「魚野川は裏切らない」といつの頃からか源流マンの間で囁かれるようになった。渋沢ダム以遠の源流部では千古不伐の森が続き、その流程は長く日帰りでは到底核心部へは届かない。雪渓は多様な山菜やキノコを一流品に育て、魚影は濃く食すればその味は抜群だ。
裏切らない懐深き美渓
文◎城野徹
この記事の内容
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完全ソ行で楽しみたい
「魚野川は裏切らない」といつの頃からか源流マンの間で囁かれるようになった。渋沢ダム以遠の源流部では千古不伐の森が続き、その流程は長く日帰りでは到底核心部へは届かない。雪渓は多様な山菜やキノコを一流品に育て、魚影は濃く食すればその味は抜群だ。「関アジ」というブランドがあるように「魚野イワナ」とブランディングされるに相応しいイワナが釣れる。
千沢、高沢、黒沢など多くの支流があり、合流点近くにいいテント場がある
腹部が黄色味がかり、オレンジ色の点が特徴的な魚野川のイワナ
標高も高いので真夏でもアブはいない。こんな風にいいこと尽くしの魚野川であるが故、人気も高く混雑しがちなのが唯一の難点だ。ビバークして源流部へ行っても、奥志賀側や長笹沢川から山越えで入渓する面々に出くわすこともある。それでも魚野川は裏切らない。
深山幽谷の気分をしみじみと体感させてくれる貴重な場所である。支流の千沢や渋沢、高沢、黒沢にも魚影がありこの山塊の奥深さはこの上ない。ぜひ切明から入渓して完全ソ行をしてほしい。ソ行だけなら2泊で抜けられるが、釣りを楽しむなら3泊はほしいところだ。3泊すると江戸時代にタイムスリップするという噂があるくらい地球規模の時空を感じさせてくれるのが魚野川だ。
もし雑魚川林道がなければ……。もし長笹沢川や白砂川に魚がいれば……。もし清津川源流にイワナがいれば……。さらに広大なイワナ天国が広がっていただろう。
大ゼンが立ちはだかる。“ゼン”とは滝の意味
渋沢ダムまでは平坦な林道が続く
●管轄漁協:志賀高原漁協(TEL0269・34・2721)
※この記事は月刊『つり人』2018年4月号に掲載したものを再編集しています。情報は掲載時のものです。解禁日・入漁料等は管轄漁協にご確認ください
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