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編集部2016年12月3日

山岡計文が池原ダムで追う、水面下6~10mのモンスター!

Basser バス釣り

山岡計文が池原ダムで追う、水面下6~10mのモンスター!ガイドとスーパーロコが実践する、冬の一発大ものパターン 第2回

ガイドとスーパーロコが実践する、冬の一発大ものパターン 第2回

山岡計文=文

解説=山岡計文(やまおか・かずふみ)
JB TOP50で活躍するトーナメントアングラー。2012年のTOP50初戦・さめうら湖戦で優勝したほか、池原・七色貯水池のローカルトーナメントで優勝、入賞多数。両湖を舞台にプロガイドを営んでいる。
山岡計文 池原&七色ダムガイドサービス

この記事は2013年2月号「宝クジ的ジャンボバスパターン」に掲載されたものを再編集しています。



一般的なパターンは……


 低水温期の大規模クリアリザーバー。こう聞いただけで、厳しい寒さと厳しい釣果が頭に浮かんできそうですが、私がホームレイクとしている奈良県池原貯水池は、そのなかでも比較的釣りやすいフィールドにあたるのかもしれません。

 寒そうなイメージがある池原貯水池ですが、実は、紀伊半島の南部に位置し、標高も200m台に留まっているため、年末年始の時期は、例年ならちょうど10℃前後の水温で落ち着いている状況。まだバスが口を使ってくる水温であり、バイトこそ少なくはなっていますが、数をねらうなら水深10m以深のディープレンジをメタルジグやダウンショットなどのライトリグで。コンディションのいいグッドサイズをねらうには、5mまでのシャローをビッグベイトやディープクランク、食わせのミドストなどでねらうのが、一般的なこの時期の釣りとなっています。

 ただ、この記事のテーマは「冬の一発大ものパターン」。先に断っておきますが、通常の釣果至上主義の釣りとは違い、私が勝手に思う、誰もが攻略できていないモンスターと呼ぶにふさわしいバスを狩るための釣りを、持論もまじえつつ、好き勝手に紹介させてもらいますのでご了承ください。

手つかずのゾーンとは?


 まず考えなければいけないのは、モンスターと呼ばれるクラスのバスはいったいどこにいるのかということ。

 シャローのバスは基本的に光が届く範囲で生活しているため、クリアウォーターという条件もあいまって、視覚を頼りにベイトを捕食しているはず。必然的にルアーを見破る能力が高く、ラインやフックの存在に気付かれやすい状態です。またアングラーによる人為的プレッシャーにさらされやすいため、非常に警戒心が強い。結果的にシャローのモンスタークラスをルアーでねらって釣るのは至難の業です。

 これまで私はシャローを釣る際、沖にサスペンドする個体をミドストでねらっていました。しかし一度ミドストというテクニックを覚えてしまえばアプローチすることは誰もが可能であり、今やフラッシングミドスト(フラッシングが強いソフトベイトによるミドスト)をやり始めたときのような爆発力は薄れてしまっています。

 では、反対にディープはというと、近年、魚探の進歩と普及により年々開拓が進み、バスに対してのプレッシャーも必然的に上がっています。また、ディープレンジに落ちたバスは、メインとなるベイトフィッシュが小さなエビやハゼ類となってしまい、モンスタークラスのバスの食欲を満たすには適さない環境ともいえます。仮に少数は存在していたとしても、ボトムに偏っているベイトはバスをボトム付近に集め、それがアングラーからねらわれやすい環境に繋がっています。

 そんな状況下で、私が考える、まだアングラーから手つかずのゾーンがあります。ズバリ、ディープの中層、水面下6~10mです。たとえ水深20mでも、です。

 バンク沿いは普段からプレッシャーが掛かっているのでパス。ねらうべきは、沖を意識し、水面下6~10mの中層に浮いている個体。フィッシングプレッシャー対策だけではなく、モンスタークラスのメインベイトになるであろう大型のウグイがこのレンジを回遊していることも重要なファクターのひとつです。ここにこそ、まだ手つかずのモンスタークラスが数多く存在していると私は考えています。

付き場とエサが揃う「岬の沖の立ち木」


 ただ、やみくもにディープの中層といっても、どこでもいいわけではありません。エリアの絞り込みが必要です。

 バスはストラクチャーやカバーに依存する習性があるため、ねらうべきエリア、水深の近くに「何か」が必要です。池原貯水池においては、沖の立ち木がそれにあたることが多いです。立ち木のトップが水面下6~10 mになるポイントがあれば理想的なのですが、さらに、ベイトフィッシュの供給という点も加えると、フラットの存在も考えなければいけません。

 おのずとエリアは絞り込まれます。急深な池原貯水池において立ち木とフラットが混在するのは岬周辺。なかでもより大きな岬の沖に沈む立ち木が、私が考えるディープの中層攻略の一級スポットとなります。増減水の変化が激しい池原貯水池においては、「ここ!」と場所を確定することが不可能なため、釣行の際の水位に合わせてポイントを開拓する必要がありますが、それも厳しい状況下でクオリティーフィシュを釣るための最低条件だと思ってチャレンジしてみてください。

I字系による中層攻略


 ルアー選択も重要です。私の経験上、やはりクリアウォーターにおいてビッグバスに有効なのが、I字系と呼ばれる、一定速度でバランスを崩すことなく泳ぐルアーです。なぜI字系アクションがバスを惹きつけるのか、実は私も詳しくは説明できないのですが、これまで20数年間、池原や七色貯水池でバスの反応を見続けてきた経験上、やはりI字系がもっとも効果的であると確信しています。

yamaoka_illust 岬の沖に立ち木があり、さらにその立ち木のトップが水面下6~10mだと最高。モンスターが浮いているとイメージしてステルスペッパーを通す

 そこでミドルディープを攻略するためのI字系ルアーを考えたとき、私はステルスペッパー110FSに行き着きました。ただ、水面下6~10mで使用するには若干のチューニングが必要になります。製品のままでは水面下2~3mレンジをキープするのがやっとであり、さらに深いレンジとなるとほぼ不可能に近い状態。よって私は、ステルスペッパーにバレットシンカーを組み合せ、レンジを調整しています。目安としては3.5~7gが有効です。

 リトリーブ中はルアーを立ち木のトップにわざと当てたりして、ルアーが泳いでいるレンジと、その際のリーリングスピードを確認します。根掛かりを避けるため、フックはダブルフックに交換することが原則。また、ステルスペッパーのアクションがブレないよう、シンカー止めをダブルで装着することも忘れてはいけないポイントです。

 ここまで書くと、釣れたも同然のように思ってしまうのですが、実際にねらってそのレンジを攻略することは非常に難しく、何もない中層を、ただあてもなく釣りをするのは、アングラーにとって苦痛以外の何物でもありません。常識はずれの集中力と水中を妄想するための想像力が必要なため、日ごろから釣れるイメージで妄想を膨らませるようトレーニングしておいてください。

 誰にでも簡単にできるものではありませんが、その分、アングラーがミドルディープの中層を攻略することができれば、確実に記憶に残るモンスタークラスのバスに出会えることができると信じています。年末年始、湖上のギャンブル。やりたい人だけ試してみてください(笑)。

 そうはいってもやはり連続ノーフィッシュで年末や新年を迎えるのは気分的にもよくありません。この時期の池原貯水池で確実に釣果に結びつく釣りも一応ご紹介しておきます。

 ねらうべきエリアはバックウォーターから下流に向かい初めに水深が10~20mになるエリア。多くの場合は上流から2~4個目のベンドがそれにあたると思われます。リバーチャネルのエッジや、バンクの傾斜とフラットの境目付近を、メタルバイブレーションのショートストローク・リフト&フォールで探ってみてください。ベイトについたバスをリアクションで食わすことができます。もちろん、いい地形であっても魚探にベイトの反応があることは大前提です。


ステルスペッパー110FS(ティムコ/FS=ファストシンキング)
+バレットシンカー3.5~7g
yamaoka1 ロッド:ゴールデンウィングGW68CMP+J(ティムコ)
リール:K.T.F.アルファスネオ(K.T.F.×ダイワ)
ライン:エクスレッド14Lb(東レインターナショナル)

オーバーライド(O.S.P)
override ロッド:ゴールデンウィングGW68CMLP+J (ティムコ)
リール:K.T.F.アルファスフィネス(K.T.F.×ダイワ)
ライン:エクスレッド12Lb(東レインターナショナル)


  
 

 

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2016/12/03

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