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編集部2019年5月30日

ダイワ鮎マスターズV3・瀬田匡志さんに訊く! アユ釣り1問1答 :第3回

アユ 魚種別釣りガイド

瀬田さんはアユ釣り競技会屈指のアスリートである。高い身体能力と勝負強いメンタル。計算された試合運びは盤石の強さを誇る。一方で気さくでアユ釣りが大好きな趣味人でもあり、どんな質問でも明快に答えてくれる。

キャスティングと引き抜きについて

解説◎瀬田匡志

瀬田さんはアユ釣り競技会屈指のアスリートである。高い身体能力と勝負強いメンタル。計算された試合運びは盤石の強さを誇る。一方で気さくでアユ釣りが大好きな趣味人でもあり、どんな質問でも明快に答えてくれる。

Q:サイドスローが上手くいかない人に共通することは何か?


A: オトリを投げるには、手尻は短いほうがよいと思われがちです。しかし手尻が短いとオトリを投げ込む最初の位置が高くなります。こうなると手前でバウンドしやすく、オトリに負担が掛かりやすい。さらにはエビにもなりやすいのです。オトリを投げるスタート時点が腰の位置程度になる手尻に調節すると、オトリが安定して暴れずに飛んで行きます。ハナカンの位置をサオ尻ツンツンの手尻に調整している場合は、サオ尻から50cm程度上を持って投げ込むと上手くいきます。

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QA_ph_03-1-2 サイドスローのオトリの持ち方

QA_ph_03-1-1 サイドスローは腰の位置からオトリを放つのがキモのひとつ

Q:振り子投げが上手くいかない人に共通することは何か?


A: まずオトリの鼻先にあるつまみイト(中ハリス)を持って投入ポイントの真逆に投げます。この時にオトリが振り上がった助走路の頂点に行く前に慌てて振り込もうとすると飛びません。こうなると高い弾道になって遠くに飛ばず上手く振り込めないのです。投げた時にオトリが助走路の頂点に達するまで慌てない。頂点で止まった時にねらった方向へ振り込むと上手くいきます。とにかく慌てないことが重要です。

QA_ph_03-2-1 振り子投げは飛ばしたい方向の180度反対に投げ、オトリが頂点に来たところを見届けてから振り込む

QA_ph_03-2-2 振り子投げのオトリの持ち方。ハナカン上10cmほどの位置をつまむ

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Q:早くアユを浮かすために必要なことは何か?


A: 手もとにアタリを感じた瞬間に間髪入れずアワセを入れます。魚が走り、自分も合わせる。と、一瞬で絞られたサオがパワー(反発力)を発揮します。この状態でためてタモを抜き、準備ができたらサオを起こす。掛かった瞬間から川底からジワリと浮かしているのですぐに抜けます。

Q:引き抜きが上手くいかない人に共通することは何か?


A: アユを引き抜く前提は、サオの反発をしっかりと活かすこと。それにはサオを絞り込むのです。オトリが出て、掛かりアユが水を切る前に多くの人はサオを絞るのを怯みます。「大丈夫かな?」と不安になって知らず知らずのうちに力を弱め、微調整をしているはず。のされず曲げられる位置まで立ち位置を調整し、きちんと絞り込めば必ずアユは出てきます。サオ先がグングンと引かれて動いているうちは限界まで曲がっていません。サオの曲がりが止まるところまで締める。そんな意識で絞り込めば、よほどの大アユでない限り自然とアユは抜けるでしょう。

QA_ph_03-5 サオの曲がりが止まる位置まで思い切って絞り込む意識が大事

Q:抜いたアユが真っすぐ飛ばない人は何が悪い?


A: おそらく強引に抜き上げすぎです。手前に引いたり、上に突き上げたりして飛ばそうとするとアユの軌道がズレやすいと思います。基本はサオ尻の持ち手とは反対の手を上に添えます。アユを抜いた瞬間に、上に添えた手で軽く手前に誘導する。これがキモです。たとえば利き手が右手の場合は、上に添えた左手を右方向に引くことはできません。左に引くので、必ず左手のほうへ飛んで来るはず。アユを飛ばした後にタモを抜く自信がない場合は、あらかじめタモを抜いて添え、構えるのがおすすめです。

QA_ph_03-8 サオ尻を持つ利き手ではなく、上に添えた手を軽く引くイメージでアユを抜くとタモに向かって飛びやすい

Q:抜いたアユがライナーで飛びすぎてしまう人は何が悪い?


A: サオの調子によります。先調子のサオはライナーで飛んできやすい。先端部だけ曲がるサオは直線的な弾道になりがち。特に小型のアユが流れの緩い場所で掛かった場合は顕著です。その点、胴調子のサオは大きく曲がって上に持ち上げる力=円を描くように曲がるので弾道的にはふんわり飛んできます。

Q:身切れバラシが続出する時に考えるべきことは?


A: 身切れがどういう状態で発生しているかを考えるべきです。掛かりアユの傷が大きく、側面より下部が切れている場合は、ハリスが軟らかすぎて魚体に巻き込んでいる可能性があります。またハリの線径が細いことも考えられる。張りの強いハリスに替え、太軸のハリにします。
 やり取りの前に水中バレが生じる場合はハリスの長さに問題があります。天然河川で高活性なアユをねらう場合はハリスの長出しは厳禁です。野アユがオトリをチェイスした時点でイカリに触れてしまうのでバラシが多発するのです。ハリスを短くし、きっちり追うアユだけを釣るようにします。逆に放流河川の場合はハリスを短くしすぎると、口掛かりが増え、オトリの循環が悪くなります。河川によってはセッティングを替える必要もあります。ハリ形状がストレート系ならシワリ系に。またはその逆にするといったぐあいに替えてみると、ある程度の答えは出るはずです。



※この記事は、月刊『つり人』2018年7月号でも読むことができます。


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