車がなければ遠征釣行は難しい、と思っていないだろうか。大荷物になりがちなロックショアでもパッキング次第で公共交通機関が利用できる。パックロッドを活用したこれからの遠征スタイルを実例とともに紹介。
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写真と文◎黒神樹
1999年生まれ、明石市在住。釣り好きが高じてがまかつに入社、商品開発課にて釣具の企画開発に携わる。開発中のパックロッド「ロカベラ(ROCABERA)」では20kgオーバーのヒラマサやGTをキャッチ。
遠征釣行におけるパッキングスタイルの考え方
近年ではさまざまなメーカーからパックロッドがリリースされ、種類や選択肢も増えてきました。ですが、仕舞寸法の短さに注目が集まる一方で、そのパックロッドを実際にどう運び、どう釣り場へ持ち込むのかという過程に焦点を当てた情報は、まだそれほど多くありません。人、場所、ターゲットによって多様なパッキング方法があり、まだまだシステマタイズされていないのが現状だと思います。私自身、公共交通機関を用いてロックショアでヒラマサをねらう遠征釣行に行くことも多く、その際のパッキングについて、私なりの方法を紹介します。
一言でパッキングと言っても、バックパックスタイル(派生でボストンバッグスタイル)とスーツケーススタイルの大きく2つに分けられます。皆さんがまず思い浮かぶのはスーツケーススタイルかもしれませんが、すべての遠征でこの方法が快適とは限りません。実際には、行程や荷物量次第で向き不向きがあります。
私の場合、機動性に優れたバックパックスタイルを軸にしつつ、飛行機移動や荷物が重くなる場合ではスーツケーススタイルを組み合わせています。大切なのは、どちらが優れているかではなく、遠征内容に合わせて最適化することです。
ギア選びで重視する3つのポイント
私が遠征で使用するギアを選ぶ時は次の3つのポイントを重視しています。
1.軽量であること
2.汎用性が高いこと
3.余裕を持たせられること
これらの基準をおさえ、現場で過不足が起きないように徹底的に荷物を厳選してパッキングします。予備を持っていかない訳ではありませんが、準備過多は遠征においてデメリットにもなり得ます。なぜなら運搬できる荷物量には制限があり、物量が増えれば増えるほど移動時の快適性や機動性が損なわれてしまい、公共交通機関を使った遠征の利点を削いでしまうからです。その点でも軽量であることと汎用性が高いことは重要になります。
また、パッキングに余裕を持たせることもかなり大切です。詰め込み過ぎてしまうと、行きは問題なかったのに帰りには何故か荷物がバックに収まらないという現象が往々にしてよく起きてしまいますからね。
パッキング方法とギア選びで変わる快適性
今回は、私が長崎県壱岐の地磯を釣り歩いたヒラマサ釣行を前提としたパッキング例を紹介します。あくまで現在の私のスタイルですが、一例として参考にして、自分なりのスタイルを模索してみてください。それもこの釣りの楽しみのひとつです。
現在、私がメインで使用しているバックパックは、カーゴ55やベースキャンプダッフルです。これらの特徴は、四角い箱モノを整理して収納しやすく、なおかつ取り出しやすいということです。一般的なバックパックでは中の荷物が煩雑になってしまい、何をどこに入れたのか分からなくなりがちです。結果、忘れ物のリスクが高くなったり、現場で必要なものをすぐに取り出せなかったりします。
釣りに合わせたバックパック選び
そこで私は、持ち込む荷物をジャンルごとに小型のギアバッグへ分けて収納しています。たとえば、写真のようにルアー類、リール&リーダー、着替えやレインウエアといった具合に分けておけば、現場での展開が速く、管理もしやすくなります。遠征では、ただ入ることよりも、迷わず出せることのほうが重要なのです。
しかし、ここで問題になるのが一般的なバッグではギアボックスの収納が難しいことです。そのため、私は四角い箱モノを収納しやすく取り出しやすいバックパックを愛用しています。特にカーゴ55はギアボックスを積み上げるように収納できたり、ドライチューブバッグと組み合わせて、現場で防水バッグとして使えるため、非常に使い勝手がよいです。移動中の収納力と、現場での運用のしやすさを両立できる点が、愛用している大きな理由です。
パックロッドで移動手段の選択肢が広がる
遠征のパッキングをする上で制約が大きいのが「サオ」です。たとえば、一般的な10ft前後の2ピースロッドでは仕舞寸法は160cm程度。車で移動するのであれば、持ち運びに影響が出ることはほとんどないでしょう。しかし、新幹線を利用する場合では「特大荷物スペースつき座席」の予約が必須であったり、駅から港までのタクシーにロッドケースを載せにくかったり、バスを利用できなかったり……と選択肢が狭まることで、移動そのものに制約が出てきます。その点、仕舞寸法が短くなるパックロッドはその制約を取り払ってくれるので、便利な手段と言えます。
また、私のように大阪から九州北部に1人で遠征する場合、車での自走と新幹線の利用を比較すると新幹線を利用したほうが安くて楽にアクセスが可能です。寝ているだけで着きますからね(笑)。ただでさえ体力を使うロックショア、少しでも体力を温存しておきたいというのが私の本音です。これからは公共交通機関を利用したロックショア釣行も検討してみてください。それを可能にしてくれるのがパックロッドなのです。まさにパック(ロッド)スタイルというわけです。
ロックショア遠征でもパックロッドのススメ
肝心のパックロッドは何を使っているのか? 現在、私は開発中のロカベラを使用しています。このロッドシリーズは、遠征だから仕方なくパックロッドを使うのではなく、普段からメインとして使いたくなる性能をパックロッドに持たせたいという思いからスタートしたプロダクトです。
ロカベラの仕舞寸法はすべて550mm以下に設定しています。550mmというのは飛行機の機内持ち込み可能サイズの上限です。飛行機や新幹線をはじめとした多様な移動手段を想定した国内遠征・海外遠征に対応するサイズにすることで、移動の軽快さが大きく向上するのです。さらに磯へアクセスする場面では、バックパックに収めることで両手をフリーにでき、安全にエントリーしやすくなります。
パックロッドは2ピースロッドと比べて性能が低い、あるいは折れやすいと思われがちですが、そこには一切妥協したくありませんでした。ラグゼプロスタッフの大川漁志さんとともに、20kgオーバーのヒラマサやGTをショアから釣りあげており、その強さは充分なものになっています。
パックロッドは、単にコンパクトで便利というものではありません。遠征の自由度を広げ、移動の負担を減らし、結果として釣りそのものに集中しやすくしてくれる道具です。ロックショア遠征を検討しているのであれば、ぜひ公共交通機関を利用すること、パックロッドを使うことを選択肢に入れてみてください。
黒神樹さんの遠征ギアリスト一例




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