年々厳しさを増す夏の暑さ。それでも「釣りに行きたい」という気持ちは止められないものだ。編集部でも炎天下で取材することがあるが、近年は対策なしで一日を乗り切るのが難しくなってきた。実際、装備を見直しただけで釣行後の疲労感がまるで変わったという声も出ている。
ここでは、編集部員が実際に取り入れている暑さ対策と、釣り場で気をつけたいことをまとめて紹介しよう。楽しく安全に夏の釣りを続けるために、参考にしてほしい。

まとめ◎つり人オンライン編集部
1946年創刊の雑誌「月刊つり人」を始め、数々の釣りに関するコンテンツを作成してきたつり人社の編集部。
出発前に「暑さ指数(WBGT)」を確認しよう
対策グッズの前に、まず考えたいのが「今日、本当に行くべきか」という判断だ。
環境省の熱中症予防情報サイトでは、気温だけでなく湿度や日射も加味した「暑さ指数(WBGT)」が地点ごとに公開されている。危険度が高い日には熱中症警戒アラートも発表されるので、釣行前にチェックする習慣をつけておきたい。
釣りは日射をさえぎるものが少ない環境で長時間過ごすことが多く、想像以上に体へ負担がかかる。指数が高い日は、釣行そのものを見送る、あるいは朝だけの短時間釣行に切り替えるといった判断も立派な対策だ。「行かない勇気」が一番の熱中症対策になる日もある。
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日焼け対策は必須級!釣行後の疲れ方が違う
紫外線を直接浴び続けると、思っている以上に体力を奪われる。日焼けは軽度のやけどのようなもので、皮膚がダメージを受ければ回復にエネルギーが使われるし、水分も失われやすくなる。
釣り人のなかには日焼けウェルカムという人も少なくない。編集部にも、かつては炎天下に半袖で立ち続けるストロングスタイルの部員もいた。だが近年の猛暑にはさすがに勝てず、UVカットパーカーやアームカバー、タイツ、フェイスカバーを使い始めている。
その結果、口を揃えて言うのが「取材や釣りの後の疲れがまるで違う」ということ。長袖のほうが暑そうに思えるが、直射日光を肌に受け続けるより、むしろ体は楽になる。加えて、こまめに塗り直す日焼け止めや、目を守る偏光グラスも組み合わせたい。水面の照り返しは想像以上に強い。

冷感系アイテムも活用しよう
UVカットアイテムには、冷感機能を備えたモデルも多い。熱中症自体を避ける効果はないものの、暑さによる不快感は軽減してくれる。ただし、炎天下で長時間過ごす釣りでは、吸水速乾性を重視したい。冷感機能の中でも汗に反応して熱を奪い持続的に体を冷やすタイプがベストだ。
また近年は、ファン付きウェアやペルチェ素子を使った冷却ベストといったハイテク装備も登場している。猛暑日であっても水辺へ足を運ぶ熱心なアングラーなら、熱中症対策の一環として導入を検討する価値は十二分にある。
水分と塩分は多めに持っていき、意識して補給する
炎天下での水分切れは非常に危険だ。「多いかな」と思うくらいの量を持っていこう。クーラーボックスに氷を多めに入れて、冷やしておくのがおすすめだ。
飲み方のコツは、のどが渇く前にこまめに口をつけること。渇きを感じた時点で、すでに脱水は始まっている。
そして忘れがちなのが塩分の補給。汗で失われるのは水分だけではないので、水やお茶だけを大量に飲むとかえって体調を崩すことがある。
飲み物はスポーツドリンクをメインに、凍らせた状態のものを持っていくのがおすすめだ。凍った状態で、太い血管の通る首や脇の下に当てたり、手に持って揉むことで効率よく身体の熱を逃がせる効果もある。
熱中症のサインと、その場でやるべきこと
どれだけ対策をしても、体調が崩れることはある。大事なのは早く気づくことだ。
めまいや立ちくらみ、足がつる、大量の発汗、頭痛や吐き気、体のだるさ。こうした症状が出たら、迷わず釣りを中断しよう。「もう少しだけ」が一番危ない。
対処の基本は、涼しい場所に移動し、衣服をゆるめて体を冷やし、水分と塩分を補給すること。冷却は首・脇の下・足の付け根を優先する。船なら日陰やキャビンへ、堤防なら車のエアコンが効いた車内へと、とにかく日射から離れることだ。
そして、自力で水が飲めない、意識がはっきりしない、反応がおかしいといった場合は、ただちに救急要請をしよう。
「朝マズメ限定」など、時間と場所を選ぶ
最後に、暑い時期の釣行で最も現実的な対策は、そもそも暑い時間に釣りをしないことだ。
おすすめは朝マズメを絡めた早朝釣行。魚の活性が上がるゴールデンタイムと、一日でもっとも涼しい時間帯が重なる、まさに一石二鳥のタイミングになる。「太陽が高くなってきたら納竿」くらいの割り切りがちょうどいい。同じマズメ時でも、夕方は日中に蓄積した熱が残っているため、条件としては朝に分がある。
釣り場のタイプによっても、リスクは変わってくる。船や磯、沖堤防のようにすぐに帰れない・逃げ場がない釣り場では、体調を崩したときの対処が難しくなる。猛暑日にそうしたフィールドへ出るなら、装備も水分もいつも以上に余裕をもって用意しよう。子どもや年配の方と一緒なら、なおさら慎重に。
対策をしっかり整えて、この夏も無理のない範囲で釣りを楽しんでほしい。



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