コイ釣りバイブル
コイ釣りバイブル
つり人編集部=写真と文天高し 鯉肥ゆる秋。
今朝は見事な秋空が広がっていた。
昨日、一昨日のバサーオールスタークラシック2008の
余韻が心地いい。
食欲の秋、読書の秋ともいわれるが
秋といえば釣りである。
さまざまな釣りがハイシーズンを迎えるが
今すぐに行きたいのはコイ釣りである。
年間を通じて最も数が期待できるのが今なのだ。
そんなコイ釣りのベストシーズンに
満を持して発売になったのが
山本和由さんの書き下ろしである鯉釣りだ。

最新のボイリー釣法や昔からのダンゴ釣り
虫エサ釣りといった釣り方はもちろん
コイの生態やコイ釣りの歴史、世界のコイ釣り文化などにも触れている。
単なる入門書のはずなのだが
読み終えると感動で胸がいっぱいになるのはなぜだろう。
子どものころ
小西茂木さんの「淡水大魚釣り」を読んだときもジ~ンときたが
本書はそれに近いものがある。
いや、むしろコイ一筋という点においては
僕はこれ以上の書物を知らない。
コイ釣り一筋40年の山本和由さんは
国内だけでなく海外のコイ釣り事情にも精通している。
その山本さんのコイ釣りへの情熱が
ジワジワと釣り人の本能に訴えかけてくるのである。
本書の中で山本さんはこう言っている。
コイ釣りは5年やったら分かった気になる。
10年過ぎると天狗になる。
20年で自分は名手の域に達したと思い込む。
30年。自分の釣りをふり返り、柔軟な心で新たな出発ができるか。聞く耳を持たずの頑固な天狗になるか。分かれ目だ。
そして40年。コイ釣りが初めて、本当に分からなくなる。ただ、1年目と違うのは、水の底に何かが見えてくる。それがコイなのか、ただの石ころなのかは、まだ分からない。
秋のコイ釣りは、今が盛期である。
(山根)
2008/10/27