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編集部2022年2月23日

渓流釣り/渓で注意すべき生き物 その1(全2回)

ヤマメ イワナ 河川・湖の釣り 魚種別釣りガイド 渓流

野遊び・山遊びの一種である渓流釣り。小さな虫から大型の野生動物まで、怪我の予防といざという時の心構えを、秋田県森林学習交流館インストラクターの菅原徳蔵さんに聞いた。

怪我の予防といざという時の心構えをご紹介

まとめ◎編集部
こちらの記事は月刊『つり人』2019年4月号に掲載したものをオンライン版として公開しています。

野遊び・山遊びの一種である渓流釣り。小さな虫から大型の野生動物まで、怪我の予防といざという時の心構えを、秋田県森林学習交流館インストラクターの菅原徳蔵さんに聞いた。

菅原徳蔵

2019-04-kiken (1)
イワナ釣り、山菜採り、キノコ採りなど、一年を通じて山の恵みを享受している菅原さん。あきた森づくり活動サポートセンター所長を兼務する

Q.01:マムシに注意

Q.川の入口でマムシ注意の看板を見ました。どんな場所が危ないのですか?

A.雨上がりの〝日なた〟は気をつけましょう。

 実は私もヘビが大の苦手です(笑)。ヘビに会ったら基本は遠巻きにして刺激しないことです。

 マムシは本来臆病で、近づくと確かにトグロを巻きますが、やむを得ず反撃してくるのは相手が体長の半分くらいまでの距離(目安として50㎝くらい)に入ってからと言われています。ですので、1 m以上離れていればまず噛まれることはないでしょう。

 注意したいのは6月頃から夏にかけての大雨が降ったあとの晴れの日です。日当たりのよい岩の上などに、日なたぼっこに出てくる個体をよく見かけます。たとえば先の見えないガレ場のようなところで高巻きするときに、岩の上に手をかけたところに運悪くマムシがいる……というような状況に注意します。また、暗い渓流の中で、よく日が差している岩場なども同様です。

 万が一噛まれてしまった場合には、応急処置をしたうえで、少しでも早く病院に行くしかありません。応急処置は少しでも毒を吸い出しておくほうがよいとされ、ただし口内に傷があると口で吸うのも危険なので、ハチ刺され用として販売されている吸引機(ポイズンリムーバー)があれば役立つ可能性は高いでしょう。

2019-04-kiken (2)マムシは臆病。本来は攻撃的ではない

 

Q.02:スズメバチに注意

Q.スズメバチが飛んできました。正しい対処法は?

A.しゃがんでやり過ごします。

 スズメバチには川での釣りの最中というより、実際は春の山菜採りや秋のマイタケ採りをする里に近い山でよく会います。マイタケが出るミズナラのうろなどには巣を作ることがあり、仲間からもそうした場所では刺されるという話を聞きます。スズメバチの天敵に、巣を払い落して食糧にすることもあるクマがいます。そのため黒っぽい服装に対しては攻撃的といわれ、私も山菜採りやキノコ採りでは、なるべく白っぽい帽子と白っぽい服を着るようにしています。また、羽音を立てて飛んで来た時は、手で追い払うと攻撃されたと思い、仲間を連れてきて猛攻撃をされたりするので、まずはしゃがんでやり過ごし、その場を静かに離れるようにします。そうすれば攻撃はされないでしょう。

2019-04-kiken (4)ミズナラはスズメバチのエサとなる樹液も出る

2019-04-kiken (3)マイタケの生えるミズナラのうろ(洞)

 

Q.03:クマに注意

Q.クマに出会ってしまったら、どうすべきですか?

A.冷静に対峙が第一。〝クマ避けスプレー〟の携行がおすすめ。

 近年、ツキノワグマによる事故のニュースがたしかに増えています。そして、重大な人身事故の大半は、クマに「出会ってしまった時」の対策が、ゼロの状態で遭遇してしまっていることにあるようです。クマ避け用の鈴を付けて音を出すなど、会わないための何らかの対策はやっている人が多いけれど、いざ本物に出会うと慌ててしまい、思わず背中を向けて逃げてしまう(=クマに最も襲われやすい行動)……というようなパターンです。

2019-04-kiken (5)会わないための対策だけでなく、万一の場合のイメージトレーニングも日頃からしておく

 いざという時、クマと対峙して冷静に距離を取れるか。慌てず、騒がず、クマと向き合ったまま静かに後ずさりして離れるのが基本中の基本です。そして、そういう場面でやはり有用なのがクマ避けスプレーです。〝武器〟を持っていると、そのこと自体の効果で、思っている以上に落ち着いた行動ができます。私は北海道のヒグマを含めて、山の中で野生のクマに何度か出会ったことがあるのですが、いずれも実際にスプレーを使ったことはないものの、いざとなれば撃退に役立つ武器を持っているという安心感のおかげで、冷静に対処することができました。

 特に小グマがいる母グマは逃げずに守ろうとする習性があります。その時、接近者に対しては吠えて威嚇してきます。この音が身体に響くような迫力のある低音なのです。もし武器を持っているという安心感がなかったら、本能的に背中を向けて逃げたくなるだろうと私も感じます。冷静に対峙せよと思っていても、なかなかできないものなのです。

 ナタなどは完全に接近戦になってしまった時に、最後の手段として役に立つかどうかというレベルの話なので、現実的にはクマ避けスプレーがやはり最大の武器です。そのうえで、あとはいざという時のイメージトレーニングを繰り返しておくこと。5mくらいに来たら1秒くらいぱっとスプレーし、鼻の敏感な相手がひるんだところで、またスプレーするなどです。せっかくの武器があっても、効き目が期待できない距離から噴射し尽くしてしまったらぐあいが悪い。なお、クマ避けスプレーには耐用年数がありますので、手もとのものの期限が切れたら、実際にスプレーしてみることをおすすめします。使用感を実際に体験しておくのはとても効果があります。

2019-04-kiken (6)

2019-04-kiken (7)クマ避けスプレーは国内外で効果が確認されている。使用期限の切れたものは練習用として活用するとよい

 

クマ対策の基本5カ条

クマ対策の基本5カ条をご紹介!

1.一人ではなく複数で行動する。

2.音で自分の存在をアピールする。クマ避け鈴、爆竹、笛など。

3.残飯や生ゴミは絶対に捨てない。穴を掘って埋めても掘り返されるので必ず持ち帰る。餌付いたクマは、人間に寄ってくるので危険。

4.臭いでアピールする。腰に下げる「蚊取線香」も有効。夏は虫よけとクマ避けの一挙両得のアイテムになる。

5.危険なクマ(人を恐れないクマ)の出没警報が出されている周辺には絶対に立ち入らない。

6.「クマ避けスプレー」を携帯する。1 ~ 5 はクマとの遭遇を回避する対策だが、近年、そうした対策をとっていても、危険な親子グマや残飯などに餌付いたクマ、人を恐れなくなった新世代のクマと遭遇し、人身事故を起こすケースが増えているのが理由。

 

後半はコチラからどうぞ!

渓流釣り/渓で注意すべき生き物 その2

 

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