この記事では、サビキ釣りの基本を初心者向けに分かりやすく解説します。イワシ、サバ、アジといった美味しい魚を親子で手軽にねらえる堤防釣りのスタンダードがサビキ釣り。サビキ釣りの道具、仕掛け、ポイント選び、釣り方、持ち帰り方まで総ざらい!
この記事の内容
サビキ釣りとは
サビキ釣りとは、エサに似せた小さな疑似バリ(=サビキバリ)を連ねた仕掛けで行う釣りのことです。
サビキ仕掛けの上(または下)には、寄せエサとなるアミを入れるカゴを組み合わせ、サオを上下に動かすことで寄せエサを拡散。それにより小魚の群れを集めて、最後はサビキに食いつかせます。
堤防周りに集まる小魚なら、多くの種類がこの方法で釣れます。
- サビキ釣りで釣れる魚の種類
- サビキ釣りで釣れる時期・時間帯
- サビキ釣りでよく釣れるポイント
サビキ釣りで釣れる魚の種類
サビキ釣りで釣れる魚の種類としては、代表格のアジをはじめ、以下が挙げられます。
- アジ
- マイワシ
- カタクチイワシ
- サバ
- スズメダイ
- ネンブツダイ など
スズメダイやネンブツダイも唐揚げにすれば美味しく食べられます。
サビキ釣りで釣れる時期・時間帯
サビキ釣りのシーズンは6〜9月の水温が高い時期が最盛期になります。
この時期は堤防のそばまで魚の群れが回遊しており、それさえ見つけられれば次から次へと釣り上げられるでしょう。ハイシーズンの前後の5月や10月も回遊次第で釣れます。2月など厳寒期はさすがに難しいですが、冬場はサヨリがねらえることもあります。
ルアーフィッシングで大物が釣れない時期や時間帯にサビキ釣りを楽しまれる方も多く、手軽さと確実さがサビキ釣りの魅力でもあります。
とはいっても、本格的に数を釣ろうと思うのであれば、暖かい季節の朝夕マズメを狙うのがおすすめ。
サビキ釣りでは大きな群れを狙う方が有利なので、群れが漁港や堤防に入ってきやすい朝夕マズメは絶好のチャンスです。
サビキ釣りでよく釣れるポイント
サビキ釣りでよく釣れるポイントとして、第一に挙げたいのが潮通しの良い堤防の先端です。
堤防の先端はサビキ釣りで狙える回遊魚の回遊ルートとなっていることも多く、安定して数釣りを楽しめることが魅力。
その他にも、水深のある漁港内などはプランクトンが溜まりやすく、それを狙って回遊魚が入ってきやすいポイントになります。
サビキ釣りで必要なもの(竿や仕掛け、餌など)
ここでは、竿や仕掛け、餌などのサビキ釣りで必要なものをご紹介。
サビキ釣りは初心者でも楽しみやすい釣りではありますが、楽しむためには正しい持ち物を用意する必要があります。
- サビキ釣りの竿
- サビキ釣りの仕掛け
- サビキ釣りで使う餌
- 釣り具のほかに必要なもの
サビキ釣りの竿
ノベ竿やスピニングリールをセットしたリール竿が使えます。
ノベ竿は釣具店で購入できる「万能竿」や「渓流竿」と呼ばれるタイプのうち、「先調子(硬調)」のものを選ぶとよいでしょう。長さは4~5mくらいあると、堤防と海面に高低差がある場合でも釣りがしやすいです。
リール竿の場合はスピニングタックルを使います。堤防釣り用の万能ザオの中で、全長3~3.3mくらいのものがおすすめ。水深4〜6m程度の港がメインなら、サオの号数は2号、水深が10m以上あるような海釣り施設なら3号くらいが使いやすい。リールはスピニングリールの2000〜3000番。ミチイトは視認性のよいイエローやオレンジの蛍光色のナイロンミチイト2〜3号を巻いておきます
サビキ釣りの仕掛け
仕掛けは大きく「上カゴ式」と「下カゴ式」の2つがあります。
市販のサビキ仕掛けは全長が1.5mくらい設定されているものが多く、リール竿の場合はリールからの糸を仕掛けに接続して使います。ノベ竿の場合は、2号前後の太さのナイロン糸を仕掛けに接続して、全長が竿の長さと同じくらいになるように長さを調整して釣り竿にセットします。
上カゴ式では、ナイロン製のコマセ袋やプラスチック製のコマセカゴ(上カゴ用)を仕掛けの上部に、最下部にオモリをセットします。下カゴ式では、仕掛けの下部にプラスチック製のコマセカゴとオモリを取り付けます。
初心者におすすめの仕掛けは下カゴ式。水の中で仕掛けをその長さ分だけ持ち上げて下ろすと、寄せ餌の煙幕のなかに勝手に仕掛けが入って魚が食いつきます。
▼リール竿を使う場合の仕掛け図
▼仕掛け(サビキ仕掛け、コマセカゴ/コマセ袋、オモリ)
サビキ仕掛けはハリ数6~7本のものが多いですが、子どもや入門者が扱うにはハリ数が少ないほうが釣りやすく、自分で3~4本バリに縮めてもよい。寄せエサは「コマセカゴ」または「コマセ袋」のどちらかを利用して仕掛け内に配置。あとはオモリを取り付けますが、下カゴ式用でオモリ一体型のものはそれだけで使えます。
サビキ釣りで使う餌(アミ、その他の寄せエサ)
コマセカゴまたはコマセ袋に詰めるアミは必須。すぐに使えるチューブタイプ(写真はマルキユーのアミ姫)が圧倒的に便利です。
そのほか、釣り始めに手早く海面に撒いて魚の有無を確認できる配合エサ(写真左は握って固めるだけで使えるもの)もあるとスピーディーに釣りができます。
釣り具のほかに必要なもの(クーラー、タックルバッグ、バケツなど)
タックル、仕掛け、エサのほかには「クーラーボックス」「水汲みバケツ」「手拭きタオル」は必ず用意しておきましょう。また、堤防では予備仕掛けなどを出しっぱなしにしておくと風に飛ばされる(=海に落としてしまう)ことがよくあるので、道具類をまとめてしまっておける「バッカン」も準備しておきたいアイテムです。
サビキ釣りの基本の釣り方
ここからは、餌の詰め方や竿の動かし方など、堤防からのサビキ釣りの基本の釣り方を解説。
基本さえ覚えてしまえば誰でも楽しめる釣りなので、まずは基本の動作から慣れるようにしましょう。
- 堤防(釣り場)に到着したら
- 寄せ餌の詰め方
- 仕掛け操作のやり方とコツ
堤防(釣り場)に到着したら
すでに釣れている人がいれば、声を掛けてその周囲でスタートさせてもらうのが一番。魚が見えない場合も、海面に寄せエサを撒いて5〜10分ほどようすを見ると、集魚効果が出てきてしだいに魚が集まることがほとんどです。そこからは状況を見て、必要ならねらうタナを変えながら釣っていきます。
釣り場に着いたら、まず人の集まっているところや堤防際を歩いて魚影を探す。少しでも魚影が見られた所なら、寄せエサを入れているうちに多くの魚が集まってくる
寄せ餌の詰め方
コマセカゴ(またはコマセ袋)に寄せエサのアミを詰めたらさっそく釣り開始。まずは表層から始め、反応がなければ少しタナを下げながら、「仕掛けを上下に動かして寄せエサを拡散」→「寄せエサの煙幕の中にサビキ仕掛けを入れる」というシンプルな釣り方を繰り返す。魚が掛かればアタリは手にはっきりと伝わるので迷うことはないでしょう
仕掛け操作のやり方とコツ
上カゴ式の場合は、魚がいる水深のいちばん上あたりにコマセカゴが来るまで仕掛けを沈めます。次に1~2回釣り竿を軽く上下させて餌をカゴからゆすり出します。寄せ餌が降り注いで、仕掛けがその煙幕のなかに入ったところで、もう一度何回か仕掛け上下させてハリを動かし、魚がハリに食いつきたくなるようにアピールします。
下カゴ式の場合は、逆に魚がいる水深のいちばん下にコマセカゴが来るまで沈めます。そして少しずつ仕掛けを上下させながら、仕掛けの長さぶん持ち上げていきます。寄せ餌が水の中に広がったら、その中に仕掛けが入っていくように、ゆっくりとおろしていきます。
サビキ釣りでたくさん釣るコツ
サビキ釣りで他の人よりもたくさん、厳しい状況下でも釣るコツをご紹介。
ご紹介するコツを実際に実践していただければ、これまで以上に魚へと近付けるでしょう。
- 釣具屋さんで釣り場の情報を集めよう
- ハリのサイズを小さくしてみよう
- 1尾かかったらそのまま待ってみよう
釣具屋さんで釣り場の情報を集めよう
よりたくさんの魚を釣るためには、よりたくさんの魚が居る釣り場へといく必要があります。
サビキ釣りのターゲットになる魚は回遊魚なので、そのときに群れが寄っているポイントが日替わりで違ってきます。
たくさんの魚が居る釣り場を探す際には、釣具屋さんの情報を利用するのがおすすめ。
海の近くの釣具屋さんには常連のお客さんからの情報が集まっており、釣れている場所を聞けば親切に教えてくれるでしょう。
釣具屋さんの釣果情報サイトなどを見るのもおすすめです。
ハリのサイズを小さくしてみよう
魚が居るのはわかっているのに何故か掛かってくれない、そんな時はハリのサイズが大きすぎることが原因かもしれません。
ハリのサイズをワンサイズ小さくするだけで、これまで釣れなかったのが噓かのように釣れることは良くあります。
そのような状況に備えて、釣りに出掛ける際には小さめのハリがセットされた仕掛けを持って行くことがおすすめです。
1尾かかったらそのまま待ってみよう
サビキ釣りでは、ハリがいくつも付いた仕掛けを利用します。
つまり、1尾ずつ釣っていくのではなく、1度に複数尾を釣っていくのが理想的な釣り方です。
1度に複数尾を釣るためには、1尾かかったらすぐに上げてしまうのではなく、そのまま少し待ってみるのがおすすめ。
すると、連鎖するかのように次々と針掛かりしてくれることがあります。
サビキ釣りで釣れた魚の持ち帰り方
美味しく持ち帰るには「海水氷」を作ります。おすすめはクーラーボックスに入る水汲みバケツや容器をあらかじめ用意しておき、そこに氷と海水を入れて海水氷を作る方法です。そして寄せエサを使うサビキ釣りでは、最後に釣り場をきれいに海水で流して帰ることを忘れずに!
魚の持ち帰り方
- クーラーボックスに入る容器を準備しておき氷を入れる
- そこに海水を注ぎ、釣れた魚は冷たい海水氷ですぐに締める
- そうするとクーラーボックスが汚れず他の飲料水やお弁当も一緒に入れておける
【Q&A】サビキ釣りについて多い質問
以下では、サビキ釣りについて多い質問・疑問に回答します。
- 釣れないときはどうすればいい?
- 釣り場でのマナーやルールは?
- 魚の持ち帰り方は?
Q. 釣れないときはどうすればいい?
サビキ釣りで魚が釣れない時、その原因は色々ありますが、最も多いのはその釣り場にそもそも魚が居ないということです。
サビキ釣りは魚さえ居れば高確率で釣れてくれる釣りなので、釣れない時には場所を移動するのがおすすめ。
釣具屋さんやSNSで釣れている場所の情報を集め、実際にその釣り場へと行ってみればきっと釣れてくれるでしょう。
Q. 釣り場でのマナーやルールは?
釣り場では他人の迷惑になるような行動は絶対にしない、来た時よりも美しく、といった心構えが大切です。
とくにサビキ釣りのポイントとなる漁港は漁師さんの仕事場であり、遊びの立場である釣り人の迷惑行為で釣り禁止になる釣り場が年々増加しており、釣り人一人一人のマナーが問われています。
具体的には、以下のようなことが重要です。
- ゴミは必ず持ち帰る。使ったエサを放置しない
- 立ち小便や汚物を残さない
- 船や係留ロープ、陸上に置かれた漁具などの近くでは釣りを控える
- 迷惑駐車をしない
また、仲の良い友達とグループで来た際には、あまり大きな声ではしゃぎすぎないことが釣り場でのマナーです。
Q. 魚の持ち帰り方は?
サビキ釣りで釣った魚を持ち帰る際には、しっかりと冷やして持ち帰ることが大切。
小魚を1匹ずつナイフで締める必要はなく、氷と少しの海水を入れたクーラーボックスにそのまま入れる「氷締め」と呼ばれるやり方がおすすめです。
持ち帰る際に重たいようであれば、帰る直前に海水を捨てて、魚をビニール袋に入れて氷とともに持ち帰ると良いでしょう。
サビキ釣りに関するまとめ
サビキ釣りは初心者でも楽しみやすい、釣り入門にはピッタリな釣りです。
一年中、どんな釣り場でも楽しむことができ、動かし方や仕掛けの種類など実は奥深いのもサビキ釣りの魅力。
当記事では、サビキ釣りに必要な道具から、仕掛けの動かし方や釣れるコツまで詳しくご紹介していますので、ぜひ参考にしてください。