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つり人編集部2026年6月2日

【月刊つり人80周年】マダイ仕掛けの進化論。誌面で辿る80年の歴史と流行

1946年創刊の小誌『つり人』は今年80周年を迎える。その歴史のなかで多くの釣りやターゲットを取り上げてきた。今回は各地で独自の進化を遂げてきたマダイ釣りの仕掛けと流行を振り返る。

著者:つり人編集部

写真と文◎つり人編集部

1946年創刊の雑誌「月刊つり人」を始め、数々の釣りに関するコンテンツを作成してきたつり人社の編集部。

目次

     

シャクリダイとビシマは伝統釣法として今も人気

マダイほど土地の個性が色濃く出る魚も少ない。その土地ならではの工夫が仕掛けとなり伝えられてきた。関東周辺を中心に発展してきた釣法を軸に、マダイ釣りの多彩な仕掛けを整理してみたい。

初めてマダイが表紙を飾ったのは昭和24年1月号
初めてマダイが表紙を飾ったのは昭和24年1月号

鴨居式シャクリダイ~東京湾口で発展したマニアックな伝統釣法

東京湾口に位置する三浦半島の鴨居沖で発展したシャクリ釣りが、鴨居式シャクリダイと呼ばれる釣法だ。30号程度の重い鋳込みテンビン+2号の豆テンヤというシンプルな仕掛けでしっかり底取りしてからタナを取るのが特徴。アタリの数は少なく、しっかりアワセを入れないと釣れないマニアックな釣りだが、釣った感のあるダイレクトなやり取りが楽しめるとあって、コマセマダイが流行してからもコア層から根強い人気を誇っている。

鴨居という地名が初めてつり人に登場したのは昭和25年4月号の『東京灣口大鯛釣』という記事の中。「春の大鯛はイカで釣る。俗に鴨居のイカ鯛という。」とある。エサに三、四寸の活イカを使うそうだ。昭和27年6月号では鴨居のエビ鯛釣の記事があり、イカ鯛よりも釣りやすいとして紹介されている。

昭和25年4月号で登場したのは活イカを泳がせるイカ鯛
昭和25年4月号で登場したのは活イカを泳がせるイカ鯛

内房のシャクリ釣りから「ひとつテンヤ」への進化

鴨居式シャクリダイと同様の釣り方で、鋳込みテンビンではなく中オモリを使ったシャクリ釣りが内房式だ。中オモリは10号未満で、鴨居式の30号と比べるとだいぶ軽い仕掛けで水面からタナを取るのが特徴といえる。こちらも手バネザオを使い、マダイの引きを最大限に味わえる釣りとして人気があった。昔はミチイトにナイロンを使用しており、イトも太かったため中オモリを使用しないと底を取ることができなかったが、PEの登場によりテンヤだけでも底を取れるようになった。それが現在の「ひとつテンヤ」へと発展し、今ではタイラバと並ぶ人気釣法のひとつとなっている。

昭和47年12月号では竹岡沖のタイ釣りの概要が寄稿され、昭和50年の11月号では沖釣りガイドのひとつとして房総エリアが取り上げられている。竹岡沖の内房式とドウヅキ仕掛け、外房・大原沖のビシマ仕掛けとハナダイ(チダイ)をねらうドウヅキ仕掛けが紹介されていて、秋は浅いポイントをねらうため初心者でも充分操作でき楽しめるとある。

昭和50年の11月号では沖釣りが特集され、房総の沖釣りのひとつとして各地域のマダイ釣法が紹介
昭和50年の11月号では沖釣りが特集され、房総の沖釣りのひとつとして各地域のマダイ釣法が紹介

大原沖のビシマ釣り~紀州から伝わった手釣りスタイル

紀州から大原・勝浦に持ち込まれたというのがビシマ釣りだ。ビシマというのはイトの名前で、10~12号のナイロンラインに、0.5gほどの割ビシが10~30cm程度の間隔で取り付けられている。これをミチイトとして使うのがビシマ釣りだ。ハリスの先にはカブラを付けて使う。

特徴的なビシマのイトだが、最大の利点は潮の抵抗を受けにくいことだ。ミチイトがオモリを兼ねることで、ハリ近くのオモリは軽いものが使えるようになる。

ビシマ釣りは手釣り。釣りの原点に立ち返ったようなスタイルで楽しめる。昭和44年2月号では銚子外川沖へマダイねらいに出船する人に向けた記事があり、ビシマ式のドウヅキ仕掛けが紹介されている。

昭和59年の7月号と8月号で2号続けて、各地のタイ釣りの仕掛けと釣り方が解説されていた
昭和59年の7月号と8月号で2号続けて、各地のタイ釣りの仕掛けと釣り方が解説されていた

コマセマダイの流行

オキアミの流通により、全国に広まった釣りがコマセマダイだ。今ではマダイ釣りの基本形とも言えるだろう。ビシカゴを使いオキアミを撒いて、時には10m以上も長くとったハリスを駆使して寄せエサの帯に付けエサを同調させてねらう。タナ取りの正確さとコマセワークが釣果を左右する釣りだ。

「運動不足はタイで解消」というキャッチコピーが表紙に大きく書かれた1996年10月号の記事ではコマセマダイの新釣法として永井リグが紹介されている。永井リグとは永井裕策さんが発案した、磯釣りで使われる水中ウキを使った仕掛けのことである。ハリスの途中に水中ウキがあることで潮流の影響を受けやすくなり、結果としてコマセとの同調が取りやすくなる。この記事では釣れる理由のひとつに仕掛けに動きを与え、積極的に付けエサを躍らせる攻めの仕掛けになるからとも書かれている。

1996年1月号で紹介されているのは、勝浦方面で昔から使用されてきたという、木綿製のカモシ袋を下げた仕掛け。釣り方はコマセマダイと同じだが、カモシ袋に入れる寄せエサはサンマのミンチで、付けエサはサンマの切り身だ。イカ、エビ、オキアミ、サンマ……、マダイはなんでも食べるということがよくわかる。

1996年10月号ではコマセマダイのテクとして、水中ウキを使う永井リグが紹介されていた
1996年10月号ではコマセマダイのテクとして、水中ウキを使う永井リグが紹介されていた

岸からのマダイ釣り~投げ釣りやウキフカセでも楽しめる

船釣りが主流のマダイだが、岸からも当然のようにねらわれてきた。サーフや堤防からの投げ釣りでは、テンビン仕掛けにアオイソメやユムシを付け、遠投でねらう。夜釣りでは大型が出ることもあり、メインターゲットとするキャスターも多かった。また、磯でのウキフカセでも充分ねらえ、たびたび取り上げられている。1997年8月号では新潟県の粟島を日本海に浮かぶタイ・アイランドと称してマダイを本命としたウキフカセ釣りを取り上げている。

マダイは日本各地で長く愛されてきた魚であり、さまざまな釣法が生み出されてきた。近年流行しているタイラバもその一つだ。仕掛けの進化を知ると、釣りはもっと面白くなる。

投げ釣りやウキフカセでもマダイは格好のターゲット。度々取り上げられてきた
投げ釣りやウキフカセでもマダイは格好のターゲット。度々取り上げられてきた

※このページは『つり人 2026年4月号』に掲載した記事を再編集したものです。

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つり人 2020年5月号

列島をゆるがすコロナウイルス。けれども、日増しに暖かくなる春の日を、じっと家にこもって過ごすのはやっぱり体によくない。その点、手軽な海の釣りは、風も気持ちよく、大人も子どもも、思い切り深呼吸しながら時間を過ごせる。ウミタナゴ、メジナ、クロダイ、カレイ、アオリイカ、カサゴ……。元気な魚たちが泳ぐフィールドで、がんばろう、ニッポン! そのほか、3名手の渓流解禁レポート、里川で見つかる美味しい道草、みちのくタナゴ旅など旬の釣り満載でお届け。

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