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編集部2022年2月17日

山梨県大月市/桂川 地元の名手に訊く!解禁初期のヤマメ釣り その1(全2回)

ヤマメ イワナ 河川・湖の釣り 全国おすすめ釣り場 渓流

中央道・大月ICから至近の山梨県桂川。毎春、訪れる釣り人は多いが、ヤマメの魚影も濃い。アユのトップトーナメンターで渓流も得意な地元の金沢辰巳さんに、人気河川で着実にアタリを得るコツを語ってもらう。

じっくり探ればアタリ頻発。甲斐の国、ヤマメ里の勘どころ

文◎金沢辰巳、写真◎編集部
こちらの記事は月刊『つり人』2018年4月号に掲載したものをオンライン版として公開しています。

中央道・大月ICから至近の山梨県桂川。毎春、訪れる釣り人は多いが、ヤマメの魚影も濃い。アユのトップトーナメンターで渓流も得意な地元の金沢辰巳さんに、人気河川で着実にアタリを得るコツを語ってもらう。

katsuragawa-keiryu (1)

金沢辰巳(かなざわ・たつみ)
地元大月在住の金沢さん。全国規模のアユ競技会で好成績を挙げる一方、ゼロ釣法による渓流釣りも得意

3〜4月の魅力

 私のホームグラウンドである桂川。本流と複数ある支流の下流部は、例年3月から放流魚も混ざりつつ、ピンシャンの幅広ヤマメが釣れる。時に40cmを超えるイワナ、野生化した50cmオーバーのニジマスも掛かり、本流ヤマメには解禁からローリングするものもいて油断できない。早い年には3月中旬、遅い年でも4月になれば深みにいたヤマメが瀬に入り始め、エサを追うようになる。桂川はアユもヤマメも流れがあればすべてポイントだ。解禁当初はヤマメも深みに多くいるのでトロ瀬、淵が中心だが、水が温めば瀬やチャラにもくまなく仕掛けを入れる。

katsuragawa-keiryu (2)人里が近い桂川だが川筋は谷底を縫うように流れる

 放流は広域になされているが、初期の実績ポイントとしては、本流は葛野川が合流する猿橋公園前(通称団地裏)や下流の鳥沢地区、支流なら笹子川の大月警察署裏(大月JCTやや上流)や葛野川のスーパー公正屋大月東店裏などが挙げられる。

katsuragawa-keiryu (6)本流下流部の鳥沢エリア。本流は早期から尺ヤマメもねらえる

katsuragawa-keiryu (13)「数をねらうならヒラタ、ピンチョロ」が金沢さんのイチオシ。早期は小石底の場所で、川虫採り網を構えて上流の石を起こして採れるヒラタ(オコシムシ)を採取。3月の春分あたりになるとオコシムシが徐々に採れなくなり、水も温みだすので岩盤に付くタイプのヒラタをタオルで撫で取る。4月になれば流れの脇や水溜りでピンチョロが採れる

katsuragawa-keiryu (14)タオルで採る場合は厚みのある毛羽立ちの多いものをセレクト。ヒラタの脚が引っ掛かりやすく、薄いタオルの3倍くらい採れて脚ももげずらい。竹のピンセットがあるとさらに傷めずに扱える

 

目印を生かしてナチュラルドリフト

 私が好きなのはエサ釣り。仕掛けの詳細は別項のとおりだが、上流部・下流部を問わず水中イトはナイロンの0.175号がメインで、太さ「中」の目印を4 個大きめに付ける。目印の役割は大きく、後述のイトを立てるため、あるいは水流に当てて仕掛けをナチュラルに流すためなど。目印は大きいほうが夕方見づらくなった時もストレスがなく、必要なければ現場でカットすればよい。

katsuragawa-keiryu (16)

 上流部の仕掛けは手尻トントン〜手尻プラス30cm。オモリはガン玉Bがメインで、ジンタン3号〜6Bくらいまで。ハリは渓流用細軸タイプの3〜5号を使う。

 中流より下流部を釣る時は、サオは長くなるが天井イト(3、4、5、6mの長さ違いを用意している)で調整。水中イト、目印、ハリは一緒。オモリはガン玉2Bがメインで、ジンタン3号〜ガン玉4B。手尻にオモリが来るようにし、オモリ下を30cm取るのを基準にしている。

 いずれにしても、流れがしっかりある場所では、ピンスポットに仕掛けを入れて底流れを外さず、なるべく長く流す。この時にイトと目印に風を当てるように意識し、「目印を立てて」ナチュラルに流している。穂先を先行させ、天井イト・水中イトが弧を描くようにするとよく、風が下流から上流に吹く時は釣り上る。反対に上流から下流に風が吹く時は、釣り下るほうがナチュラルに流しやすく釣果も上がる。

 また、風が強い時は4個の目印のうち3個を沈めて、水中での仕掛けの浮き上がりを押さえる。さらに風がない時も、オモリを軽めにしたうえで、目印を沈めて水流を当てることでナチュラルに流すことがある。流れが平坦で仕掛けが手前に寄りやすいポイントも、水中の目印に水流を当てることでなるべくナチュラルに流れの筋に沿って流す。

katsuragawa-keiryu (10)オモリは号数ごとに色を変えた絶縁ビニールテープ(緑、青、黒)を中に張って余分をカット。イトを傷付けず、動かす時も爪で楽に緩められる

katsuragawa-keiryu (8)支流と本流をハシゴしたこの日、サオは極細イトを扱える軟調子のシマノ『孤渓L(6. 1m)』(写真)のほか、ダイワ『マスターZERO センシティブ(6. 5- 7m)』、シマノ『カゲロウスペシャル(6. 5- 7 m)』を広さに応じて使った


katsuragawa-keiryu (9)エサのヒラタは釣り前に本流の岩盤帯で採取


katsuragawa-keiryu (11)仕掛けは0.175号の水中イトをメインに、天井イトの長さを変えた全長違いのほか、0.25号などの太めも少数用意している


katsuragawa-keiryu (12)ハリは渓流用の細軸タイプ

 

次回はねらいどころを解説します。ショボい流れが実は有望!?

山梨県大月市/桂川 地元の名手に訊く!解禁初期のヤマメ釣り その2

 

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