編集部2019年9月27日

【船の乗り方・道具解説・釣り方】船釣り超入門 東京湾のタチウオ・エサ釣り編

タチウオ 船の釣り 魚種別釣りガイド

まるでルアー釣りみたい……。テンビンを用いた1本バリのタチウオ釣りを初体験した感想です。工夫できるポイントがとても多く、シャクリのリズムや強さで恐ろしいほどの差が出る釣りだとも感じました。

「釣れるシャクリ」の作り方 東京湾/千葉県富津港ひらの丸出船

つり人=写真と文

まるでルアー釣りみたい……。
テンビンを用いた1本バリのタチウオ釣りを初体験した感想です。
工夫できるポイントがとても多く、
シャクリのリズムや強さで恐ろしいほどの差が出る釣りだとも感じました。
「時には船のなかで50尾以上の差がつくこともありますよ~」と船長。
タチウオとの駆け引きを制するための基本をお伝えします!


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▼いったい水中はどうなっているのだろう……。気になってカメラを落としてみると立ち泳ぎじゃないタチウオが映った。動画はこちら!
■Youtube動画「タチウオの大群にカメラを投下してみた」



東京湾タチウオ釣りの概要

0 どうだ! この歯!

釣って楽しく、食べて美味しい超人気のターゲットがタチウオです。釣り方は超多彩。岸からのルアー釣り、ウキ釣り、船からのテンヤ、ジギング、テンビン使用のエサ釣りなどがあります。

1 海面で輝きを放つタチウオ。神々しい……

今回初挑戦するのは東京湾船釣りで主流になっている1本バリのエサ釣り。コノシロやサバの切り身をエサとして用い、浅いときで5m、深いときで100m超の水深をテンビン(30号~)を用いてねらいます。非常に動的な釣りなのが特徴で、連続的なシャクリを入れてタチウオの興味を引いてエサに食いつかせる釣りです。

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2 2019年の東京湾タチウオは絶好調! 取材時は70尾オーバーの釣果も出ました

この記事の取材でお世話になった船宿・ひらの丸さんでは、毎年6月の頭からタチウオ船がはじまり、翌年の4月まで出船しているそうです(状況により変更の可能性あり)。ざっくりいうと、小・中型主体で数が釣れやすいのが夏で、大型が出やすいのが冬だそうです。

 

サオとリール、ラインの選び方

p 108-111 tackle 単行本「釣れる『船釣り』最新テクニック」より

●サオは7:3のライトゲームロッドでOK

つり人編集部に話を聞くと、ロッドはタチウオ専用ザオ、もしくは7:3調子の一般的なライトゲームロッドでOKとのこと。長さは2m前後がオススメのようです。タチウオのアタリを弾かない繊細な穂先と、シャクリの際に確実にオモリを動かすためのしっかりとした胴を兼ね備えたものが適しているようです。

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ただ、エキスパートは調子別の2本(7:3と6:4など)のサオを船に持ち込むこともあるそうです。いったいなぜ? それはタチウオの状態によって使い分けることでアタリの数を伸ばせるからです。

エサをしっかり動かしたほうがタチウオの食いがいいときは7:3を用い、間を作って誘う際など、食い込みを重視する際は6:4のほうがキャッチに繋がりやすいようです。

リールとライン

リールはPE1.5号を200m以上巻けるベイトリールが基本で、PE1~1.5号を200m巻いておけばOK。ラインの太さは船宿によって指定がある場合があるので、事前に聞いておきましょう。今回お世話になった「ひらの丸」の場合、ブログに「PE2号以下厳守」との記載がありました。ひとりだけ太いイトを使っていると、潮の抵抗の受け方が変わるためオマツリの原因になってしまうことがあります。

浅場の釣りであれば手巻きタイプで全然OKですが、水深50mを超える深場を釣る際は電動リールがあると圧倒的に楽だと釣具店のスタッフに教わりました。シマノであれば300~600番、ダイワなら200番が適しているようです。

4 取材当日は15mまでの浅場がメインだったため、手巻きの方が多かったです

5 深場では電動リールが活躍します。サオ受けは多くの人が用意していました

 

工夫ポイントだらけ! 仕掛けとエサ


仕掛けはとてもシンプル。ミチイトのPEラインをテンビンに直結し、腕長30cm前後のテンビンに直結します。テンビンには船宿指定の号数のオモリをつけておけばOK(取材時は40号指定でした)。

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テンビンは写真のようにミチイトとオモリがストレートになるタイプのほうがシャクった際の力がそのまま伝わりやすい特徴があります。

7 ミチイトとの接続はスナップスイベルを使うとオマツリ時の処理が楽です。

ハリスはフロロカーボンの7もしくは8号を2mほど。この長さが重要で、短ければ短いほど、シャクリに対してエサがクイックに反応しやすくなります。逆に長いとエサを漂わせるようなスローな誘いが可能に。ここ、釣果に差が出るポイントのようです。2mがひとつの基準になっていますが、取材時の竿頭の佐々木達矢さんは1.8mと基準より気持ち短めにしていました。以前は2mでしたが、エサが動いたほうがタチウオに見切られにくいと感じるようになったそうです。

ハリは市販のタチウオ用のハリの#1/0と2/0があればOK。

8a 赤いハリも人気があるようです

竿頭の佐々木さんはハリについてもかなりマメだったことをお伝えしておきます。朝イチは#2/0を使っていましたが、本アタリ後の即バレが多いため#1/0に変更。すると釣れるようになりましたが、徐々に飲まれる回数が増えたため#2/0に戻すと好調になったといいます。変わりゆくタチウオの状態に対応しつつ、現状に満足せずマメに仕掛けをイジる姿勢は見習いたいです! こういったマメな調整がダイレクトに釣果に反映されるのもタチウオ釣りの魅力だと思いました。

8b マメな人ほど釣る!

続いてはエサの付け方。ここ、超重要ポイントです。この日はコノシロの切り身がエサでした。

p 136-139 image 03 単行本「釣れる『船釣り』最新テクニック」より


身のセンターにハリがくることを心掛け、横から見たときに極力曲がらないように付けます。シャクったときにエサが回転してしまうとアタリが極端に出なくなるそうです。エサの白い身側からハリを刺します(このほうが穴が小さくなりやすい)。このとき、ハリ先を出す位置はウロコがない場所がベター。穴が大きすぎると、海でエサが不自然な動きをしたり、落ちてしまう原因になってしまいます。

10 ベテランの皆さんはエサ付け後の切り身をハサミでトリミングしてバランスを整えていました。これも水中で回転しにくくするための工夫です

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ちなみにエサは大きいほうがアピール力がありアタリが出やすいので、用意してもらった切り身をそのまま使えばOKです。あまりに乗りが悪いときはカットするのもひとつの手だとひらの丸・小幡船長。

11 そのほか、ペンチとハサミ、魚を挟むアイテムがあると快適です。歯が極めて鋭いため挟むアイテムは絶対必要だと感じました

 

基本のシャクリとアワセ


今回お世話になったのは千葉県富津でタチウオのエサ釣り乗合船を出している「ひらの丸」さん。取材時は港がある富津沖の浅場にタチウオの群れ(指3本前後)がおり、水深10~15mで楽しめる状況。テンビンにオモリ40号を組み合わせ、コノシロをエサにした1本バリのオーソドックスなスタイルです。ちなみにタチウオの大きさは指●本とよく表現されますが、これは太さのことです。

futtu 富津沖が釣り場でした

仕掛けを投入したら、まずは指示ダナまでオモリを落とし、その後ハリスの長さ分イトを巻き取ります。これはハリスを張るための行動。この動作を抜かしてしまうと、シャクリを入れてもエサに動きが伝わらずアタリが出にくくなってしまいます。

そのあとシャクリを入れつつ巻き上げていき、船長が指示する水深まで仕掛けを徐々に上げてきます。縦方向に広い範囲を探るイメージです。時には水面ギリギリでヒットすることも!

12 指示ダナはタチウオの群れよりも上の層になることが多いそうです。底までオモリは落としません。タチウオはエサを食い上げる習性がありますし、群れにダイレクトに仕掛けを落とすと警戒されてしまうからです

シャクリが大事なポイント。サオ尻を脇に挟み、穂先を海面に向けて低めに構えます。そして、オモリの重さを感じながらシャクリ。このときオモリの重さを感じなければ、それはイトフケが出てしまっているということ。すなわちシャクってもエサに動きが伝わりにくいのです。

13 水平よりも低い位置でサオを構え、ここからシャクリを入れます

p 136-139 image 02 単行本「釣れる『船釣り』最新テクニック」より

このシャクリについては、出船前に小幡船長から指南がありました。

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◆船長のシャクリ指南
「アタリが出るシャクリ幅やペースはその日ごとに違いますので、まずは『30~40cmのシャクリ+リールのハンドル1/2回転』というペースでやってみてください。小さく強いシャクリが基本です。前アタリだけで終わってしまうようならハンドルの回転を1/4にしてみてください。浅場のタチウオは攻めの釣りです。本アタリまで持ち込める方法を探して、うまく釣れるシャクリを作ってくださいね~」

「釣れるシャクリを作る」というお言葉にグッときました。そして、実際に釣りを始めてみると、その言葉の重みを痛感する出来事が起きたのです。

ここでまた登場するのが竿頭・佐々木さん。なんとこの方、この日76尾(すごい数字だ……)をキャッチしました。毎投アタリを出し、1投1尾が延々と続く時間帯もありました。その釣りを観察すると、竿頭になるべくしてなったという印象をもったので詳しく紹介します。
 
速いペースでシャクって釣るのが好きだという佐々木さん。タチウオが捕食態勢に入っていることが多い浅場の釣りでは動かし続けるほうがアタリが出やすい傾向があるうえに、
動き続けるエサのほうが見切られにくいと感じているといいます。

15a
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この日の前半はシャクリごとの「間」を作らず動かし続けたほうが食い込んでくれましたが(小さく強いシャクリ⇒ハンドル1/4回転の繰り返し)、後半は事情が変わりました。シャクリ直後にすみやかにサオ先を戻し、ラインの小さなタルミを作って「間」をもたせたほうが食い込みがよくなったのです。

「最初は仕掛けを張って、張って食い込ませていましたが、最後のほうは小さいタルミを作ったほうがよかったですね」

潮の動き方などによってタチウオのモードが変化することがこういった違いを生んでいるのでしょうか……。面白い!

16 佐々木さんのリールはメタニウムのノーマルギア。ハイギアでないのは、仕掛けが上がってくるスピードを抑えるため。シャクリ直後に1/4回転ずつハンドルを巻くリズムだった(シャクリ時は巻かない)

17a 17b 17c 好調時は1投1尾のペースで掛けていく佐々木さん。タチウオってこんなに釣れる魚なのか……?

 

アタリから獲るまでの流れ


しばらくサオを出してわかったことがあります。タチウオ釣り、アタリはすごく多いけどとにかく乗らない……! 船長にアドバイスを求めると……。

18a 18b 18c 皆さんはハイペースでキャッチ!

「コン、コンという前アタリは無視してシャクリを続け、グーンと重みが乗った本アタリでアワせてください。シャクリの振り幅が大きすぎると前アタリで終わりがちです。シャクりっぱなしが乗るときと、一瞬の間が必要なときがありますので、意識して見極めてみてください。最後まで食い込んでくれるシャクリを探すのが最善の策です」

アワセを空振りしてしまったときはそのまま巻き上げず、そこから最低でも3mは誘いを継続したほうがいいそうです。群れの別の個体が反応したり、同じタチウオが続けて食ってくることがあります。

無事に掛かったら引きを楽しみながら巻き上げます。最初苦労したのが取り込み時の作法。
仕掛けが上がってきたら、まず素早くテンビンを掴むことが大事。その後サオを置き、ハリスをたぐってタチウオを船に入れましょう。テンビンを掴む前にタチウオがバレると反動で顔にテンビンが飛んでくる可能性があるので危ないのです。

19a 19b 19c 19d 取り込みの流れ。まずはテンビンを手にとろう!

無事取り込んだタチウオは血抜きせずすぐにクーラーボックスに入れて氷締めするのがひらの丸の推奨する方法でした。

20b 僕にも釣れました! エサ釣りではありますが、ルアー釣りのような動作で釣るところにギャップ萌えした次第です

結局、取材時は写真を撮りながら釣りをしていた僕も20尾以上の釣果で、サオ頭は76尾。多くの人が50尾を超えていました(ちなみに今年の8月24日では116尾という釣果も出たそうです……)。

帰港時、「これは釣れすぎです。感覚がおかしくならないように、今日のことは忘れてくださいね~」と小幡船長。いえいえ、一生忘れません!! 

 

予約、受付~出船の流れ

hirano1 富津港「ひらの丸」
℡0439-87-2183または090-6163-3115
(受付時間9時~20時)
http://www.hiranomaru.net/
●タチウオ船の乗合料金はエサ・氷付きで1人9000円(女性は6000円)。出船時間は6時。出船前に小幡哲也船長による非常にわかりやすいエサの付け方・釣り方解説があるため初心者に超オススメの船宿です。釣行日が決まったら上記の時間内に電話予約をすればOKです。

交通●館山自動車道「木更津南IC」富津岬方面出口を降りて国道16号線を「富津岬」方面へ。約10km道なりに進み、あらい橋を渡ってすぐの交差点を右折。約500m直進するとひらの丸の看板があるので右折し、港内に入って奥まで進む。カーナビを利用する場合は「富津漁業協同組合」を入力し、目的地到着およそ200m手前の四つ角(右手にひらの丸看板あり)を右折(※館山自動車道「木更津南IC」からの所要時間は約15分)

hirano2 朝集合場所に行ったらまずは番号札を取ります(ペットボトルのフタ)

hirano3 この番号が乗船順番です

hirano4 エサは配ってもらえます。手拭きもいただきました。これは助かるサービスです!

hirano5 船内にはゴミ箱も。本当に気配りが行き届いています

hirano6 エサはなくなるたびにクーラーから補充します。痛み防止のため、一度に取るのは10本までにしましょう

hirano7 この日お世話になった小幡哲也船長入門

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2019/9/27

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