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日本一の清流で見つけた未来の種

日本一の清流で見つけた未来の種

つり人編集部=写真と文

日本の川のジャンヌダルクなどと呼ばれた
アウトドアライターの天野礼子さんから
新著「日本一の清流で見つけた未来の種」をお送りいただきました。




日本一の清流とは
アユ釣りのメッカでもある島根県高津川のこと。

高津川は国交省河川局の「水質日本一」に6回も輝いている
全国で指折りの清流です。

にもかかわらず、流域は過疎化が進み
「地方消滅」へのカウントダウンが始まっています。

問題はどこにあるのかを
「里山資本主義」の著者である藻谷浩介さんと
天野さんが対談形式で指摘しています。

さっそく読ませていただきましたが
天野さんがマイルドに思えてしまうくらい
藻谷さんの指摘が鋭いので、以下にいくつか紹介したいと思います。

現在、我が国は少子高齢化という大問題に直面していますが
そもそも、1億3000万人という人々がこの狭い島国で暮らすこと自体が
「異常事態」であるというのが藻谷さんの考えで
江戸時代は3000万人しかいなかったわけだから
現代のテクノロジーを駆使すれば6000~7000万人が
化石燃料なしで暮らしていけるのではないか。

少子高齢化というのは
サスティナブルな水準に向かって調整が進んでいるだけ。

人口が国土の収容力をはるかに越えてしまったがために
かつては決して人が住まなかった危険地帯
・洪水が発生しやすい湿地帯
・津波の来襲しやすい海辺
・山崩れの起きやすい山ろく
にまで家を作ってしまっている。
(しかし、その一方で地方は過疎化が進んでいる)

日本の田舎がダメなのは
ダメな大企業と本質は一緒。
一部の権力者が自己保身に走り
ダメと分かっていてもなにも行動を起こさないばかりか
せっかく出た新しい芽を摘んでしまう。
そういう人ほど
「アベノミクスによる景気回復の恩恵が地方に及んでいない」
などと言いがち。

東京に住んで、世間で言うところのいい大学に行き
いい企業のサラリーマンになるというのは
本人によほどの運と自信がない限りやめたほうがいい。

などなど。

さて、天野さんといえば
長良川河口堰建設反対運動で一躍有名になりましたが
元々は開高健や山本素石らと親交のあった
「釣りガール」の先駆け。

本書の後半部は天野さんが高津川でこれまでに出会った
さまざまな人たちをクローズアップ。

日本一の天然アユ料理専門店
幻のワサビを復活させる若者
無農薬ではなく「自然栽培」に転向した67歳
森の中で4人の男の子を立派に育てた酪農家
などなど。

淡い希望を与えてくれる一冊です。

(山根)






2015/8/4

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