鮎釣りの黄金期を築いたレジェンドや現役のチャンピオンが一堂に会する夢の決戦“鮎釣りドリームマッチ2025”。その出場権をかけて西日本大会が開催された。
レジェンド&現役トップトーナメンターとの競演切符をかけて
実力者揃いの66名が有田川白石で大熱戦!
主催:鮎釣りドリームマッチ実行委員会
特別協賛:株式会社 龍角散
舞台は関西屈指のトーナメントリバー「有田川」
6月29日(日)和歌山県有田郡有田川町を流れる有田川で「鮎釣りドリームマッチ2025 西日本大会」が開催された。関西エリアの中でもトーナメントリバーであるこの川には競技好きの腕利きがよく集う。今回も熟練のトーナメンターのエントリーが多かった。また和歌山県内水面漁連が企画運営している「わかやま友釣り塾」から巣立った塾生たちの参加も多く、多彩な顔ぶれが揃う和気あいあいとした大会となった。
本大会は8月19日に長良川郡上からライブ配信されるレジェンド&現役トップトーナメンターとの競演「鮎釣りドリームマッチ2025」の切符をかけた予選である。
天然遡上絶好調でアユは濃密!しかし
舞台は有田川の白石地区。大きな白い岩盤があり全体に変化に富んだ流れが続く。今夏の天然遡上はすこぶるよく本部前の流れにもギラギラとアカを食むアユの姿が見られ、まるでアユの絨毯と思えるような濃密さ。しかし前日に下見をしてきた選手は「難しい」と口を揃える。
サイズは10~22cm。流心では良型も掛かるが、連発するほどに多くはない。小型にねらいを絞ればオトリを回すのに技術が必要だ。東日本大会の会場となった那珂川と同じく、こちらも天然アユ河川ならではの難しさがある。水況は平水より20cmほどの高水。天気は快晴で猛暑日となる予報である。
受付に訪れる選手の中には浅川進さん、友香梨さん夫婦の姿があった。夫の進さんは2025年1月に逝去された村田満さんと長年の師弟関係にあり、昨年開催された本大会「R70鮎釣りドリームマッチ」では村田さんのサポート役を務めた。このドリームマッチが村田さんの雄姿を撮影した最後の大会となったことから大会にかける思いは強かった。
予選は3時間勝負!ボーダーは9尾
予選は7時30分~10時30分の3時間。エリアは上限が平田橋上流200mから下限はマワリの瀬肩まで。岩盤や大岩周りの深瀬の流心で良型の拾い釣りをする選手もれば、流れの通った浅瀬で小型の数を出そうとする選手もいる。
予選ボーダーは9尾。20位タイまでの25名の選手が決定戦に進出する。予選の最高釣果は19尾で和歌山県日置川の腕利きとして知られる井上富博さんだ。前述の浅川さん夫妻も決定戦に難なく勝ち上がった。
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本選出場に勝ち上がったのは⁉
決定戦は11時30分~13時30分の2時間。快晴の空の下で南国の日差しはさらに強まりアユの活性も高まってきた。予選上位者ほど入川順が早く、いい位置に入れる可能性が高い。予選で数が出たのはどちらかといえば浅瀬が絡んだポイントだった。
多くのアユが抜かれた厳しい状況下で勝ち上がるのは実力者のみ。運では勝てない決定戦。
そして本戦の切符を手にした上位3名は――。
優勝 井上富博さん 13尾(和歌山県)
準優勝 多禰守隆さん 13尾(和歌山県)
3位 産屋敷一宏さん 13尾(三重県)
※順位は予選釣果で決定
3名とも小型に照準を合わせ、繊細な仕掛けやダブル蝶バリを使って小型を絡め取る工夫をして勝ち上がった。井上さんは予選に続くトップ釣果で実力をいかんなく発揮。
浅川さん夫妻は残念ながら本戦への出場は叶わなかったが、友香梨さんは5位、進さんは6位と善戦した。
心底アユ釣りが好きな人々が集まり友釣りの輪が広がるのが大会の醍醐味。近年はメーカー主催の大会が縮小していく中で本大会のような機会を喜んでくださった選手も多かった。多大な協力を賜った審判の皆様、有田川漁協、和歌山内水面漁連の皆様に感謝申し上げます。
この模様はYouTube「釣り人チャンネル」で近日中にアップされるほか、月刊つり人9月号(7月25日発売号)でも掲載されます。
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