ガイドとスーパーロコが実践する、冬の一発大ものパターン 第6回
ガイドとスーパーロコが実践する、冬の一発大ものパターン 第6回
松下雅幸=文
解説=松下雅幸(まつした・まさゆき)琵琶湖ガイドだが、長良川や知多半島野池群にも精通し、オカッパリも得意。さらに、スイムジグ「マツラバ」の製作者でもあるなど、さまざまな面からバスフィッシングに関わっている。2016年からは米国B.A.S.S.トーナメントに参戦。相性は「まっつん」。
MBLOWブログ
この記事は2013年2月号「宝クジ的ジャンボバスパターン」に掲載されたものを再編集しています。
長良川のなかでも足場がよく、オカッパリに適した区間。水深と水量もあるため、冬場に有望なエリアでもある。なお、釣行の際は、近隣住民や周辺道路・施設利用者などの迷惑にならないよう充分に配慮したい
「ジャンボ」の価値は自分が決める
みなさん、こんにちは~! 松下雅幸です。
「投げなきゃアタらない! 宝クジ的年末ジャンボバスパターン」のタイトルで僕が担当したフィールドは、東海3県にまたがる中部地区の代表的フィールド・長良川でのオカッパリ。
一瞬、年末ジャンボと聞いてロクマルなどのビッグバスを連想してしまいました。が、30cm でも、釣れるまでのプロセスを大事にすれば、それこそ1等前後賞の価値がある1尾だと思います。その価値を決めるのは自分です。冬なら「釣れちゃった」のも凄いですが、できれば「釣った!」と強く実感できる魚と巡り合いたいものですよね。
あえてフットボールジグ
かなり話が逸れてしまいましたが、僕のなかでの年末ジャンボ的パターンはというと、この時期に何年も練習してきているフットボールジグでの一発! です。ここ数年、「ひとつひとつの釣りの完成度を上げる」をテーマにしているので、正直、自分のお題に沿ってイメージどおりに釣ったときは、それこそサイズに関係なく嬉しいんです。
年末年始の長良川は水温がひと桁台になり、釣れにくくなっていると思います。そんななかでジャンボなバスを釣ろうと思ったら、僕的には下流域の水深があり水量もあるエリアを選びます。
ボートでなら上流域の大きなブッシュなども視野に入れるのですが、オカッパリとなると足場のいい下流域かな、と。
その下流域のなかでもベンドのアウトサイドにあるテトラ帯は、川のメインとなる水の動きがあるので水温が安定しやすく、さらにはバスにとって身を潜めるカバーでもある、冬の超一級場所です。そーは言っても現実的には魚を触ろうと思ったらかなり厳しく、年末年始に釣りに行きまくって1尾釣れれば最高~~ !! のつもりで向き合います。
まぁ、年末ジャンボなんて当らないだろうけど買わないと絶対に当たらないし……。けど、抽選日までは、もし当たったら何買おうかなぁ~? なんて夢を膨らませ、ワクワクするもんですよね! 厳しい時期のバス釣りもそこは同じかな、と。釣り行く前はこのルアーでこうやってあーやって、とイメージを膨らませてワクワクして、当日は撃沈!! みたいな。それを自分で笑えるくらいポジティブに楽しめたらいいんですよ。
けど、そんな感じでルアーを投げ続けていると、たまにはズコッ! とアタリがきます。その瞬間はまるで長い間好きだった子に告白してOKをもらったときの感動に似ているような気が(笑)。また話が逸れてしまいましたが、バスを釣るうえで厳しいとされているこの時期にはそれくらいの感動があるということです。そういう感動を、僕はハイシーズンの利根川なんかでも味わってますけど。
では、肝心の釣りの話を。なぜフットボールジグなのか。フットボールジグは、ほかのタイプのジグと比べて根掛かりしやすい。それが短所でもあり長所でもあります。根掛かりしやすいのを上手く利用して、あえてテトラに引っ掛けます。このときに重要なのが、軽~く引っ掛けること。そうして半スタックさせた状態から、揺すってポロッと外してあげます。そのジグの動きが、テトラの奥にいるバスから外にいるバスまでアピールすると思います。また、半スタックから外れた瞬間のクイックな動きでリアクション的に口を使わせやすいのもフットボールジグの長所です。
フットボールジグを意図的にテトラに半スタック状態にして、揺すって外す操作がそのまま誘いのアクションになる。そうしてバスを寄せておいて、ジグがテトラから外れた瞬間のリアクションで口を使わせる。このとき、クイックなジグの動きと連動して、ラバーがヒュッとしぼんでぶわっと広がる。この形状変化もリアクション効果を高めてくれる要素になる
まとめると、半スタック状態で揺すってバスを寄せ、外れた瞬間のクイックな動きやその後のフォールでリアクション的に食わす!! というイメージです。
それとフットボールジグは、オカッパリでキャスティングで使ってしまうと回収不能の根掛かりを起こしやすいので、テトラ帯では足もととその近くに絞って、丁寧に操作してみてください。ロングキャストしないと釣れない! なんてことはありません。
引っ掛けまくってガチャガチャやって場を荒らしてしまうより、静かにスポットに近づいて、ジグの状態をしっかり手もとに感じられる距離で釣りましょう。上手くテトラからジグが外れた瞬間にズコッ!! とアタれば☆☆☆ 僕的には年末ジャンボ当たった!! というくらい感動ものです。つまり1等前後賞合わせて6億円が転がり込んだくらいの感動が……、正直、6億円のほうが……、いや、それは言わないでおきましょう。
悪あがきもムダじゃない
さて、プロセスが重要! フットボールジグで思いどおりにバイトが出せたら満足! なんて書いておきながら何ですが、実際の釣り場では悪あがきすることも重要です。冬の長良川では、何をしようがすべてがチャレンジです。アテにいく手段がもうひとつくらいあってもいい。宝クジだって、本気で当てようと思ったら、当選券が出た実績のお店で買ってみたり、連番で買わずにバラで買ってみたりするはずです。
全部、ムダなあがきのような気がしますけど。でも、バス釣りであがくのはムダじゃありません。そういう釣りが自分にとって何かといえば、やっぱりスワンプクローラーのネコリグでしょうか(笑)。だけどホントの話、冬の長良川で一発アテようと思ったら、フットボールをテトラに軽く引っ掛けて誘い、引っ掛けて外すことに集中するのが1番だと思います。頑張りましょう!!
■クリングヘッドジグ3/8oz(デプス)
+バルビュータ(デプス)
ロッド:ゲインエレメントカバーゲームエレメント/GE-68MHR(デプス)
リール:メタニウムMGL XG(シマノ)
ライン:シューター・FC スナイパー BMS AZAYAKA16Lb(サンライン)
■スワンプクローラー(ZBC)・1/16ozネコリグ
ロッド:サイドワインダーHGCS-63LFラピッドフッカー(デプス)
リール:ツインパワー2500HGS(シマノ)
ライン:シューター・FC スナイパー6Lb(サンライン)
フック:ガード脇刺#2(カルティバ)
2016/12/12