ガイドとスーパーロコが実践する、冬の一発大ものパターン 第1回
ガイドとスーパーロコが実践する、冬の一発大ものパターン 第1回
中田敬太郎=文
解説=中田敬太郎(なかだ・けいたろう)1987年生まれ。山梨県在住。山中湖を拠点に河口湖、西湖でもガイド業を営む。トーナメントでは2012年はJB山中湖の第2戦、第3戦で連続優勝し年間1位。2015年と2016年のJB山中湖第1戦を優勝。『中田ガイドサービス』の山中湖ガイドは通常1人3万円、2人3万5000円。半日コースや12月ウィンタータイムなど別メニューもあり。
この記事は2013年2月号「宝クジ的ジャンボバスパターン」に掲載されたものを再編集しています。
山中湖利用のルールについては、山中湖漁業協同組合ウェブサイト「釣り規則とマナー」をご覧ください。
求む! 真冬の一撃
年末年始の山中湖は、まだまだ最低水温ではないものの、それでも5℃前後なので厳しい時期です。
この厳しい時期に一発大ものをアテる……。そう考えたとき、横の動きには反応しない水温なので、点のリアクションでバイトさせる方法が理にかなっています。そこで私が一発ビッグをねらうルアーとして紹介するのが、3/8ozのメタルバイブレーション。私がこの時期に多投するルアーです。
この時期、多くのバスは越冬エリアのディープフラットに集まるため、魚探ではディープフラットからブレイクのショルダー部分に魚が確認できます。
釣れる魚はディープフラットから上がり始めるブレイクショルダーに多く、水深でいうと6m前後。そのブレイクラインに刺さっているように映る魚が低水温でも比較的釣りやすい魚と言えます。ライトリグではバイトしないけれどリアクションならバイトするような魚であり、それこそがこの時期のビッグ!
常に見つけられるわけではありませんが、ブレイクのショルダーにステージングしている画像が映ると、この時期のチャンスタイムが到来します。大事なことなのでもう一度言います。低水温でもブレイクのショルダーにいるバスはサイズがデカく、比較的バイトしやすいのです。
そんな魚に対して投入するのが3/8ozのメタルバイブレーション。手順としては、まず、魚探でブレイクに刺さるように映る魚を見つけます。そのあとはボートポジションをシャロー側にとり、ブレイクの下のフラットにメタルバイブをキャスト。アップヒルでブレイクを探ることでリアクションバイトをねらいます。「なぜアップヒルなのか」はイラストを参照ください。
私の脳内イメージ。フィーディングモードのバスはブレイクの途中に付き、回遊するワカサギをねらっている。バスは必ず岸のほうを向いているため、メタルバイブをアップヒルで操ると、バスにとっては「急に視界に現われた何か」を演出することができ、よりリアクションを誘発しやすいと考えている
着底したらボトムから20cm ほどリフトさせたあと、フリーフォールさせ、ボトムを取ったらすぐにリフト。つまりバスの目の前で攻撃的にショートリフトとショートフォールを繰り返し、瞬発的にバイトを誘発させる釣り方です。
これで食えばデカい魚が獲れるのがメタルバイブパターンです。しかしパターンと言っても年末年始の水温ではブレイクラインでフィーディングに入る魚が本当に少なく、まさに宝くじを引き当てるようなものです。しかし再現性があるのは間違いなく、この時期の山中湖で来ればデカい釣りとしては間違いなく存在します。
手堅くいってもディープパターンは変わらず
先ほど紹介したパターンは越冬エリアとなるディープフラット周辺のブレイクラインに魚が入っていないとバイトさせることは容易ではありません。一発の破壊力はあるものの、バイトがないとメンタル的にキツくなってきますし、この時期ならなおさらです(笑)。
そこで、なんとか1尾釣りたいとなると……やはり魚探で魚を確認するのがおすすめです。食わせのライトリグをシューティング気味に落として、バーチカルにねらっていく方法が効率的です。リアクションがダメなら食わせ、というわかりやすい図式です。
私がシューティングでよく使うのはマルチスティック3.5inの1/16~3/32ozダウンショットリグです。ねらうのは先ほどとまったく同じで、ブレイクのショルダー部に映る魚。なるべく口元に落とし込むイメージでボトムからシンカーをはなさないようにシェイク。
どうしても、この低水温でもフィーディングに入りそうな魚はブレイクのショルダー部に多いのです。バイトは何かゴミを掛けたときのようにただ重くなるだけのことが多く、とてもわかりにくいことがほとんどです。
基本的にメタルバイブの釣りもダウンショットの釣りも「短時間ながらフィーディングモードに入った越冬の魚」をねらうことには変わりなく、ねらうレンジもそこまで変わりありません。ライトリグには反応しないデカバスをリアクションでねらうか、サイズは特定できないものの食わせのダウンショットを入れるかの違いです。しかし、明らかにデカバスはリアクションでしか口を使わない傾向が強く、本当に宝くじ的な一発を求めるならメタルバイブをやり通し、真冬の一撃を体感してください。また、メタルバイブのフォローとしてダウンショットを入れて食わすのはありでしょう。
いずれにしても冬とディープとボトムは切っても切れない関係にあり、ボトムから浮いてバイトする魚は少ない。少しでもボトムからルアーを離すとバイトが激減するため、メタルバイブはショートリフトであまりボトムから離さずに誘うことが重要です。ダウンショットも同じで、ボトムでラインを張ってシェイクするのではなくラインスラックを上下に揺らす程度にとどめ、あまりシンカーを動かさずにワームだけをボトムで揺らすことが重要です。
最後に。この時期の魚はナイーブなので、釣ったあとは長時間キープせず、できれば速やかに逃がしてください。冬から春先の表水温は2~4℃とかなり低く、ライブウエルにキープするとかなり魚にダメージを与えてしまいます。限りある山中湖の資源を皆さんと守っていけたらと思います。ご協力をお願いいたします。
■メタルバイブレーション3/8oz
ロッド:ゴールデンウィングGW66CLJ(ティムコ)
リール:K.T.F.アルファスフィネス(K.T.F.×ダイワ)
ライン:シューター・FCスナイパー8Lb(サンライン)
■マルチスティック3.5in(ティムコ)
ロッド:ゴールデンウィングGW60SULJ (ティムコ)
リール: 07ステラ2500(シマノ)
ライン:シューター・FCスナイパー3Lb(サンライン)
フック:デスロック#1(グラン・ノガレス)
シンカー:1.8~2.7g
発売中のBasser2017年1月号でも山中湖が登場! 連載「A HARD DAY’s NINJA」にて、「簡単ではないがハマれば激アツ」という晩秋から冬のトップウォーターゲームをセンドウタカシさんが紹介しています。
ダウンショットリグを得意とする
ふたりのアングラーが使用法を徹底解説!
2016/12/01