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フナムシの恐怖

フナムシの恐怖

つり人編集部=写真と文

イギリスには
アームチェアフィッシングという言葉がある。

今日のような雨の日に
アームチェアに揺られながら
釣りの本を読んだり
釣りをイメージしたり
釣り談義に華を咲かせたりして
釣りを楽しむというわけだ。

夏の雨の日にオススメしたいのがコレ


また、ここ最近のバサーでは
水辺の怪談に収録された話の検証記事も載っているので
こちらもぜひ、ご覧あれ。

というわけで
「水辺の怪談」に収録するには至らないけど
身の毛もよだつぼくの小話をひとつ。



フナムシにまつわる話である。

ぼくはフナムシが苦手なのだが
急にダメになったのには一冊の本との出会いがあった。

本のタイトルや内容は忘れてしまったが
行方不明者を探しに山へ分け入るというシーンが
その本に書かれている。

捜索隊のひとりが
薄暗い沢の上流の方に倒れている人を発見した。
現場に近づくに連れて
倒れている人が動いているのが確認でき
捜索隊は一縷の希望を抱いた。

しかし
いざ、遭難者の元にたどり着くと
動いていたのは人ではなく
人に群がっていた無数のサワガニだった。

人肉をむさぼるサワガニの動きが
遠くからだと人が動いているように見えたのである…

その後、ぼくは
フナムシでも同様のことが起こりうることを知った。
というより、フナムシのケースのほうが多いらしい…。



すっかり前置きが長くなってしまったが
ここからがぼくの話。

昔、2日ほどの徹夜明けで
磯釣りに行ったときのことである。

磯釣りに行くと
飲まず食わずでひたすら釣り続けるのが
当時のぼくのスタイルだった。

しかし、その日は徹夜がたたってか
潮が止まった昼に磯の上で爆睡してしまった。

その日の釣果がどうだったかよく覚えていないが
帰りの運転中、妙に背中がチクチクした。

「カイ~の、カイ~の」
と、シートに背中をこすりながら
どうにか帰宅。

汗と潮まみれの体をすっきりさせようと
風呂場へ直行。

Tシャツを脱いだところで
カサカサという音とともに
視界の隅で黒い物体が動いた。

足もとでフナムシが長い触角をヒクヒクさせているではないか!!

「ウォ~!!!!」

と絶叫し、スリッパで連打。

ハァーハァーと息を切らせながら
チクチクしていた背中を鏡で見ると
20cmくらいの長さでミミズ腫れが走っていた。

フナムシは爆睡中の自分を食べようとしたのだろうか…。

以来、
ぼくはフナムシがまるでダメになってしまったのだった…
(山根)

2009/8/10

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