夏のサーフ(砂浜)で狙う、力強い引きと美味な身が魅力のターゲット、マゴチ。本記事では、この夏の好敵手をルアーで攻略するためのメソッドを、エキスパート・新保明弘氏の解説に基づいて紹介する。マゴチを釣るためのルアーアクションの秘訣、基本となるタックル、釣果に直結する時間帯の見極めなどを、初心者にも分かりやすく解説していく。
夏のサーフ(砂浜)で狙う、力強い引きと美味な身が魅力のターゲット「マゴチ」。本記事では、この夏の好敵手をルアーで攻略するためのメソッドを、エキスパート・新保明弘氏の解説に基づいて紹介する。マゴチを釣るためのルアーアクションの秘訣、基本となるタックル、釣果に直結する時間帯の見極めなどを、初心者にも分かりやすく解説していく。
写真&文◎新保明弘
ルアーでのマゴチ釣り
ヒラメと並び、サーフのルアーフィッシングの人気ターゲットにマゴチがいる。マゴチは「照りゴチ」といわれるほどに夏が旬とされる。ヒラメよりも高水温を好み、生息域は最深で30mほど。本州の中部以南に多く生息する。そのため、夏のサーフの「砂もの」の定番はマゴチ、冬から春先のターゲットはヒラメと大まかに区別される傾向にある。
砂地を好み、擬態し、目の前を通るベイトを捕食するのはヒラメと同じだが、ヒラメのように中層、表層のベイトフィッシュを浮き上がって捕食することは希であるため、底を中心としたゲームになってくる。
マゴチもヒラメと同様に、サーフに隣接した底が砂地の港や両岸が整備された河口部でねらうことができる。サーフよりも手軽な装備で臨めるのが魅力である。
マゴチ釣りのベストな時間帯
マゴチは暗い時間帯や夜間にヒットする確率がヒラメより高いため、より夜行性であるといえよう。特にマヅメ時が高確率だ。また、ヒラメよりも波に弱い傾向があり、穏やかな日和のほうがヒット率は高くなる。
河口部でねらう場合、マヅメ時がチャンスであることは変わりないが満月時は夜間でも活性が高い。潮回りとしては上げ潮時が流れも緩くなり、入り込んでくる海水に乗ってマゴチも活発に行動する。
マゴチ釣りのルアータックルを解説
サーフでのマゴチゲームに使用するタックルは9ftクラスのロッドに中型のスピニングリールを組み合わせ、メインラインにはPE0.8号程度を巻くのが標準的なセッティングだ。エギングタックルをそのまま流用することもできる。
ショックリーダーは底付近を重点的にねらうため、フロロカーボンの4号以上と若干太めにしておいたほうが無難である。ジグヘッドリグを使用していると50cmを超す良型のマゴチにリグを飲み込まれることがあるので、その点も安心である。
基本的な釣り方
サーフでねらうべきは、まず第一に「払い出し」と呼ばれる、沖へ向かう強い流れ(カレント)だ。この流れにはベイトフィッシュが集まりやすいため、マゴチも餌を求めて定位していることが多い。
港では常夜灯周りが夜間有望なポイントであり、昼間は船陰や港の出入り口の船道となる。
ルアーの種類とアクション
活性の高い状況でもヒラメのように水面近くのフローティングミノーに襲い掛かってくることは少ない。マゴチに絞ってねらうのであれば、シンキングミノー、バイブレーションプラグ、ジグヘッドリグを使用するのがいいだろう。
キャスト後、底を取ったらミディアムリトリーブ、ジグヘッドリグならばスローリトリーブする。ヒラメはそのまま巻き上げてねらってもバイトするが、マゴチは底を離れたがらないので、キャストした距離を3~5等分した目安でリトリーブを止め、カーブフォールさせて底を取るようにする。そうすることで、より底近くをねらうことができ、ヒット率も上がる。
もし、ヒラメと合わせてのヒットを期待し、フローティングタイプのルアーを使うのであれば、1m以上潜航能力のあるものを使用し、なるべく底近くをトレースしよう。その際、できれば波打ち際から10mほど沖でルアーが底に当たるようにねらうとよい。上を泳ぐルアーをマゴチが追尾してきて、底に触れる瞬間にバイトしてくることが多いからだ。そのため、波打ち際でルアーをピックアップする寸前にバイトして驚かされることもある。
港、河口部でのマゴチゲームは、ジグヘッドリグが使いやすい。水深にもよるが、ジグヘッドは7~ 28gでワームは3in前後を組み合わせる。また、ジグヘッドリグでは「ボトムワインド」といわれる釣り方も効果的で、ロッドをあおることで左右に激しく動くダート系のタイプを使用するのもおすすめだ。
ねらい方はサーフ同様にキャストしてから回収するまでに何回か底を取るようにする。ダート系のジグヘッドでねらう場合も小まめに底を取るようにし、底近くでアクションさせるように心がける。
※この記事は『海のルアー釣り入門』(新保明弘著/2014年出版)を再編集したものです。