近年の猛暑で、アウトドアシーンでも注目を集めるようになった「空調服」。今回は実際に釣りでも使えるのか編集部で検証してみました。また、冷却効果を高める裏技もご紹介します。
近年の猛暑で、アウトドアシーンでも注目を集めるようになった「空調服」。今回は実際に釣りでも使えるのか編集部で検証してみました。また、冷却効果を高める裏技もご紹介します。
写真と文◎編集部
真夏の釣りは暑さ対策が必須
近年、夏の猛暑は年々厳しさを増しており、釣りを楽しむ方にとっても暑さ対策は欠かせないものとなっています。特に炎天下での長時間の釣りは、熱中症のリスクが高く、対策なしでは非常に危険。こまめな水分補給はもちろんのこと、日差しを避ける工夫や体を冷やすアイテムの活用が必須です。
そんな中、屋外での作業現場で普及している空調服が、釣りにおける新たな暑さ対策として注目を集めています。

空調服は釣りに使える?
空調服とは、服に小型のファンが取り付けられており、外気を取り込んで服の中に風を送り込むことで、涼しさを保つことができるウェアです。汗を強制的に蒸発させ、その気化熱を利用して体温を下げる仕組みで、夏の炎天下でも涼しさを保つことができます。
もちろん、この機能は釣りでも非常に有効。ただし、注意点もあります。釣りは水辺のアクティビティであり、波しぶきや雨などでファン部分が濡れてしまうリスクが常に伴います。電動ファンは水に弱いため、故障や安全性の観点から、できるだけ防水仕様の製品を選ぶようにしましょう。

空調服を編集部で使ってみた
昨年、つり人社と株式会社空調服のコラボで、釣り人向けの防水空調服を開発。その実力を確かめるべく、実際の取材で一日着用してみました。
当日は最高気温が30度を超え、日差しを遮るものがないボート上というタフなコンディション。しかし、日焼け対策の長袖長ズボンにも関わらず、服の中を風が駆け巡り、ほとんど暑さを感じません。
そして、最も驚いたのが「帰宅後の疲労感のなさ」。これまでは日の出から日没まで釣りをすると、帰宅後は疲労困憊で倒れ込むように寝てしまうのが常でした。しかし、この日は帰宅後も頭がクリアで、普通に仕事ができたのです。暑さで消耗するはずだった体力が、温存されているのをはっきりと実感しました。

一気にクールダウンする裏技も
近年、35度を超える「猛暑日」が当たり前となった日本の夏。空調服だけでも十分に効果的ですが、さらなる快適性を求めるなら、インナーにひと工夫加えるのがおすすめです。
例えば、水分で濡らすことで接触冷感効果を発揮するコンプレッションウェアなどを着込めば、汗の蒸発と合わせて気化熱効果がさらに高まります。これに冷感スプレーを組み合わせるのも涼しくておすすめです。
また、保冷剤ポケット付きのインナーベストも市販されており、これを着ることでファンが送る風が直接冷やされ、冷気が服の中を循環します。この「保冷剤活用術」は、釣りとの相性も抜群。釣りではクーラーボックスを持参する場面も多いため、予備の保冷剤を十分にストックしておけば、いつでも体を一気にクールダウンさせることができます。
空調服は、夏の釣りを快適にする強力な味方。この夏の釣行に向けて、ぜひ導入を検討してみてはいかがでしょうか。

