Basser本誌では、20年間アメリカのトーナメントシーンのトップを走り続ける「フカシン」こと深江真一さんが世界基準のフィッシングメソッドを毎月紹介している。今回は深江さんがアメリカのプロツアーで夏に多用するルアーを紹介してもらった。
Basser本誌では、20年間アメリカのトーナメントシーンのトップを走り続ける「フカシン」こと深江真一さんが世界基準のフィッシングメソッドを毎月紹介している。今回は深江さんがアメリカのプロツアーで夏に多用するルアーを紹介してもらった。
写真と文◎編集部
夏のアメリカ・プロツアーで多用するバスルアー
まず、アメリカの多くのフィールドに共通する夏のキーワードが「シャッドスポーン」と「沖」である。シャッドスポーンはおもに朝マヅメに起こるシャッド(ベイト)の群れの産卵行動で、バスがこれに乗じてフィーディングを起こす現象。また、アメリカでは日本のようにハイシーズンもシャローにバスが居残ることはあまりなく、産卵が終わり回復したバスはどんどんと沖に出るの特徴だ(日本でもワカサギレイクなどでは見られる現象)。
つまり、このシャッドスポーンを含めてフィーディング状態にある「ON」のバスを釣るためのルアーと、日中に沖の「OFF」のバスを釣るためのルアーが必要になるのだ。
フィーディングにはペンシルベイト
シャッドスポーンをはじめとしたフィーディング用のルアーとして深江さんが……というか多くのプロが使用する定番がペンシルベイト。何より求められる要素が、遠くで起きたボイルに対して確実に撃ち込むための「飛距離」だからだ。
ペンシルベイトは大きく分けて2タイプ。ひとつがスーパースプークに代表されるベーシックな大き目のペンシル。もうひとつが、お尻が膨らんでいてヘッドにかけてすぼまっていくペンシルポッパータイプだ。前者はアクション幅の調整ができ、『カコーンカコーン』という音を出しながらの足の長いスライドも可能。後者はよりドッグウォークに近いねちねち系で、音はスプラッシュ系。
深江「使い分けとして、基本はスーパースプーク系だけど、ブルーバックへリングがメインベイトのレイクではペンシルポッパー系が効く。カラーはスーパースプークならボーンカラー、ペンシルポッパーはクロームが絶対。なんでかって?そういうもんやねん。長年の経験から、このカラーが一番反応が良いということが、わかるやつはみんなわかってる。もちろんほかのカラーでも釣れないことはないと思うけど、僕はわざわざそれを使おうとは思わない。
もうひとつ大事なのは、ペンシルを結んだタックルは常に一番手に取りやすいところに置いておくこと。そのスポットについて、仮にワンキャストめが違うルアーであっても、ペンシルのタックルを準備OKにするのが先。ボイルがあったら1秒でも早くそこに撃ち込むことがキーやからね。とくに、スモールとかスポッツのボイルって本当に一瞬で終わるから、ペンシルのタックルはデッキに並べたロッドの一番内側。もしくはティップをボートの縁から少し外に出して、ルアーをたらして即座に投げられるようにしておく」
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沖のバスにはまずディープクランク
日が昇り、バスのフィーディングがひと段落したら我慢の時間が始まる。そこで、沖のニュートラルなバスにスイッチを入れるために投入するのがディープクランクだ。当連載の第1回で解説したように、深江さんにとってクランクはボトムに当ててリアクションで食わせるためのルアー。水深に合わせて潜行レンジが異なるクランクを用意し、高速巻きからのボトムノックでリアクションバイトをとる。
定番はストライクキングの5XD~10XDやラパラのDTシリーズ。近年ではO.S.Pのディープクランクも評価が高いという。
深江「夏以降、沖にスクーリングしたバスをねらうディープクランクの釣りはケビン・バンダムが得意にしたテクニック。沖のバスは、ライブスコープがなくてもサイドスキャンとかで見つけることができるからね。ちなみに、岬や沖のレッジにいるバスに高速クランキングなどでスイッチを入れる食わせ方を、アメリカでは『ファイヤードアップ』と表現する。
まずは反応しやすいバスをディープクランクで食わせて、そのあとビッグスプーンやフェザージグでフォローを入れてバイトを出し続けるのが定番のやり方。現在は魚探の進化でより精度高くバスをねらえるから、ジグヘッドミノーを用いたミドストも主流にはなってきてるけどね。
フッキングしたら、場を荒らさないようになるべく短いファイト時間で一気に抜きあげる。ただね、今のBPTのルールだと釣ったバスをライブウェルに入れないでその場で逃がすから、結局リリースしたバスにつられてほかの魚も警戒しちゃって、ワンスポットから連発するのが難しくなってきて困ってます(苦笑)
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※このページは『Basser 2025年7月号』を再編集したものです。