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編集部2021年10月23日

クロダイ&メジナの大ものを釣るには? 堤防ウキフカセ釣り一問一答 前編

クロダイ-海 メジナ PICKUP 魚種別釣りガイド

エサを撒き、潮流や風を読み、魚のタナに付けエサを送り込むウキフカセ釣り。状況に応じて工夫すべきことが非常に多いこの釣りは実に奥深い魅力がある。主要ターゲットはクロダイ&メジナ。身近な堤防で大型魚を手にするための多彩なノウハウを小誌お馴染みの2人の名手に聞いた。

そもそもウキフカセ釣りって? 堤防で準備すべきタックル&仕掛けは?

回答◎庄司光浩、友松信彦

 エサを撒き、潮流や風を読み、魚のタナに付けエサを送り込むウキフカセ釣り。状況に応じて工夫すべきことが非常に多いこの釣りは実に奥深い魅力がある。主要ターゲットはクロダイ&メジナ。身近な堤防で大型魚を手にするための多彩なノウハウを小誌お馴染みの2人の名手に聞いた。

庄司光浩さん:千葉県南房総市在住。館山から千倉周辺の堤防や磯に通じクロダイやメジナを追いかけるベテランエキスパート
友松信彦さん:神奈川県横浜市在住。シマノジャパンカップで3度の優勝を果たしたトップトーナメンター。伊豆半島をホームに周年メジナを釣り続け、堤防でも腕を磨く



この記事は『つり人』2019年12月号に掲載されたものを再編集しています。

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なぜ「ウキフカセ」釣りと言うのですか? その特徴は?

庄司 かつてはウキを使わず軽い仕掛けを流し込む「ミャク釣り」をフカセ釣りと呼んでいました。ウキフカセはウキおよび必要最小限のオモリも使いますが、仕掛けを潮に漂わせ(フカセ)てねらいのタナに流し込みます。カゴなどの大きな抵抗物がなく、シンプルなウキ仕掛けで行なうフカセ釣りをウキフカセ釣りと言います。

友松 この釣りのキモは寄せエサを使うことです。そして寄せエサと付けエサをいかに同調させるかが釣果の決め手。軽い仕掛けで付けエサを自然に漂わせ同調時間を長くする。それがウキフカセ釣りです。


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寄せエサをどのように効かせて仕掛けをどの位置に投入するのか。釣りの組み立てが抜群に面白いウキフカセ釣り

ウキフカセ仕掛けの構造

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 固定、半遊動、全遊動と主に3タイプの仕掛けがある。最も一般的なのは半遊動仕掛け。ウキの上にウキ止メイトを付け、仕掛けが馴染み、ウキ止メまでウキが遊動したところでウキ下が固定される。

 ウキ止メとウキの間にシモリ玉を入れるのは重いガン玉を打った時にウキ穴からウキ止メが抜けてしまうため。ひげを長めに出してウキ止まりをよくする「なるほどウキ止メ」という方法もあるがここでは割愛する。

 ウキの下にあるゴム管(ストッパー)には主に4つの役割がある。1=これ以上ウキが下がらないようにするストッパー。2=ウキ下の仕掛けがどのように入っているかを見るマーカー。3=キャスト時にイト絡みを防止する(主に棒ウキで威力を発揮)。4=潮受けとなる抵抗物(より潮を受けやすいタイプもある)。

 ストッパー直下に打つガン玉は浮力調整用。ウキの表示浮力に合ったガン玉を打つ。なおハリスに打つガン玉は付けエサが極力たなびくように軽めのガン玉を打つのが基本。

 ちなみに固定仕掛けはウキをヨウジで固定する。全遊動仕掛けはウキ止メを付けず広くタナを探る仕掛けだ。ちなみに図の友松さんの仕掛けはウキ止メを付けていないが10mと長めに取ったハリスにウキを通している。こうするとウキ上に自重のあるフロロカーボンが被さりウキ穴の中をイトが抜けにくい。フロロハリスにウキが押し込まれる半固定のような格好になる。食い込みがよいのがメリット。

堤防釣りで使う竿はどんなものがおすすめですか?

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磯ザオは軟らかくて繊細。引き味も楽しい

庄司 ご自身の釣り場でよく釣れる魚種とサイズ、またよく行くポイントの地形など考慮すべきことはいくつかあります。たとえば内湾でクロダイを中心に時々メジナも釣る程度なら磯ザオ1号でよいでしょう。それが外海でメジナの良型もねらえる釣り場に通うのならば1.5号をおすすめします。長さは5.3mが一般的ですが、持ち重りの軽減や風が吹いている時の取り回しを優先に考えるのなら5mでもよいと思います。クロダイだけしかねらわないのならチヌザオでもよいです。ラインナップの中から硬めのサオを選んだほうが初めのうちは扱いやすいと思います。

友松 これから釣りを始める初心者ならグレザオ1.2号5.3mがおすすめです。堤防といっても50cmクラスが釣れることだってあります。堤防は磯に比べハエ根も少なく1.2号くらいのパワーがあれば充分なシチュエーションが多いです。なおクロダイだけをねらうならチヌザオの0.6号5.3mがあればよいでしょう。クロダイであれば55cmクラスまで対応可能です。

ウキは何種類用意すべきですか?

庄司 ウキには円錐と棒の2タイプがあります。クロダイ釣り場は内湾の穏やかなポイントが多いです。小さなアタリを視覚的にとらえて釣るなら棒ウキが断然使いやすい。特に足場の低い釣り座で遠くのポイントをねらう場合は見やすいです。一方メジナ釣りには円錐タイプを使用している人が多いです。号数は0、B、3Bを各1個、遠投が効く大粒ウキはポイントが遠い、もしくは風が強い時に使用頻度が高いです。さらにはある程度オモリを付けられる0.5~1号のウキも用意すると対応幅が広がります。できれば使用頻度の高いウキの予備も用意したいところですが、最初から過剰に数を揃えようとせず、手持ちのウキで「できること」と「できないこと」を見極め、こうしたいと思ったらそれが可能になるウキを追加で購入すればよいと思います。

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棒ウキはオモリが内蔵された自立式タイプがおすすめ。庄司さんはクロダイねらいに棒ウキを多用

友松 潮の中をフワフワと流して釣る場合は00号。シモリ(根)際をピンポイントでねらう場合はB。この2種類があればかなりの状況に対応できます。潮の釣りは体積・自重ともに大きいLサイズがよく、根際の釣りにはMサイズ以下の感度優先のウキを用意するとよいでしょう。初めは色々な形のウキを試し、お気に入りが見つかれば同じウキを使い、オモリ負荷のラインナップだけ変化させて釣ったほうがウキの機能を理解できます。

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円錐ウキの種類は無数。友松さんが愛用するのは0~000号。ウキを沈めて漂わせるには体積の大きなタイプがよい

ミチイトのおすすめの素材と号数を教えてください

庄司 私はナイロンのミチイトを愛用しています。条件を選ばずオールマイティに使用できる素材です。細いほうが風の影響を受けにくく仕掛けを操作しやすくなりますが、たとえば1.5号のミチイトを使うとハリスと号数が同じになることもり、根掛かり時にミチイトが切れるトラブルも多くなります。私は1.75~3号くらいまでを場所によって使い分けていますが、初めのうちは2.5~3号のトラブルの少ない太さをおすすめめします。

友松 ビギナーであればナイロンの2号、中級者以上ならPEの0.6号がおすすめです。ナイロンはトラブルが少なく視認性もよいので初心者におすすめ。2号であればかなりの大ものにも対応できます。PEは近年注目のミチイトで私も愛用しています。ナイロンに比べ、はるかに細イトを使うことができて強度も高い。操作がしやすくオモリを使わない軽い仕掛けで釣るのに最適です。PEならではの表面張力があるので浮かしたり、沈めたりと自由自在にラインコントロールができるのも魅力です。

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友松さんは磯釣り専用PEラインのシマノ「LIMITED PRO PE G5サスペンド」0.6号を愛用

ハリスは何号を用意すべきですか

庄司 クロダイであればフロロカーボンの1.5号、メジナであれば1.75号が使用頻度の高いハリスです。仕掛けを細くすれば魚がたくさん釣れるような気がしますが、掛けても取れないのであれば意味がありません。初めのうちは細い号数よりも自信を持ってやり取りできる号数を使用したほうが、取り込める魚の数は多くなると思います。細めのハリスや中間の号数は経験を積み微妙な違いが分かるようになってから用意しても遅くはありません。1.5号、2号、2.5号の3種類を準備すれば大丈夫です。

友松 堤防釣りの場合1.2~2号があれば、ほとんどの状況に対処できます。

クロダイとメジナをねらうならどんなハリがおすすめ?

庄司 クロダイねらいの場合は1~4号のチヌバリを用意しておけばよいです。使用する付けエサに応じて2~3号で釣り始め、アタリがあっても乗らない、魚がエサを吐き出しているような時にはハリを小さくします。逆にフグなどハリを飲み込んで取ってしまう魚が多い時は飲み込まれないサイズまで大きくして時合を待ちます。

 メジナのハリには太軸と細軸があります。チヌバリに比べると軸が短いのも特徴です。私が堤防で釣る時は細軸のグレバリ4号と6号の使用頻度が高いです。6号で釣り始め、魚が食い込まないようなら4号にサイズダウンします。フグにハリばかり取られる時はクロダイねらいの時と同じく大きめのハリ(チヌ4号)にチェンジします。

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庄司さんがクロダイねらいで多用するのは極端な細軸。オーナー「カットチヌ」0.5~2号

友松 メジナはクロダイに比べ引きが強くハリの強度が重要です。細軸過ぎるとハリを伸ばされバラしてしまうことが多々あります。とはいえ太軸にするとメジナの活性が低い時は極端に食いが悪くなります。好ましいのは中軸程度です。大きさはグレバリ5号を基軸に組み立てます。遠投して食いがよい時は6号、反対に食いが悪ければ4号という感じに替えることが多いです。

 クロダイはハリを伸ばされることが少ないため食い込みを重視して細軸を選んでもよいです。なおチヌバリはヒネリが入ったタイプが多いですがイトヨレの原因になることが多く私は好んで使いません。サイズはチヌバリ2号を基軸にその前後の号数を揃えるとよいでしょう。

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遠投で釣りを組み立てることの多い友松さんはオーナー「遠投ハヤテX」がメインバリ

寄せエサを教えてください。オキアミと配合エサの種類と分量は?

庄司 私の場合はどんな付けエサを使うかに応じて配合比率を替えています。付けエサがオキアミをメインにする場合は寄せエサのオキアミは多め、練りエサが中心の場合はオキアミを少なくし、コーンやサナギなどを追加するといった感じです。クロダイの場合はオキアミ3㎏に対し配合エサが2~3袋、メジナの場合はオキアミ6㎏に対し配合エサ1袋が基準です。

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庄司さんのクロダイねらいの寄せエサ。半日分としてオキアミ3㎏に対し配合エサは2袋。比重の高いエサを好む

友松 寄せエサの考え方はオキアミをどのように撒くかを念頭に置きます。堤防の際だけ釣るのであれば配合エサがなくても成立しますが、大抵はあっちこっちと探った結果、その日その時間のベストポイントが分かるのです。そのためには際から超遠投まですべてができる寄せエサが必要です。私の場合、配合エサはまとまりをよくしてオキアミを飛ばすためのものです。オキアミがあるのですから集魚力はそれほど重視しません。半日の釣りであればオキアミ6㎏にパン粉2㎏+40cmバッカンがすり切れいっぱいになるヌカを使って混ぜ込んでいます。

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友松さんはオキアミにパン粉、ヌカというシンプルな寄せエサを使う。オキアミの粒が必ず入るように混ぜ込む

◆関連記事
友松信彦さんがオキアミの付け方を解説

最も簡単なウキ下の決め方は?

庄司 海底が砂地の場所でクロダイをねらう場合きちんと水深を測ります。ハリに底取り用のゴム管オモリを刺し、ウキが沈まなくなる深さにウキ下を調整し海底付近をねらいます。メジナ釣りの場合は海底からではなく海面から何メートルとウキ下を決めます。大まかな水深をとらえ、ある程度のウキ下で釣り始め、ウキに変化がないままエサが取られ続ける、もしくは釣れたメジナがハリを飲んでいるようならばウキ下を浅くします。逆にエサが取られないならばウキ下を深くします。丁度よいと思うウキ下が見つかっても状況によって魚のタナは変化します。今日のウキ下はこの深さと決めつけず、修正を繰り返しながら釣っていきます。

友松 魚の活性に応じてウキ下は1日の中でも刻々と変化します。タナを見つけることが大切ですが、タナを捜し過ぎてアレコレ変えても見つからず、結局どうやって釣ったらいいのか分からなくなることもよくあります。問1でも答えたようにウキフカセ釣りはオキアミを撒いてその寄せエサに同調させる釣りです。極端な浅場でない限りは、潮流や風などの自然条件を考慮しても5m前後(サオ1本)が最も釣りやすいウキ下になることが多いです。まずは5mを基本にウキ下を決めると調整は楽になります。

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水深を測るのに使用するゴム管オモリ


 

 



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