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編集部2021年11月17日

磯のルアー釣り ヒラマサ釣りに必要不可欠な「メタルジグ」その2(最終回)

ヒラマサ PICKUP 魚種別釣りガイド

ショアではいかにタックルを絞って磯に上がるかというのも関わってくる。昔に比べてジギングはたしかに要所での使用になったが、それでもまったくなしでは釣りの組み立てに大きな差が出る。美味なお土産魚がよく釣れるのもプラスだ。

出番は減ったが、ジグが必要不可欠なのは現在も同じ

写真と文◎田町一歩

この記事は「ルアーパラダイスKyushu 2021年晩秋号」の記事を再編集しています

  

ショアではいかにタックルを絞って磯に上がるかというのも関わってくる。昔に比べてジギングはたしかに要所での使用になったが、それでもまったくなしでは釣りの組み立てに大きな差が出る。美味なお土産魚がよく釣れるのもプラスだ。

shore-jig (3)

常岡紘次

(つねおか・こうじ)  ショアを中心に九州北部から九州南部、九州南海まで青ものを狩る。ブルーウォーターハウススタッフ。福岡県在住

こちらの記事は 好評発売中の「ルアーパラダイスKyushu 2021年晩秋号」から抜粋したものです。 プラグのキャスティングもジギングもすべて取り上げ、秋〜冬にかけての絶好機に最高の備えとなるノウハウがぎっしり詰めました。10kgアップの連発劇やショアからの値千金の1尾を是非ご覧ください!↓↓↓

 

ジグの重心選びのコツと重要なポジション取り

shore-jig (13)大型~小型、他魚も含め、ジグは食わせも得意なルアーだ。使えるようになって損することはない

 ヒラマサをジグで絞り込むうえで欠かさずに見なければならないのは流れである。流れの強弱もだが、もっと言えば流れの方向だ。

 それに対しても常岡さんはひとつのプロットを持っている。「潮上へのキャストからスタートし、段々とキャスト地点を潮下に広げていって、いわゆる扇状に探るわけですが、それと同時に理想的な自分の立ち位置も探していきます」

 潮上にキャストすると流れに押されて手前に戻ってくるため、「早く着底できるジグを選ぶようにしている」という。

shore-jig (15)愛用ジグのターマックとグラベル。やや後方重心の前者はオールマイティ、中央重心の後者が荒い場所などに向く。フックはジガーミディアムロックアシスト(カルティバ)

  これが重心の使い分けになる。

 早く着底するのはリア重心である。特に釣り始めはリア重心でテンポよく探っていく。

 逆に潮下はそれだけ流れの抵抗をジグに受けるため、「抜けのよいセンターからフロント重心のジグ」を選ぶ場合が多い。

shore-jig (14)撃投ストライクも引き重りが少ない優れたセンターバランスのジグ

 ジグが抵抗を受けすぎると「シャクっていてキツいので、キツすぎるとあんまりよくない」と覚えておくとよい。

 ただし、「潮を受けているのか、ジグの引き重りなのかの判別」は行ないたい。

 2枚潮はこの引き重りを受けることが多いので、ポジションを変えるなどして対応する。

 常岡さんによれば、「心地よい引き重りのときはバイトもよく出る」から、引き重りのよいポジション探しをしていくとヒットを取りやすい。

 

底取りは3回目がチャンス大

 ここまでが常岡さんのショアジギルーティーンだ。

 釣り場でショアジギを始めたらザッとやって、ここから絞り込みに入る。

 それは、「ヒラマサはストラクチャーを利用して食っている」と経験上感じているから、「ジャーキングや潮の加減から、どのあたりにストラクチャーがありそうかアタリをつけておき、それをなんとなく洗い出したら、今度はそのストラクチャー周りに絡めるようにジグを動かして、一歩踏み込んでいく」わけである。

shore-jig (17)投げて探りながら自分の立ち位置もベストポジションを探す。それぞれの立ち位置でランディングの想定もしておく
 

 ジグを水深の半分までシャクり上げるのは、ヒラマサジグを見つけてほしいからだが、周りになにもないところではなかなか食ってこない。

 やはり、ベイトを襲うにも警戒心から自らを危険にさらさないためにも地形を利用することが多いのだ。

 つまり、ストラクチャーとなる瀬周りやカケアガリが絡むことが多い。シャクったジグを着底させる意味はそこにある。

 ジグを追尾して足元の壁で食うというのも、ストラクチャーを利用した捕食だ。

 常岡さんの経験では「ファーストフォール時か足元に近づいてきた最後のフォールでヒットすることが多い」そうである。

 傾向として2回目の底取りでヒットするケースは少ない。

 また、「最初の着底で動かし始めた瞬間にアタる、いわゆる着ドンは決まってデカイ」という。

 いずれにしても着水してから海底に落ちているときと2 回目の着底からジャークが始まって、そこで気づいた個体が浅いほうへ近づいたときに食ってくるパターンが大半を占めている。

shore-jig (10)ジギングで掛けた魚はファイトスキルが問われるが、それだけに学ぶことも多い

 

ジグについてさらに解説!

 常岡さんが使うジグは80~150g。

shore-jig (16)80 ~ 120g のジグはWB104HSX にPE4 号、フロロリーダー60Lb4 ヒロで使う。リールは同様に8000HG

shore-jig (18)WB108R も使用

  水深は15~30mが多いと考えている。ショアからの射程圏内で60mを超えるような海は男女群島くらいだと感じている。五島や対馬でもいいところ30mだと想定してジグの重さを使っている。

 ジグの重心の違いについては前述したが、さらに記すと「極端な前方重心や後方重心は使わない」のが常岡さんのセレクトである。

 好みは4対6で後方、5対5のセンターバランスだ。

 このくらいのジグがオールマイティに使えて、シチュエーションを外しにくい。極端な前寄り、後方寄りはある状況では異常に強いが、それを外すとマッチしないことが多いようである。

 

shore-jig (12)フックサイズは7/0 か9/0 が多い

 

 また、持参するジグは本数を絞っている。

 無制限に持参していると荷物が超絶重くなってしまう。常岡さんはマックスで10本。内訳の目安は4対6の後方が5本、5対5のセンターが5本だ

 これらを2タックルで使う。

 体力の負担を抑え、集中力を維持して釣りを続けることにも心を砕く。

 フックはフロントにシングルを1本セットする。ツインは使わない。これは2本掛かると魚を誘導させづらくなる場合があるからという。

 2本掛かると妙な方向を向いたり、掛かりどころによっては互いの力で肉を割いたりするため、それを防ぐようにしている。

 1本だと口のなかから内掛かりしてくれやすくもなる。もっとも、その分魚もよく引くそうだ。

 どこへ行くにもジギングタックルは1本は持っておきたい。

shore-jig (20)フックはシングルのみを使用

 

shore-jig (19)グラベルで獲った1 尾

 

◆関連記事 

ショアジギング入門 メタルジグ カテゴリー別解説~重心による使い分け~ その1(全3回)

 

 

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