編集部2020年4月1日

船釣り超入門 マダイ釣り・タイラバ編【道具解説・釣り方】

マダイ 船の釣り PICKUP 魚種別釣りガイド

日本人になじみが深く釣りのターゲットとしてもあこがれる人が多いマダイ。船からのマダイ釣りはさまざまなスタイルがありますが、近年全国に広がりを見せる人気&手軽な釣り方がタイラバです。漁具生まれのシンプルなルアーは、人気の広がりとともに奥深さに気付く人が増え、今もファンが拡大しています。そんなタイラバの基本を、イチからおさらい!

イチから始める「タイラバ」入門

つり人オンライン=写真と文



 日本人になじみが深く釣りのターゲットとしてもあこがれる人が多いマダイ。船からのマダイ釣りはさまざまなスタイルがありますが、近年全国に広がりを見せる人気&手軽な釣り方がタイラバです。漁具生まれのシンプルなルアーは、人気の広がりとともに奥深さに気付く人が増え、今もファンが拡大しています。そんなタイラバの基本を、イチからおさらい!




タイラバの魅力は道具と釣り方がシンプルなこと


 深紅の魚体に、鮮やかな青色の斑点とアイシャドーを持つマダイ。釣魚の王様ともいわれるように、日本各地の沿岸域に広く棲息し、エサ釣りからルアーフィッシングまで、さまざまな釣りの対象魚になっている。

 マダイは水温が低い時期に水深100m前後の深場にいるが、産卵期を迎え、水温が上昇しだす春になると、しだいに水深30~40m(あるいはもっと浅場)に移動してくる。これがいわゆる「乗っ込み」で、特に船からの釣りでは、一年の中でも大ものがねらえるチャンス到来となる。

 タイラバの人気の理由は、使用する道具と釣り方の両方がシンプルなこと。それでいて、やり始めるとさまざまな部分を工夫することで、より釣果が上がる奥深さに気付くようになる。そして、ビギナーでも最初から夢のような大ダイを手にできるチャンスが充分にある。

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ヘッドとスカートとハリのシンプルな組み合わせで、誰でも釣魚の王様に挑めるのがタイラバの魅力

タイラバの道具:ロッド&リール


 現在、さまざまなスタイルが広がりつつあるタイラバだが、基本となる道具立ては以下のとおりだ。

 タイラバはベイトタックルが基本。釣り方は基本的にタイラバを海底まで落とし、着底したらすぐに巻くというシンプルな操作の繰り返し。そこで着底が分かりやすく、巻く力が強く、イトヨレが生じにくいベイトタックルを使う。タイラバ専用のロッドが各社から発売されているが、まずは1.8~2m前後の船釣り用のライトゲームロッドで始めても問題ない。その際は向こうアワセの釣りになるため、あまり先調子のものより7:3~6:4くらいのやや胴に乗る調子のものが適している。

 一方、近年はスピニングタックルをサブタックルとして使用する人も増えている。これはタイラバをキャストして、自分から広い範囲を探りたい時に使うためのもの。キャスティングタイラバなどと呼ばれるが、まずはベイトタックルで基本の釣りを覚えよう。

 ベイトリールはカウンターが付いたものが使いやすい。ミチイトの色を見て水深やタナを判断することもできるが、これから購入するなら、初めからカウンター付きのものを手に入れるのがおすすめだ。

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タックルはタイラバ専用もしくは船のライトゲーム用ベイトタックルを使う。向こうアワセの釣りなので、胴に入るやや軟らかめの調子がまずは使いやすい

タイラバの道具:ミチイト&リーダー


 ミチイトは水切れのよい0.8号が標準的な太さ。マダイは青もののように走り回る魚ではなく、コマセダイのようにテンビンなども使用しないので、これで大ダイまで充分に取り込める。そのうえで、スピニングタックルは遠投用に使うため、一段階落として0.6号を使う人もいる。大切になるのがリールのドラグ設定。細イトでマダイとやり取りするので、ドラグは硬く締め過ぎるとラインブレイクの原因になる。少し力を入れて手で引いた時に、〝ジジッ〟っと滑り出るくらいにしておくのがタイラバの基本だ。ミチイトはリールに200~300m巻き、先端にはフロロカーボンのリーダー3~6号(釣れるマダイのサイズに合わせる)をセットする。リーダーはタイラバを交換する時にカットするので、あまり短いと使いにくい。ベイトタックルなら3m(ロッド1本半以上)くらい付けておこう。大ダイが掛かった時、最後の取り込みで万一魚が暴れた際、ミチイトとリーダーの結び目がガイドの中を行き来しないよう、5m(ロッド2本分より長め)くらい取る人もいる。

タイラバの道具:タイラバ


 釣り方の名前にもなっているタイラバは、ひとことでいうと、「ヘッド(穴の開いた遊動式のオモリ)」「フック(セキ糸で結んだ2本1組のものが標準)」「ネクタイやスカートなどのシリコンパーツ(海中でユラユラと動いてマダイを誘う)」が一体になった和製ルアーだ。最近はこれに加えて「ワーム」を使う人も増えている。ワームはハリに刺して使い、それによってマダイへのアピールを増したり、ハリが他のパーツと一体になりやすいといった効果から使用される。
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 実際にはワーム以外のすべてがセットになったタイラバの完成品が各社から数多く発売されているので、これから入門する場合は、まずそれらを購入。慣れてきたら各パーツを自分の判断でいろいろ買いそろえてみて、オリジナルの「ヒットパターン」を作るとよい。釣り人がその日の状況に応じて各パーツの組み合わせをあれこれいじれるというのが、タイラバの面白さの1つになっている。

タイラバの道具:タイラバヘッドの選び方


 前述のとおり、タイラバの釣り方は「底までタイラバを落とし、着底後すぐに巻く」の繰り返しだ。マダイは基本的に底近くにいる魚なので、探るタナは底から10mがひとつの目安。春の乗っ込み時期はマダイが中層に浮くこともあるので、その時は船長の指示にしたがって、必ずしも底を取らずに探る場合もあるが、まずは「底を取れる」ことが釣りのスタート地点になる。そこでまず、ヘッドはその釣り場で底を取れる重さのものを選ぶ。各社からいろいろな形状や色のものが発売されているが、ヘッドに関しては、ずばり迷ったら赤や緑などの定番カラーを選んでおけばOK。それよりも適切な重さを選ぶようにする。

 ヘッドは「水深と同じ数値の重さ」が一応の目安となり、水深が60mなら60gくらいをまず試してみる。そのうえで、必要以上に重くドスンと落ちるようなら少し軽くし、逆にいつまでも底が取れなければ、無理をせずより重いものにする。「ムリなく着底を感じられて」「巻いている間は重すぎない」もので釣りをしよう。もちろん釣り場によるが、タイラバは60~250gくらいのものが使われる。なお、タイラバには大きく鉛製のものとタングステン製のものがある。タングステンは比重が高いので、同じ重さでもシルエットが小さくなり引き抵抗が減るので疲れない。また、底もより取りやすくなる。ただし値段も高いので、予算に応じて組み合わせて選ぶようにする。

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ヘッドは形状、重さともいろいろ。材質も鉛製とタングステン製がある

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タイラバの道具:ユニットの選び方


 タイラバのヘッド部分以外の選択については、迷いだすときりがない、というのが実情である。というよりも、タイラバはこの部分について、とてもたくさんのバリエーションを試せるのが大きな特徴になっている。

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タイラバの穴に通したリーダーをユニットを束ねるパーツに結ぶ。写真はダイワの紅牙の例だが、ネクタイはユニットを束ねるパーツにゴム輪で留められており、自分好みの組み合わせを作ったり現場で交換することが可能だ


 タイラバのヘッド以外の残りの部分は「ユニット」と呼ばれる。なかでも釣りながら交換するのはネクタイやスカートということになるが、実際のところ、ユニットの核となるのはヒラヒラと揺れて動く「ネクタイ」である。スカートはネクタイの役割にプラスして、たとえば活性のより高いマダイに対し、よりボリュームのあるシルエットでアピールする役割がある。そのため、釣り人によっては、スカートは使用せずヘッドとフックとネクタイだけの組み合わせを常用する人もいる。ネクタイには大きく分けて「ストレート系」と「カーリー系」がある。

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ユニット部分の核となるのがネクタイ。真ん中がストレート系で、両端がカーリー系

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ヘッド以外のユニット(ネクタイ&ハリ)があらかじめ組まれたアイテム。ヘッドと組み合わせて使う

 ストレート系は名前のとおりまっすぐ直線的なシルエットで、スカートの中でもナチュラルな波動でマダイにアピールする基本形とされる。一方のカーリー系は、くるっと巻いたようなシルエットで、流水抵抗をより受けることから、波動がやや派手になる。まずはストレート系のネクタイで釣りをして、アピール力をアップするほうがよいのでは? と思ったら、カーリー系にチェンジしてようすをみるといった使い方をする。もちろん、初めからカーリー系のネクタイを試しても全く問題ないし、ストレート系とカーリー系のネクタイを合わせて使ってもよい。

 そして近年、使用する人が増えているのがワームだ。もともとはハリにチョン掛けして使うタイプが発売され、ハリに取り付けることでフックが浮き上がりやすくなり、その効果でハリとネクタイが同調しやすくなる、さらにワーム自体にもマダイに対するアピール効果がある(=実際に釣れる)といったことで多くの人が使うようになった。

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ワームは近年のタイラバで多くの人が使うようになった。左がフックにチョン掛けするタイプで、右がネクタイワームとよばれるネクタイと同じようにセットして使うタイプ

 ハリとネクタイが同調することのメリットは、それによってタイラバを追ってきたマダイが食い付いた時に、一発でフッキングする確率が高くなるから。アタリがあっても乗らない、ということが日常的に起きるタイラバの釣りにおいては、このメリットはかなり大きいと考えられている。また、最近は「ネクタイワーム」と呼ばれる、ネクタイと同じようにユニットの中に取り付けるタイプのワームも各種発売されている。ネクタイはストレート系もカーリー系もどちらも薄くヒラヒラしているが、ネクタイワームは厚みがある分、ネクタイにはない波動を生んで魚にアピールするものと位置づけられている。

 ビギナーであれば、まずは完成品(ヘッド、ネクタイ、ハリの組み合わせ)を入手し、オプションとしてチョン掛けタイプのワームも購入。思い立ったら使ってみるといった感じでこの釣りを始めてみるとよいだろう。

タイラバの道具:タイラバのカラー選択


 タイラバの色については、結論を言ってしまうと「これが正解」という決まりがない。とはいえ、基本とされる色はいくつかあり、「赤」「オレンジ」「緑」「黒」などが代表格だ。このほかに「ケイムラ」や「グロー(夜光)」といった要素もある。
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 ヘッドのカラーに関しては、前述のとおり、ひとまず色はあまり気にせず、それよりも必要な重さのバリエーションをそろえればよい。もちろん、この釣りをしていると、「ヘッドの色を交換したら釣れた」という感覚を得られる時もなくはないが、色の変化でアタリを探るなら、ユニットのほうに集中してカラーチェンジを試すほうが近道なことが多い。

 なかには「ヘッドを目立たせると〝玉噛み〟(ネクタイでなくヘッドにマダイが噛みつくことで、結果としてフッキングさせれないこと)が起きるので避けたい」というベテランもいる。そこでヘッドについては、ひとまず基本色のどれかで問題ないと割り切るとラクになる。
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 一方、ユニット部分については、積極的なカラーチェンジがアタリを増やすのに欠かせないと多くのタイラバ経験者が実感している。特に釣り場の水深が浅く(目安として50m以浅)、なおかつ潮が澄んで透明度が高い時は、適切なカラー選択(その時にマダイがよく反応する色)があるという点は多くの人が実感している。そのような時は、たとえば同系色の中でも薄い色に圧倒的に反応がよいようだ。一見すると同じピンクでも、〝普通のピンクだと全くアタリがなかったのが、極薄のピンクにしたら釣れた〟ということが起きる。

 一方、ディープタイラバといわれるような、深場ねらいでは逆に薄い色よりシルエットがはっきり出る濃い色で反応がよくなる場合がある。また、色以上にユニット全体のシルエットの大小が影響することがあり、ボリュームを抑えて小さな波動でアピールするか、反対にシルエット全体を大きくして大きな波動でアピールするか、「ボリュームの大小」を試してみるほうが大切な場合もある(これは浅場でも同じ)。色の選択については、経験者が目安にしている項目を一例としてまとめたので、参考にしてほしい。

ネクタイのカラー選択のヒント8か条
・多くの人が基本色に挙げるのは「赤」「オレンジ」
・潮が澄んでいる時は薄い色や半透明の色が効く
・潮が濁っている時は濃い色がいい時と、逆に薄い色のほうがいい時がある
・深場は黒が有効な場合がある。そのほかシルエットがはっきり出る赤や緑も
・産卵期(乗っ込み期)はチャートが効く
・暗い時、薄暗い時、雨の時はケイムラ系が効く。逆に晴天時は嫌がられる
・グロー系は朝夕のマヅメ時に効果がある
・その時マダイが食べているエサも意識する(エビ、イワシ、ゴカイなど)

基本の釣り方解説:「タッチ&ゴー」と「等速巻き」


 ベースとなる釣り方は以下のようなイメージだ。

①「仕掛けを投入。タイラバが着底するまで軽くサミングしながらフォールさせる」

②「底付近にいるマダイは、落ちてくるタイラバに気付くと近寄ってくる」

③「そのままタイラバに接近してくるが、タイラバの動きが途中で止まってしまうとエサではないニセモノと見切って引き返してしまう。そこで釣り人側は、ヘッドの着底を察知するのと同時にすぐにリールを巻き始める(=タッチ&ゴー)」

④「タイラバを見切らなかったマダイは、浮き上がるタイラバをそのまま追う」

⑤「マダイがタイラバに追い付き、噛みついたところでアタリが伝わる」

⑥「アタリを感じても、釣り人はアワセを入れずにそのままリールを巻き続ける。その理由は、タイラバでは〝アタリ=完全なフッキング〟では必ずしもない場合が多いため。釣れる時は、そのまま等速でリールを巻くうちにマダイの重さが完全にサオに乗り、向こうアワセでサオがしっかり引き込まれるので、そこまでフッキングを待つのがコツになる」

⑦「完全にフッキングしたあとは、ドラグを利かせながら一定のペースでリールを巻いて魚を取り込む」現在ではいろいろな説があるのだが、タイラバについては今もこの「タッチ&ゴー」と「アタリがあっても完全に魚の重さが乗るまでアワセをしない等速巻き」の2つが、まず覚えるべき基本の釣り方だ。実際には〝アワセを入れてもよい〟〝巻くスピードに途中で変化を付けるのも有効〟など他の意見もあるが、タイラバという釣りの特徴をひととおり覚えるためにも、まずはこの釣り方を身に付けるようにしよう。

 やってはいけないとされるのは、アタリがあった時にびっくりアワセをしたり、驚いて巻くのを止めてしまうこと。これらは一発でマダイがハリに掛かっていなかった時に、マダイに引き返される原因になる。

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釣り始めはまず着底に集中。完全にフリーフォールさせるよりも、スプールに軽く指を当てて若干のテンションフォールにするとよい。完全なフリーフォールにすると、特に釣り場が深い場合は潮の流れの影響などでラインにタルミができやすく、その分だけスラックが入ってタッチ&ゴーでタイラバが動くまでのタイムラグが生まれやすくなる

基本の釣り方解説: 巻きスピードの調整


 タイラバは「等速巻き」が基本だが、では、実際にどれくらいのスピードで巻けばよいのだろうか? これについては、それほど難しく考える必要はない。「等速」が必要なのは、それによってネクタイが常にヒラヒラと動き続けるようにするためだ。速くても遅くても、途中で動きが止まらないことが大切ということになる。

 あえて目安を挙げれば「1秒でハンドル1回転」くらいのリズムでまずやってみて、あとは自分の中で「それよりゆっくり(低速)」「1秒1回転(中速)」「それより速く(高速)」といった基準を作るようにする。

 釣りをしていて反応が得られない時は、上手な人もまず「巻きスピードの変化」を試す。これは他のルアーフィッシングと全く同じだ。底を取れるヘッドで釣りを開始したら、アタリがない場合、まずヘッドやネクタイを交換する前にスピードの変化を試してみよう。

 ちなににハイギアのリールを使っている人とローギアのリールを使っている人では、見ための巻きスピードが同じでもタイラバが動く速さは異なる。他の人の巻きスピードを参考にするのは有効な手段だが、だからといって見ために同じスピードで巻けばそれが正解かといえばそんなことはない。ゆっくり巻いて釣れた人の横で、速く巻いた人が同じように釣れることも日常的にあり、いずれにしても大切なのは、自分の中でメリハリを付けて複数の巻きスピードを試し、反応が得られるのがどのスピードかいち早くつかむことだ。

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安定した等速巻きをするには、まずロッドのグリップエンドを脇に挟んで安定した姿勢でリールを巻くようにする。リールを巻いている間、サオ先が暴れず、一定の曲がりを維持できれば等速巻きができている目安になる

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アタリは手に伝わる。コツコツ、ガツガツなどの反応が来ても、そこで慌てずにサオを一定の位置に保ち、なおかつ同じペースでリールを巻き続けるのが最初のコツだ。それで乗り切らなかった時は、数mすぐにタイラバを落とし直し、もう一度そのタナを探ることで釣れる時もある

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タイラバではサオの弾力とドラグを利用したやり取りをすればかなりの大ダイまで問題なく取り込める。マダイが走ってドラグが出たら無理にリールを巻かずにサオの弾力でじっとこらえ、動きが止まったらポンピングなどはせず、同じようにサオの弾力を利かせたままリールを一定のペースで巻く。焦らなければ結果は自ずとついて来る

基本の釣り方解説:バーチカルの釣りとドテラ流しの釣り


 さて、現在のタイラバで、全国的に主流となっているのはドテラ流しの釣りだ。ドテラ流しは船の側面に風を受けるように操船し、釣り人は片舷(風を受ける側)に並んで釣りをする。この場合、タイラバは船から払い出すように落ちていく(実際はタイラバを落としたポイントから船が後ろに遠ざかっていく)。このドテラ流しが好まれるのは、結果としていろいろな面でドテラの動きがタイラバに有利に働くからだ。

 まずは船が常に動いているので、タッチ&ゴーの最中もタイラバの動きが止まりにくくなる。さらに、等速巻きを始めたあとのタイラバが、横方向(実際には斜め上方向)に引きやすくなる。マダイは本来、水圧の変わる縦方向に積極的に移動する魚ではない。そこで、タイラバがまっすぐ引き上げられるバーチカルな動きよりも、横方向により長く動くほうがタイラバを追ってきやすくなる。

 一方、大きめの乗合船で両舷に釣り人が並ぶ場合や、根回りをねらう場合(=ドテラ流しだと根掛かりが頻発して釣りにならない場合)は、他の多くの釣りものと同様、仕掛けを立てるスパンカー流し(船首を風上に向け潮と一緒に船を流す)での釣りになる。どちらの流しになるかは地域にもよるので選べない場合もあるが、バーチカルの釣りになる場合は、たとえばタッチ&ゴーをより迅速に行なうことを意識するなど工夫してみたい。

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片舷に釣り人が並んで釣るドテラ流し。「ラインが斜めに伸びると釣れる期待が高まる」と感じるタイラバファンは多い。ドテラ流しの場合は、常に船が動いているので、タイラバを落とし直すたびに少しずつリールから出るラインが増えていく。着底が感じ取れなくなるほどラインが出たら、一度回収して手前に落とし直すが、「そろそろ底が分からなくなってきた」というギリギリの状態で釣れることもよくある

基本の釣り方解説:あせらず時合を待つのも大切


 最後に、マダイは〝潮を釣れ〟といわれるとおり、時合がはっきりしている魚だ。タイラバのシンプルな操作でなかなか釣れないと、つい自分の釣り方が悪いとばかり思ってしまいがちだが、この釣りは海の状況や魚の活性そのものが大きく影響する。

 潮が流れている時は、マダイもエサをよく追うようになり、当然、タイラバへの反応も増える。逆に潮が流れていない時は、食い気が下がるのはもちろん、タイラバを追ってもその距離が短くなったり、底でじっとしていたりする。こうしたタイミングでは釣れないのはある意味仕方がない。一般に潮止まり前と潮の動き始めは、マダイの活性が急上昇しやすい。釣れない時も焦らず、一方で潮が動いていたり、マダイの活性が高まると期待できる時間帯は特に集中して釣りをする。こうしたメリハリを意識することも、タイラバの釣りでは釣果につながる。

 シンプルで奥深いタイラバの世界に、ぜひ一歩足を踏み入れてみよう。

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