中央道・大月ICから至近の山梨県桂川。毎春、訪れる釣り人は多いが、ヤマメの魚影も濃い。アユのトップトーナメンターで渓流も得意な地元の金沢辰巳さんに、人気河川で着実にアタリを得るコツを語ってもらう。
じっくり探ればアタリ頻発。甲斐の国、ヤマメ里の勘どころ
文◎金沢辰巳、写真◎編集部
こちらの記事は月刊『つり人』2018年4月号に掲載したものをオンライン版として公開しています。
中央道・大月ICから至近の山梨県桂川。毎春、訪れる釣り人は多いが、ヤマメの魚影も濃い。アユのトップトーナメンターで渓流も得意な地元の金沢辰巳さんに、人気河川で着実にアタリを得るコツを語ってもらう。
金沢辰巳(かなざわ・たつみ)
地元大月在住の金沢さん。全国規模のアユ競技会で好成績を挙げる一方、ゼロ釣法による渓流釣りも得意
目次
- その1
- 3〜4月の魅力
- 目印を生かしてナチュラルドリフト
- その2
- 小さな流れにチャンスあり
ねらいどころ解説:小さな流れにチャンスあり
自分の場合、桂川なら200mもあれば釣るのに4時間ほど掛かる。フライやテンカラをやった人だと分かると思うが、ヤマメは相当浅い場所にもいる。水深が10cmもあれば充分。ちょっとした溝や石の陰になっていれば申し分ない。よい流れはエサもよく流れるので、1尾が釣られても次の1尾がすぐに入ってくる。そうして見ると、特に桂川ではヤマメが思っている以上に一面に入っているというのが実感だ。ただし、浅場はヤマメに気づかれやすいので立ち位置には気を配る。足もとにいたヤマメに走られると、その先のヤマメも食わないことが多い。また、渓流ではナチュラルに流すのを基本にしたうえで、ここぞというポイントの手前では逆引きや浮き上がりの演出を行なうが、ごく浅い流れでもこの操作が効くことがよくある。
多くの釣り人が通りすぎそうな支流の浅瀬を流すと一時の連発モードに
支流でサオを曲げた7寸クラス
あとは上流に行くほど、よい流れの場所にだけサオを入れて行く人が多いと感じる。だが、上流でもよさそうな流れはもちろん、〝ショボい〟場所もねらってみたい。たとえば、淵やトロ場の吐き出しに出てエサを食っている良型のヤマメを時々見かける。多くの人が気づかないうちに逃げられているのがこうした魚で、慎重にアプローチすることでたびたびよい釣果を得ている。また、滝壺や堰堤の白泡の下、滝の裏側、底がえぐられたセメントの下などは思い切って太仕掛けにし、長めのハリスと大オモリ、大きめのハリで入れ込めば思わぬ大ものが顔を出す。
誰もがねらう淵で魚がスレている場合、アタリが全く出ない時がよくあるが、この時は反対側に立ち位置を取ると当たる時がままある。さらに水中イトを0.125号くらいに細くして、オモリも軽めの3号くらいにし、沈み波からきれいに流れに乗せて流すとよく当たる。テンションが抜けて軽くなる時は、目印を沈めて送り込むとよい。
総論としては、深さがある場所と押しの強い流れでは、軽いオモリで流れの上っ面だけを流すのが一番アタリが出ない。底流れに入るまでに本命ポイントの半分以上を通過していたりするので、アタリが出ない時は迷わず1ランクまたは2ランク重いオモリを使いたい。ただし、大ものだけをねらうという場合を除いて、重すぎるオモリで底トントン一辺倒の釣りも釣果が落ちる。ポイントの見極め、正確なポイント打ち、底流れをキッチリとらえる釣りが必要だ。硬軟自在の釣り分けで、早期から数釣れる首都圏屈指のヤマメフィールドを楽しんでもらいたい。
開けた流れをじっくりさぐるのも楽しい
●管轄漁協:桂川漁協(☎0554・63・0083)
●解禁期間:3/1(午前5時)〜9/30
●入漁料:日釣券1000円、年券5000円(※2022年の情報です)
●交通:中央道・大月ICからR20を利用して各ポイントへ
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