投じた仕掛けを魚の居場所まで届け、最後は食い付かせるドリフト。渓流釣りの基本となる動作を、名手3人が実践形式でアドバイス。
流し方(ドリフト)のコツを教えて!
まとめ◎編集部 写真◎編集部、浦壮一郎、丸山剛
こちらの記事は月刊『つり人』2020年4月号に掲載したものをオンライン版として公開しています。
投じた仕掛けを魚の居場所まで届け、最後は食い付かせるドリフト。渓流釣りの基本となる動作を、名手3人が実践形式でアドバイス。
井上聡
群馬県に住む井上聡さんは、利根川水系をホームにするオールラウンダー。本流から支流まで各地の川に出かける
金沢辰巳
山梨県の桂川近くに住む金沢辰巳さん。アユ釣りのエキスパートとしても知られるが細イトを使ったヤマメ釣りも得意
我妻徳雄
山形県在住の我妻徳雄さんは、ヤマメもイワナも魚影豊富な地元東北の河川を釣り歩くほか、源流釣りにも好んで出かける
目次
Q.01:仕掛けをうまく流すには
仕掛けを上手く流せているか判断ができません。基準を教えてください
(井上)「上手く流れると、水面に近い目印が表層の流れよりもゆっくり落ち着いて流れます。また、その上の目印が連なっている部分のラインがまっすぐになり、たるんだり緩んだりしません」
(金沢)「水面の流れよりも、若干遅く流れていれば底流れをとらえて流れています。その際、水深が分からなければ、まずは重いオモリを付けて水深を見極めてください」
(我妻)「底波(食い波)を捉えて流す。水中の仕掛けがしっかりと底の流れをとらえていれば、目印は表層の流れより相当『遅く』、しかも『安定して』流れます。これが底の流れに乗ったしるし。あとは、目印の動きに穂先を追従させて、このバランスが崩れないように流します」
仕掛けが流れよりもゆっくり流れ、なおかつ目印の並ぶ部分に不安定なタルミが出ない状態を長く保てていれば上手く流せているサイン
Q.02:根掛かり対策
根掛かりが多発します。オモリを軽くするほかに、流し方に問題があるとすればどんな点を見直すべきでしょうか?
(井上)「水深に対して水中イトが長すぎる場合や、フカセを大きく取りすぎると根掛かりしてしまいます。その時は無意識にラインを下流に引いていませんか? するとオモリが早く沈み過ぎてしまいます。Q1の答えのように目印はまっすぐに立つように心がけてください」
(金沢)「水深以上に水中イトを水の中に入れているので目印を下げます。そのうえで、底流れをとらえるように穂先も上下させて流すと、釣り場の水深は常に変わっていくものなので、深い場所では目印を沈め、浅い場所では目印を高く出す流し方になるはずで、それが正解です」
(我妻)「根掛かりを少なくするには、できるだけ流れになじませるように流すこと。また、川底の地形が複雑な場合はハリとオモリの間隔を長くとり、起伏に合わせたサオの操作も必要になります」
Q.03:せり出している木の下をねらいたい
木の枝がせり出している下をねらいたい時、よい方法はありますか?
(井上)「水面を切るような感じで斜めから入れます。あまり近くに寄るとラインコントロールがしにくいので、離れた位置から釣りましょう」
(金沢)「まず振り込みは前述のとおり、直接打ち込みたい時はサイドスロー(アンダースローでもよい。その時はオモリやエサの周辺を手で持つ※下図)で、木の手前から打ち始め、立つ位置を少しずつ詰めていくか、手を止める位置を前側にしていきます。そこから、サオを横に出し仕掛けを水面に滑らせるようにして枝下に入れていきます」
(我妻)「必殺『振り子釣法』をご紹介しましょう(笑)。まず木の枝のせり出しの上流に投餌し、サオはその位置をキープし、仕掛けをたるませてドラッグフリーでそのまま流します。そして、仕掛けが木の枝のせり出しを過ぎたところで、枝のせり出しの下にサオ先を素早くくぐらせ、そのままサオを立てます。この時点で、魚のテンションを感じることもしばしばです」
枝下をねらう時はまず近付きすぎないのもコツ
後半はこちらから!
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