュームのあるネクタイにしたら当たるということもある。このあたりがタイラバのカラー選択の面白いところだ。
ネクタイのカラー選択のヒント
●多くの人が基本色に挙げるのは「赤」「オレンジ」
●潮が澄んでいる時は薄い色や半透明の色が効く
●潮が濁っている時は濃い色がいい時と、逆に薄い色のほうがいい時がある
●深場は黒が有効な場合がある。そのほかシルエットがはっきり出る赤や緑も
●産卵期(乗っ込み期)はチャートが効く
●暗い時、薄暗い時、雨の時はケイムラ系が効く。逆に晴天時は嫌がられる
●グロー系は朝夕のマヅメ時に効果がある
●その時マダイが食べているエサも意識する(エビ、イワシ、ゴカイなど)
ネクタイの形やカラー選択が当たってヒットした時はうれしい。アタリが得られなければ積極的に交換してみよう
そして近年、使用する人が増えているのがワームだ。もともとはハリにチョン掛けして使うタイプが発売され、ハリに取り付けることでフックが浮き上がりやすくなり、その効果でハリとネクタイが同調しやすくなる効果も得られるため愛用者が増えた。ハリとネクタイが同調すれば、タイラバを追ってきたマダイが食い付いた時、一発でフッキングする確率も高くなる。また、最近は「ネクタイワーム」と呼ばれる、ネクタイと同じようにユニットの中に取り付けるタイプのワームも各種発売されている。ネクタイワームは厚みがある分、ヒラヒラとした通常のネクタイにはない波動を生んで魚にアピールするものと位置付けられている。
まずは完成品(ヘッド、ネクタイ、ハリの組み合わせ)を入手し、オプションとしてチョン掛けタイプのワームも購入。思い立ったら使ってみるといった感じでこの釣りを始めてみるとよいだろう。
第3回、タイラバの釣り方につづく……