ガイドとスーパーロコが実践する、冬の一発大ものパターン 第7回
ガイドとスーパーロコが実践する、冬の一発大ものパターン 第7回
折金一樹=文
解説=折金一樹(おりかね・かずき)1979年生まれ。亀山湖、高滝湖で開かれるトーナメントで優勝を始め入賞多数。2016年はH-1グランプリ年間優勝を獲得。休日はほぼすべて釣りに費やしており、高滝湖、亀山湖、笹川湖、相模湖、印旛沼水系、霞ヶ浦水系などさまざまなフィールドを得意としている。
行ったその日がベスト!
亀山湖は、バスの魚影が多く、バリエーションに富んだシチュエーションで人気のフィールドです。それはハイシーズンはもちろん、真冬であっても変わりありません。つまり、一か八かの神頼みになりがちな真冬の釣りでも、亀山湖なら極めてゲーム性の高い、ねらいを持った釣りで答えが返ってくるのです。実際に真冬を好んで通うロコアングラーが多くいるほどで、これはねらって釣れるたしかな証拠。ある意味、宝くじではないかもしれません!
年末年始のころの亀山湖のコンディションですが、例年水温は年明けで10℃を下回る程度。その後2月に最低水温になり、5℃くらいまで下降していきます。水色は基本的に薄い緑がかかったクリアですが、降雨状況により変化します。また、どんな天候がよいかは過去を振り返ってもまちまちで、「行ったその日がベスト!」と思って挑むしかありません。しかし確実に言えることがひとつ! 絶対に朝イチと夕方はチャンス! 早起きは三文の得であります。
ルアーありきでもイケる!
ハイシーズンならば刻々と変化する状況に対応したルアー選択が必要ですが、1月は最低水温間近でクリアな水色などコンディションも比較的安定していて、バスも当然大きくは移動しません。つまり、ねらうべきシチュエーションが定まり、ルアーも絞り切れるということです。
おすすめはドライブクロー3、4、5in のテキサスリグ。まず最大の理由は蓄積された信頼感。これが何よりも大きく、真冬でもコンフィデンスは揺らがない。また、水深を選ばず、ブッシュやカバーに強いこと。加えてカバーから離したスイミングもグッド。シンカーウエイトは8g前後を中心に、カバーの濃さ、フォールスピードの違いで使い分けます。水色や水質でワームサイズを替えますが、カラーは極論を言えば……自信のあるものが最強です!
ハイシーズンより丁寧に操作しますが、必要以上にスローにすることはなく、気持ちゆっくりくらいでOK。そして、いきなりのバイトで身体が動かないなんてことがないよう、たまにフッキング練習をしましょう。大マジです! ただし、くれぐれも人のいない所で……。勘違いされちゃいますので(笑)。
さて、今回のテーマである年末年始のジャンボバス。ならばねらうべきは場所は明確です。「ひとつだけ選べ」と言われたら、迷わず「岩盤!」です。
ワカサギの放流で年々ディープに落ちる傾向のある亀山バスですが、やはり大きな個体は深くても5mまで。多くは3m前後にいると考えられます。その3m前後で冬の間に居続けられ、エサも摂れ、環境の変化に対応できる場所の筆頭が岩盤なのです。
とはいえ亀山湖の場合、湖岸線の半分以上が岩盤エリアです(笑)。でも、同じように見える岩盤でも、その意味合いや要素はさまざま。キーとなる要素を絞って解説していきたいと思います。
まずは広いエリアで絞るなら中~下流域が鉄板です。ただし下流ほどデカバスの密度は濃いと言えますが、ルアーに反応させることを考えると一概に下流域がよいとも言えません。コンディションが変化しやすい上流域に近いエリアのバスのほうが反応させやすいこともあるからです。
そして岩盤のある水深は深いほどよいです。事実、スポーニング時にはこういった深い岩盤エリアに絡んでデカバスを多く目撃します。冬の間は直近のこういった岩盤エリアに潜んでいると考えるのが妥当でしょう。その条件に当てはめると、ズバリ、メインチャネルに絡んだ岩盤という結論に至ります。
次に周りの地形との関係。手堅いのはプロテクトエリアです。風や流れを遮るような地形の集合であることは教科書どおりに重要です。しかし、開けた広いエリアだからこそマイナス要素を凌げるのがミソ! 誇張した例えですが、マイナス要素となる水質の変化や外敵(鵜や釣り人)の脅威に対し、広いエリアであるからこそ、これが緩和されるという見方です。
また、見逃しがちなのがバンクの角度の変化。見た目がプアでも取りこぼしなく攻めたいスポットです。
そしてよく耳にする、その向き。つまり「北側の陽当たりがいい岸」といったものです。たしかに向きによって温まりやすいなどはあるかもしれませんが、経験上は重要項目ではなく、ハッキリ言って関係ないと思ってよいです。最後の最後の項目に「陽当たりよし」を入れるくらいで結構です。
岩盤エリアのカバーやブッシュの質を見極める
●岩盤+αその1
まずは例外なく、より規模が大きく、枝ぶりの密度が濃いものがよい。ゴージャスなものほど有望です。複合要素があればさらによく、レイダウン+ツル+ゴミなどプラスαが凝縮されているほど◎。こう言うと、当たり前すぎると思われますが、そこが逆に盲点となり、案外きっちり攻められていないものです。人目につきやすく、プレッシャーも高い傾向にありますが、それでもバスを惹きつける一級スポットに変わりはありません。
●岩盤+αその2
水面上はそれほど大きくは見えないが、水面下に沈んでいる部分が大きいブッシュやレイダウン。ロコでもどこまで沈んでいたかは案外忘れがちで、ルアーを通されにくく、プレッシャーもやや低めです。
ただし、知らずに真上をボートが通るようなポジションにあることが多く、ボートのプレッシャーに晒され気味。そこでひと気のないときや朝イチがやはりおすすめ。うっかり真上を通ってしまったら、枝ぶりや枝の伸びる方向などを覚えておくのもコツ。時間を空けてあとで入り直すのは大変有効だからです。そんな所ほどプレッシャーを与えない距離からのアプローチが吉と出ます。
●岩盤+αその3
本当はあまり公開したくありませんが……ズバリ、小規模一等地です。先のゴージャスなプッシュが六本木ヒルズならば、小規模一等地は田舎の一戸建のようなものです。
田舎とはプアなショアラインが続くエリアと考えてください。規模はバス1尾が隠れられれば充分ですが、潜在的にバスをストックするエリアにあることが必要です。つまりバスが浮いたときにそのスポットに高確率でつきやすく、ヒルズを凌ぐ必釣スポットとなりえます。釣れる場合は高確率で1投目に反応があるので、そのワンスポットに集約されるエリアをチェックでき、効率がよいことも特徴です。また小規模であるがゆえに、バスを長い期間ストックできず、スポットから離れやすいとも言えますが、これはマイナス面でなく逆にバスの出入りがありプレッシャーが蓄積されづらいとも言えます。よって時間を空けて入れば毎回フレッシュなスポットになりますし、人が攻めたあとでも気になりません。
プアなショアラインが続くエリアにポツンとあるカバーは田舎の一軒家。六本木ヒルズを凌ぐ可能性を秘め、釣れるときは高確率で1投目に反応がある。小規模のためバスを長期間ストックできないこともプレッシャーの蓄積を軽減している
以上、すべてを含めたうえで考えるなら、笹川、神社下、水産センター対岸をドラクロテキサスでやりきる。できることならロッド1本で自分を追い込んで釣りをする! これしかありません。
しかし……ボウズは避けたい。そんな人はやっぱりディープでのダウンショットが手堅いと言えます。ねらいめは水深6~8mのフラット。具体的には定番ですが、白鳥島、のむら周辺、トキタ岬、柳島などです。ワームはドラクロ2in のブラックブルー。2g前後のウエイトで決まりです。存在感のあるパーツの動きは、視認性の悪いディープで圧倒的な釣果をもたらします。本末転倒ですが、朝はディープでボウズ回避。その後に一発大型ねらい。これが正しい冬の亀山釣行プランかもしれませんね(笑)。ぜひとも挑戦してみてください。
厳寒期の亀山湖でドライブクローのテキサスリグでキャッチ。ルアーチョイスでは悩まずに、岩盤の質は大いに吟味していただきたい
■ドライブクロー3、4、5in(O.S.P)
ロッド:スティーズ7011HFB-SVハリアー(ダイワ)
リール:スティーズ100SHL(ダイワ)
ライン:スティーズフロロType-モンスター14Lb(ダイワ)
フック:インフィニ(3inには#1/0、4inは#3/0、5inは#5/0、リューギ)
■ドライブクロー2in(O.S.P)
ロッド: ブラックレーベル+621ULXS(ダイワ)
リール:ルビアス2506H(ダイワ)
ライン:スティーズフロロType-フィネス3Lb(ダイワ)
フック:インフィニホビット#3(リューギ)
シンカー:DSデルタ2.7g(リューギ)
2016/12/14