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編集部2022年2月11日

渓流釣り/3名手が答える「流し方(ドリフト)」Q&A その2(最終回)

ヤマメ イワナ 河川・湖の釣り 魚種別釣りガイド 渓流

投じた仕掛けを魚の居場所まで届け、最後は食い付かせるドリフト。渓流釣りの基本となる動作を、名手3人が実践形式でアドバイス。

流し方(ドリフト)のコツを教えて!

まとめ◎編集部 写真◎編集部、浦壮一郎、丸山剛
こちらの記事は月刊『つり人』2020年4月号に掲載したものをオンライン版として公開しています。

投じた仕掛けを魚の居場所まで届け、最後は食い付かせるドリフト。渓流釣りの基本となる動作を、名手3人が実践形式でアドバイス。

井上聡

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群馬県に住む井上聡さんは、利根川水系をホームにするオールラウンダー。本流から支流まで各地の川に出かける

金沢辰巳

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山梨県の桂川近くに住む金沢辰巳さん。アユ釣りのエキスパートとしても知られるが細イトを使ったヤマメ釣りも得意

我妻徳雄

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山形県在住の我妻徳雄さんは、ヤマメもイワナも魚影豊富な地元東北の河川を釣り歩くほか、源流釣りにも好んで出かける

Q.04:アタリを取る感覚

ビギナーでアタリを取る感覚がよく分かりません。どうすれば分かるようになりますか?

 

(井上)「水面に近い目印の変化を見てください。少し遅くなったり、止まったりします。もう少し待つと沈み込んだり斜めにずれたりします。それがアタリです」

(金沢)「流れ方に違和感を覚えたら、とにかく軽く合わせてみること(オコシムシなどの柔らかいヒラタの時は、ソフトに合わせないとエサが切れてしまうこともあるので)。それで慣れていきます。その時、アワセが遅れたと思った時は、無理に合わせずにそのまま流して次の投入で食わせるようにするか、またはある程度の時間を開けてから流します」

(我妻)「渓流釣りのアタリは千差万別です。目印がスーッと消し込むような合わせやすいアタリもあれば、目印がチョンと揺れたり、モワッと動いたり、フッと止まったり、また手もとにコツコツときたりとさまざまです。分からない原因は、

①流している間のフォームの甘さからくる目印のブレ。

②魚がエサを食うポイントの予測ができていない。そして、

③魚が捕食するレーンをきちんと流していないため、小さな分かりにくいアタリしか出ない。アタリが取りにくいというのは、魚に問題があるわけではなく、むしろ釣り人の仕掛けや振り込み、流し方などに問題がある場合が多いです」

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Q.05:アワセのタイミング

アワセはどんなタイミングで、どうやるのがよいのでしょうか?

 

(井上)「難しく考えず、目印に変化があったら合わせます。サオをもった手を、肘を曲げながら引くようにして、サオ先を上部に素早く上げます」

(金沢)「私はエサにヒラタ、ピンチョロ、クロカワムシなどの川虫を使いますが、Q4と同じで、違和感を覚えたらともかく軽く合わせることです」

(我妻)「魚はエサをくわえてすぐ飲み込むことは少なく、口の中に持っています。魚の口というのは、人間でいう手の動きに近い働きをしているようで、このエサをつかんだ状態でアタリが出ます。ここで合わせると、ハリが口の中に刺さる。合わせないでいると、魚は何らかの異常を感じてエサを吐き出します。そして、アワセの目安は使うエサによって異なります。川虫などの小さなエサであれば即アワセ、キヂ(ミミズ)のような大きめのエサを使う場合は、少し時間をおいてから合わせるくらいが丁度よいです」

furikomi-nagasi07_58E5454広い流れを釣っていても、アタリは思いのほか小さく出る。まずは目印が安定して流せるようにし、そこから小さな変化を見逃さないようにする(S.Ura Photo)

 

Q.06:誘いは入れるべきか

誘いを入れたほうがよい、という話を聞きました。ナチュラルに流すだけでは釣れないのでしょうか?

 

(井上)「自然に流すことが一番ですが、緩い流れでは上下に誘うと効果的なことがあります。その時はオモリを若干重くして、エサ(ハリ)との間隔を広めにしてください」

(金沢)「ある程度の水深( 20㎝程度以上)がある場合は、少なくとも最初はナチュラルに流しますが、10㎝程度のチャラ瀬などを釣る時は、最初から斜めに流すことで、魚に早くエサを見つけてもらうように流すこともあります(一種の誘いという感覚です)。また、深い淵や広いトロなども縦方向に斜めに、横方向に斜めに流したりもします。魚が見える時は、エサを魚の前で意図的に浮き上がらせたり止めたりもします」

(我妻)「エサを自然に流すことは、魚の食性に訴える基本的な釣り方です。そこからさらに釣果アップをねらったり、大ものを求めるのであれば、誘い釣りも覚えて損はありません。こちらは、いわゆる渓流魚の闘争心を刺激する釣り方で、私の誘いは、自然に流れている状態で仕掛けの流れをストップさせ、エサを一旦浮かせ、そしてまた普通に流すという操作を繰り返します。魚が警戒するほどのアクションではなく、わずかに仕掛けを止める程度。イメージとしてはエサが逃げるような演出をしています(あくまで操作のためのイメージです)。誘いは、特に戻りヤマメなどのソ上魚に効果があるようです」

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furikomi-nagasi08-DSC_6375たとえば早期の里川は、流れの中にわずかなミゾ(深み)があれば、日当たりのよいこのような開けた場所に意外なほどヤマメが付いている。そんな場所では流れのとおりにまっすぐエサを流すだけでなく、あえて穂先で誘導して、流れを横切らせるような誘い(魚に対するエサのアピール)も有効だ

 

Q.07:バラシについて

掛かった魚が数秒でバレてしまいました。掛け損じた魚を釣るコツはありますか?

 

(井上)「一度ハリ掛かりした魚は難しいです。再度仕掛を振り込んでも警戒心が増してしまうので口を使わなくなります。他のポイントを探って時間をおいてからねらうようにしましょう。その際、エサの種類を変えると効果的なことがあります」

(金沢)「成魚放流ではない、川に馴染んだヤマメは一度ハリに掛かったら当日にもう一度掛けるのは無理なことが多いです。一方、イワナは何度もハリに掛かることがあります。ちなみに、穂先が軟らかすぎると、上手く合わせて乗ったはずの魚がバレることがあります。ハリの大きさが合っていない可能性もありますが、私は魚にハリを飲まれるのは嫌いなので、ハリは大きめから始めて小さめにしていきサイズを合わせるようにしています」

(我妻)「バラシの原因はいろいろ考えられますが、大きくは①ハリが合っていないことと、②アワセをきちんと入れていないことが考えられます。

 ①の場合は、エサに対してハリの大きさが合っていない。川虫などの小さめのエサには小さなハリ。キヂなどの大きめのエサには大きなハリ。そして、大きさだけでなく、各メーカーからエサに合わせた形状のハリが出ているので、使うエサによってハリを変えるのも効果的です。②の場合は、目印の変化を感じたら、小さく鋭くアワセを入れます」

furikomi-nagasi09_58E5540渓流魚は警戒心が強いので基本的には一発勝負。基本的にはやり直しが利かない分、一日の釣りの中で反応のよいエサやそれに適したハリの大きさをチェックすることも必要。その先にほれぼれするような魚との出会いが待っている(S.Ura Photo)

 

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