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つり人編集部2026年8月10日

東京の川で釣って食べる天然ウナギ!鮮魚のプロもねらうほど美味【中川】

身近な都市河川でもねらうことができるウナギ。ここ数年はシラスウナギの遡上も多かったことから、釣果への期待が高まっている。数あるウナギ河川のなかから、今回ピックアップするのは葛飾区の中川だ。この川に通う大山健二さんは、鮮魚水産品を扱う卸売り大手に勤めるプロ。日ごろ高級魚に触れている人物が、自ら竿をだしてまで求める味とは。釣り方から、都市河川のウナギをおいしく食べるコツまで聞いた。

著者:編集部

写真と文◎月刊つり人編集部

調理写真◎大山健二

1946年創刊の雑誌「月刊つり人」を始め、数々の釣りに関するコンテンツを作成してきたつり人社の編集部。

蛇行が特徴的な中川はウナギの好ポイント

東京都北区の岩淵水門から隅田川と分岐して、足立区・墨田区・葛飾区・江東区・江戸川区を流れる約22kmの区間は治水対策のために造られた人工水路で「荒川放水路」と呼ばれる。荒川放水路がなかった頃の荒川は現在の隅田川を流れており、「荒ぶる川」と呼ばれるほど洪水が多い川だった。

荒川放水路の完成によって分断されたのが中川で、江東区側は旧中川、葛飾区側は中川、そして度重なる洪水被害をなくすために造られた人工水路が中川放水路であり、旧江戸川に注ぐ現在の新中川である。

新中川が直線的で人工的な流れであるのに対して、「かつしか郷土かるた」で「中川は 右に左に 七曲」と読まれる中川はくねくねと蛇行を繰り返しており、ここが人工的な川ではないことを物語る。

葛飾区のほぼ中央部を北から南へ流れ、高砂橋下流からその流れを南西方向に変え、蛇行を繰り返しながら上平井橋下流で綾瀬川に合流する。

中川七曲がりと呼ばれるほど蛇行する中川。カーブの内側をねらうことが多い
中川七曲がりと呼ばれるほど蛇行する中川。カーブの内側をねらうことが多い

変化が多くウナギの付き場が多い

その中川と綾瀬川でウナギ釣りを楽しんでいるのが大山健二さんだ。

「もともと実家が足立区でして綾瀬川でウナギ釣りを始めました。そのうちに合流する中川にも興味を持って探ってみると、綾瀬川に負けないくらいウナギが多いんですよ」

実際、仕掛けを投じると、古い川底の名残なのか岩盤と思えるような硬い岩場があり、流心も右に寄ったり左に寄ったりと変化が多かった。

「荒川放水路と並行する中川下流でもウナギは釣れますが、僕がウナギだったらこの七曲がり付近まで遡るだろうって思います(笑)」

前日までの大雨による濁りと暖かい南風という絶好の条件だった
前日までの大雨による濁りと暖かい南風という絶好の条件だった

30号のお多福オモリが必要な速い流れ

実際、流れは非常に速く、潮回りに関係なく常時30号のオモリが必要で、転がりにくい形状のお多福オモリを愛用している。根掛かりも多いが、そうした地形変化の周辺でアタリが多いことから、そこがウナギの根城になっているのではないかと推察する。

流されにくい形状のお多福オモリの30号を使用
流されにくい形状のお多福オモリの30号を使用

近所で天然ウナギが釣れる驚き

クロダイのヘチ釣り、前打ち、シーバス釣りを得意にする大山さんだが、ウナギ釣りに関しては食味のよさが魅力という。以前も月刊つり人誌面で魚捌きの腕前を披露してくれたことがあるように、鮮魚水産品の卸売り事業の最大手企業に勤めており、高級魚の扱いは日常茶飯事であるが、ことウナギに関してはまず天然物が手に入ることはなく、ましてや最高峰と呼ばれる江戸前のウナギとなれば自分で釣るほかないという点も燃える条件であるという。

この日、中川の釣りに同行してくれた職場の先輩である吉田健司さんはまさにその典型。普段からさまざまな魚を扱う仕事柄、たまの休日に釣りに行くなんて発想すらなかったという。ところが数年前に大山さんから綾瀬川のウナギ釣りに誘われ、見事にハマった。

「家が葛飾区にあるもんで綾瀬川も近いし、中川はもっと近い。そんな身近な川で、鮮魚の専門店でもまずお目にかかれない天然ウナギが釣れることが驚きでしたし、釣ってみると引きは強いし、食べてみるとこれまた旨い」

と初夏を待たずGW前からサオをだし、10月いっぱい楽しんでいる。

職場の先輩の吉田さんは中川で年間数十本のウナギを釣る常連
職場の先輩の吉田さんは中川で年間数十本のウナギを釣る常連

ウナギが釣りやすい条件

条件としては川に雨後の濁りがあってじめじめと湿った蒸し暑い日の日没から2~3時間がプライムタイム。ただし取材を行なったGW頃はまだ気温が低いことから、北よりの風よりも暖かい南の風が吹く日がいいという。

釣り座は右岸でも左岸でも遜色ないはずだが、自転車で釣り場に通う吉田さんは、より自宅に近い右岸側にある流れがぶつかって湾曲するカーブのアウトサイドベンドをねらうことが多いという。この日も本奥戸橋下流のカーブ内側周辺に陣取った。

基本的には日没前に釣れることはあまりないというが、この日は明るい17時半にいきなり良型が食ってきた
基本的には日没前に釣れることはあまりないというが、この日は明るい17時半にいきなり良型が食ってきた

中川ウナギの仕掛けと釣り方

ロッドは7~8ftのシーバスロッドを愛用。30号のオモリを背負え、40cmを超すニゴイでも抜き上げることができるミディアムヘビークラスを用いる。ウナギ釣りに玉網は使わないが、ニゴイやクロダイやコイなどの対策として玉網を用意するのはありだ。

ミチイトはPE1号、ハリスはフロロカーボン2号、ハリは三越ウナギ11~12号。以前はミチイトとハリスの間に砂ズリイトを通していたが、現在はPEラインにお多福オモリを通して、そのままヨリモドシをオモリ止めにしているという。「いろいろやりましたが、結局シンプルな仕掛けが一番トラブルが少ないし、いざというときに切れてほしいハリスで切れてくれます」と大山さん。

シンプルなスプリング鈴が穂先の太さを選ばず使えて便利で安いという。投げるときとやり取りするときは必ず外すこと。そうしないと飛んでいって紛失してしまう
シンプルなスプリング鈴が穂先の太さを選ばず使えて便利で安いという。投げるときとやり取りするときは必ず外すこと。そうしないと飛んでいって紛失してしまう

エサは市販のミミズが基本

エサは市販のミミズを愛用。極太ミミズの大関やさらに大型の熊太郎を使い、夏場はアオイソメも併用したところ、日によってはアオイソメにアタリが増えることもあるというが、基本は市販のミミズで問題ないという。釣行前に時間があるときは湿りっけのある日陰の腐葉土の下を掘って天然のドバミミズを用意することもあるが、市販に比べて明らかな食いの違いは感じたことはないそうだ。

装着はミミズ通しは使わずハチマキのある頭側から通し刺し
装着はミミズ通しは使わずハチマキのある頭側から通し刺し

日没前から60cmオーバーが連発

日没からの2~3時間の間に満潮を挟んで上げ潮と下げ潮の両方がねらえるとベストといい、この日はまさにその条件が整った。しかも前日に相当な雨が降り、濁りはかなりきつめで南の強風。

というわけで日没の1時間前から釣りを開始すると、まだまだ明るい17時半に吉田さんのサオから魅惑的な鈴の音が!

巻き上げ途中の根掛かりも多いことからアワセを入れたあとは一気に回収し、抜き上げる。これが60cm近い太いウナギだった。

その後、お互いにニゴイを数尾釣ったのち、19時40分に再び吉田さんが同サイズを追加。下げ潮が利いてきたタイミングで大山さんがキャッチしたのはこの日最大の60cmオーバーの極太。「今日は条件がよかったからですが、ひと晩でひとり1~2本釣れることは珍しくありません」と大山さん。

「やっと来ました~」と大山さんもゴボウ抜き
「やっと来ました~」と大山さんもゴボウ抜き

プロも太鼓判を押す江戸前天然ウナギの味覚!美味しく食べるコツは泥抜き

そして気になるお味だが「グリルで焼いている最中から脂がぽたぽたと滴り落ちて最高の味わいでした。都内ということもあって以前は泥抜きを徹底的にしていましたが、今は水道水で1~2日活かしておけば身は臭みもなく美味しくいただけます。肝まで食べるならもう少し泥抜きをしたほうがいいのかなという感じです」とプロの魚屋である大山さんも太鼓判を押す。

家庭では蒲焼きを乗せるうな重よりも短冊に切ってご飯に合わせるひつまぶしのほうが簡単でおすすめと大山さん
家庭では蒲焼きを乗せるうな重よりも短冊に切ってご飯に合わせるひつまぶしのほうが簡単でおすすめと大山さん

※このページは『つり人 2026年7月号』に掲載した記事を再編集したものです。

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列島をゆるがすコロナウイルス。けれども、日増しに暖かくなる春の日を、じっと家にこもって過ごすのはやっぱり体によくない。その点、手軽な海の釣りは、風も気持ちよく、大人も子どもも、思い切り深呼吸しながら時間を過ごせる。ウミタナゴ、メジナ、クロダイ、カレイ、アオリイカ、カサゴ……。元気な魚たちが泳ぐフィールドで、がんばろう、ニッポン! そのほか、3名手の渓流解禁レポート、里川で見つかる美味しい道草、みちのくタナゴ旅など旬の釣り満載でお届け。

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