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編集部2025年6月30日

【バス釣り】霞ヶ浦の名手に学ぶカバー撃ちのコツ&おすすめワーム6選:釣果は“テンポ”で変わる?

カバー撃ちのコツは「ボトムまで落とさない」こと。霞ヶ浦のバストーナメントW.B.S.開幕戦を圧勝した坂田泰信さんが実践する、水面下60cmで勝負する釣り方とは?その理論に加え、この釣法で使うべきおすすめワームも詳しく紹介する。

カバー撃ちのコツは「ボトムまで落とさない」こと。霞ヶ浦のバストーナメントW.B.S.開幕戦を圧勝した坂田泰信さんが実践する、水面下60cmで勝負する釣り方とは?その理論に加え、この釣法で使うべきおすすめワームも詳しく紹介する。

写真と文◎編集部

バス釣り名手のカバー撃ちテクニック

いったいどんな釣りをしているのか?霞ヶ浦水系の手練れのなかに気になっているアングラーがいた。W.B.S.開幕戦を圧勝し、2戦終了時点でポイントランキングトップタイを走る坂田泰信さんだ。今年だけでなく、2022年には第2戦を5㎏超えで優勝しているし(しかも試合中に11匹釣ったらしい!)、さらにさかのぼるとアメリカンドリームでも勝ってアメリカに行っている。

坂田さんは、伊豆の下田市に生まれ、小学生のころからメッキなどをルアーで釣っていた。そのうち釣り入門本でブラックバスの存在を知り、一碧湖でバス釣りをはじめる。『釣りロマンを求めて』や『千夜釣行』をVHSが擦り切れるほど見て成長したという。大人になってからはアメリカのバスフィッシングへの憧れがどんどん強くなり、バスボートによるアメリカンな釣りができる霞ヶ浦のトーナメントに没頭。渡米してアラバマで釣り三昧の3ヵ月間をすごしたりB.A.S.S.オープンにコアングラーで出場したりした経験もある。

そんな坂田さんの釣りに同行させてもらえないか打診したところ、5月11日に53pickupのあとに出船するというので船に乗せてもらうことに。坂田さんの釣りを拝見すると「おお!」と唸らされるポイントがいくつもあったのでこの記事で紹介したい。とくに釣り方にリクエストはしなかったが、釣りはほぼ100%カバー撃ち(杭などの沖のストラクチャーも含む)。

ここからの内容は霞ヶ浦水系のバスボートの釣りに限らず、日本全国のレンタルボートフィールド、そしてオカッパリでも、カバーフィッシングであればシチュエーションを問わず参考になるはずだ。

バス釣りカバー撃ちの風景

着底させずにテンポよく探る

もっとも特徴的だったのは撃つテンポ感である。意外だったのは、リグをボトムまで落とすことがほぼなかったことだ。ちなみに、この日メインにしたのは、コイケシュリンプミディアムのネイルリグ(オフセットフック仕様で0.9gネイルを挿入)。

霞ヶ浦水系の5月、6月といえばノーシンカー系のカバー撃ちが定番だ。多くの場合リグを着水させたらボトムまでフォールさせ、場合によってはそこから1アクション、2アクション入れて再び落としてバイトを誘う。

坂田さんはその工程を大幅にカットしている。ほとんどの場合、水面から60cm前後フォールさせてからスーッと横に泳がせつつ回収し次のキャストに移っていた。

坂田「基本的には、上目線の魚を釣りたいんです。いいサイズが多い傾向があるので。もちろん、ボトム付近にバスの意識がいっていると感じるときは、着底させますよ。けど探りの段階ではこのテンポです」
着底させないことのメリットはほかにも多々あると感じた。まずシンプルにキャスト数が増える。もしくは1ストレッチにかかる時間が短縮できる。

たとえば小野川を釣っていたときのこと。「水が悪いけどいちおうチェックしてみるか」とある場所に入った坂田さんは、キャスト間隔を5mほどとり、しかもボトムまでは落とさない探りであっという間にそのストレッチのチェックを終えた。このテンポならかなりの範囲を一日で見ることができる。

もちろん、可能性を感じるストレッチではキャスト間隔を30cmにすることもあったし、ひとつのブッシュに5投することもあった。要は、常に一定のテンポ・リズムで釣りをしているのではなく、常に考えてテンポを最適化しているのだ。

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流すストレッチによってキャスト間隔やボートのスピードがまるで違ったのが印象に残った

ポイント選びのロジック

そして流すスポットの選定にも必ず理屈があった。「さっきは風裏を釣ったから次はウインディーサイド」「泥底の次はアシ際から深いエリア」「ハクがいるところ」などなど、さまざまな要素を1000本ノックでトライ&エラーしていく感じだ。

坂田「僕はバスのエサを軸にして魚探しをするように心がけています。しかも、できれば『走り』をとらえたい。たとえば霞ヶ浦は6月になると接岸するテナガエビが増えますが、早い時期から特定のエリアにだけ湧いていたりする。もちろんそういう場所はなかなか見つからないんですが、発見できればビッグフィッシュの固め釣りができる」なるほど……。すべてに筋が通っている。広大な霞ヶ浦水系では毎キャスト執拗な誘いをしていては魚に辿り着けないことも多い。

いいサイズのバスを探す意識が強いがゆえのハイテンポなのだ。坂田さんがW.B.S.を勝つときは必ずビッグウエイトを出していることも納得である。

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ブッシュやウッドカバーではキャスト数が増える傾向があった

ポイントを絞ったら繊細に

ちなみに、釣るべき条件やエリアが絞れたあとは一気にペースを落とすことが多い。プラを経た試合では10cm刻みで徹底的に細かく撃ち絞り出す釣りを展開。ボトム付近でバイトが多ければきっちり着底させる。「探すためのカバー撃ち」ができるからこそのスローダウンだ。

この記事を読んだあと、カバー撃ちのテンポで少し悩むようになるかもしれない。「水面下60cmまでにしてテンポを速めよう」や「ここはボトムまで落とそう」など、ファーストフォールだけを切り取っても実は多彩な選択肢があるのだ。リズムを変えるだけで新しい出会いがある。そんなことを教わった霞ヶ浦の午後だった。

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この日は午後からの釣りでさくっと2匹をキャッチ

カバー撃ちおすすめワーム6選

霞ヶ浦水系の春から夏に出番が多いリグを紹介してもらった。いずれもボトムまで落とすのではなく水面下60cmまでのゾーンで勝負するのがメイン。注目したいのはいずれのルアーもすり抜け性能が高いこと。テンポよく釣って魚を探したい意図があるため、食わせ能力は高いが釣りの効率が落ちる系統のルアーは極力使わない。たとえばコイケ17mmのモリケンリグはすさまじいルアーパワーを感じるが、リズムが悪くなりがちなので先発にはしていない。

また、坂田さんがカバー撃ちの際にメインで使っているタックルは以下の通り。

ロッド:マッカHUMC-67MST(ハイドアップ)
リール:SSAIRTW8.5R(ダイワ)
ライン:フロロマイスター10Lb(クレハ)

ロッドはソリッドティップのMパワー。軽めの撃ちモノ全般を気持ちよく扱えるモデルだ。ネイルリグやネコリグはこのロッド。テキサスリグには67MHSTを合せている。

坂田さんタックル

コイケシュリンプミディアム(ハイドアップ)

フワフワ落ちるルアーに反応が増える5月以降のエース。ネイルシンカー0.9gをボディー真ん中に入れると1秒20cmのスピードでスローフォールする(もっと速く落としたいときは1.5gまで使う)。ボトムまで落としていてはテンポが極端に落ちるが、60cmまでと割り切れば気持ちよく使える。

一定の水深まで落としたらロッドワークでスーッと横に引いてから回収。これは「ゆるい逃がし」のイメージ。エビの水平スイムをイメージしてやってみよう。ハリのあるトゲが適度に水を押して魚を呼んでくれる。触角は気分でカットして使うことも。フックはCOフック#1/0(スーペリオ)。ビッグフィッシュねらいのときはコイケシュリンプビッグにローテーション。このサイズにバイトが集中することもあるという。

コイケシュリンプミディアム

ベイトフィネスジグ3.5g(ティムコ)+スタッガークロー3.3in(ハイドアップ)

ヘッドの先端ではなくスプリットリングにラインを結ぶ。つまりラバー付きのリーダーレスダウンショットリグとして使うのだ。これは平本直仁さんに教わった使い方。ブッシュや倒れたアシにラインを預けてシェイクし、ツメをせわしなくアクションさせる。天井裏でシェイクしてバイトがなければ次のキャストに移ることが多い。

スタッガークロー3.3in

コイケサンダー(ハイドアップ)3.5gテキサスリグ

ヘビーなブッシュに入れるためのセッティング。まずコイケサンダーは、マテリアルが硬く込み入った枝でもすり抜けがよい。リングを入れているのは回収時の「くるくる」を防ぐため。リングがあることでコイケサンダーが枝をかわすようなかたちで抜けてくるのだ。テキサスリグの場合もボトムまで落とさず中層で誘う。吊るし&シェイクで誘ってこの日もナイスフィッシュが食ってきた。

コイケサンダー

タッガー4g(O.S.P)+スタッガーワイドツインテール2.7in

雨が降ったりして湖岸にカエルが出たらまずコレを試す。1㎏アップのバイトが連発した経験あり。スパイラルフォールがカエルの泳ぎに見えるのかも。

スタッガーワイドツインテール2.7in

ベイトフィネスジグ3.5g(ティムコ)コイケサンダーL(ハイドアップ)

表~中層でスイミングさせるときの組み合わせ。ジグストの一種だ。

コイケサンダーL

3ピース4in(ハイドアップ)7gリーダーレスダウンショットリグ

水が濁っていたり魚のレンジが深いときが出番。吊るしてシェイクするとT字のボディーがボヨボヨ動いて下方向に強く水を押す。

3ピース4in

※このページは『Basser 2025年7月号』を再編集したものです。

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