王さん、ありがとう!
王さん、ありがとう!
つり人編集部=写真と文
サビの入ったアユが釣れると
寂しく感じるのは僕だけではないだろう。
アユ釣りファンにとっての秋は
とっても寂しい季節であるが
アユ釣りファンでなくっても
なんとなく切なくなるのが秋である。
今日は久しぶりに清々しく晴れ渡ったが
青空には郷愁を誘う鰯雲が浮かんでいた。
そして、夜。
王監督勇退のニュースが流れた。
物心ついた時からの巨人ファンだった僕にとって
王さんは常に最も尊敬する人と心の中に位置づけられていた。
野球を始めたころは右で投げていたが
王さんが左利きだから左で投げるようになり
そのまま左利きになった。
周囲から、せめて箸や筆は右にしなさいといわれたけど
頑なに拒んできた。
「好き嫌いすると王さんに嫌われるぞ」
と親から言われて何でも食べるようになった。
「そんなに悪い子だと王さんに会ってもサインしてもらえないぞ」
と言われるのが何より辛かった。
「王貞治物語」は子供のころのバイブルだった。
いったい、どれほどの数の人が
王貞治というひとりの野球人から影響を受けたのだろうか。
心から、ありがとうと言いたい。
王さん、長い間、お疲れ様でした!
(山根)
2008/9/23