<img height="1" width="1" style="display:none" src="https://www.facebook.com/tr?id=170559842213036&amp;ev=PageView&amp;noscript=1">
編集部2023年5月25日

ティップランエギングの必勝法!アオリイカ釣りガイド|仕掛けや道具・釣り方などを解説

アオリイカ 船の釣り PICKUP 魚種別釣りガイド

ルアータックルでアオリイカをねらえるエギング。それをボートから行なうボートエギングのひとつがティップランです。先行者のプレッシャーを気にすることなく楽しめる、沖のエギングに入門してみよう!

ティップでアタリを捉える醍醐味

つり人オンライン=写真と文



 ルアータックルでアオリイカをねらうエギング。岸からだとアタリに恵まれないこともあるアオリイカの釣りですが、ボートから探る「ティップラン」スタイルのエギングなら1日10パイ以上も夢ではありません。ポイント選びも船長にお任せでOK、先行者のプレッシャーも気にすることなく楽しめる、沖のエギングに入門してみよう!

◆関連記事
ティップランロッドおすすめ人気ランキング19選



ティップランエギングの概要

 日本の伝統的な疑似餌である餌木を、ルアー用のタックルで操って主にアオリイカをねらう釣り方をエギングといいます。餌木はエビのようなボディーのお尻に、傘状にセットされたカンナと呼ばれるハリのある疑似餌です。魚のように口にハリをかけるのではありません。アオリイカはエサを食べるときに腕で抱き着いて襲い掛かるので、その腕にカンナを引っ掛けるのです。

10
魚と違い、ジェット噴射で竿先を引き込むファイトはとてもエキサイティング

  ボートからアオリイカをねらうエギングのひとつがティップランというスタイルです。一般的なエギングと違い、キャストせずにボート直下の深場を探ります。シャクリとステイを繰り返しながらアオリイカを誘うのですが、ステイの最中にロッドの穂先(=ティップ)が入ったり戻ったりするアタリが出るのがその名前の由来です。

 ねらう水深は15~40m前後。アオリイカが岸沿いから離れて深場に落ちる晩秋から早春までが盛期です。

 岸からのエギングでありがちなポイント開拓や先行者のプレッシャー対策など、釣り以外の部分で頭を悩ませる苦労もボートなら関係なし。乗合船のティップランならポイントも船長任せでOK。アオリイカをまずは1パイ釣ってみたい、というビギナーにもおすすめの釣り方です。

03-3
ボートから餌木でアオリイカをねらうスタイルなら、誰でも気軽に入門できる

ティップランエギングに適した竿とリールの選び方

 ティップラン用のタックルはティップでアタリを取る都合上、穂先に繊細さが求められるため岸釣りのエギングタックルを流用するのは難しいです。この釣りではティップが入り込むアタリだけではなく、ティップが戻るアタリが出ることも多く、手元に伝わってこないこともしばしばあります。ティップランに使われるロッドには、そのラインテンションの変化を視覚として伝えてくれる穂先と、シャクリを入れたときにしっかり餌木をダートさせられるパワーをもつベリー~バットが必要なのです。ほかのロッドではひとつテンヤ用などに近いですが、専用ロッドを選んでおくのがやはり安心です。専用ロッドの一般的なスペックは6ft~6ft台後半の長さで、L~Mパワーのスピニングモデルが多いです。

◆関連記事
ティップランロッドおすすめ人気ランキング19選

zushi (44)
ロッドには繊細なティップと、しっかり餌木のウエイトを乗せてシャクれるパワーも要求される

 合わせるリールは、ソルトウォーター対応のスピニングリール。大きさは3000番クラスがよいでしょう。

 メインラインはPEラインの0.6号が一般的。着底のタイミングを素早く察知するのが大切なので、10mおきに色分けされているタイプがおすすめです。これを200m巻いておきましょう。リーダーはフロロカーボン2~2.5号をひとヒロ前後接続しておけばOKです。

DSC_0112
リールは3000番クラスが扱いやすい



ティップランエギングの餌木の選び方

 ティップランには専用の餌木が発売されています。一般的な餌木はボディーの鼻先にラインアイがありますが、ティップラン向けに販売されている餌木はおでこの位置にラインアイがつけられているものが多いです。これはねらう水深まで素早くフォールさせるためにウエイトをヘッドに集中させつつ、イカを誘うステイ時の姿勢を安定させるための設計です。

b-02
b-06
写真はヤマシタのティップラン専用餌木「エギ王TR」。お尻につけられたフィンの効果で安定性が高い

 餌木のウエイトはねらう水深に加え、潮の速さや風の強さを考慮に入れて、必ずボトムがとれる重さを選ぶようにしましょう。フォール中から餌木に興味を抱いているアオリイカをヒットに持ち込むためには、着底直後に誘いを入れることが重要です。誘い方は後述しますが、着底を感じられない餌木ではアクションが遅れてイカに見切られてしまいます。そればかりか、根掛かりやオマツリの原因になってしまいます。

 初めにそろえるなら3~3.5号(25~50g)のものを各ウエイトにつき3色くらいずつ用意しておくのがよいです。また、餌木のヘッド部分に着脱できるオモリ(マスクシンカー)も販売されていますので、釣り場に持参すれば対応できる幅が広がります。

b09
b-14
「エギ王TR」にベストマッチの専用マスクシンカー。ウエイト各種にパープル、ホワイト、レッドのカラーがそろっているので餌木のカラーにあわせて選ぶことができる

 最後にカラーについて。餌木には豊富なカラーバリエーションがラインナップされていて、ビギナーは迷ってしまいがちです。地域によってとくに実績の高いご当地カラーもあったりするので、船宿に予約を入れるときにおすすめカラーを聞いておくのがよいでしょう。アタリが遠いときはカラーローテーションが有効です。釣りエサについて科学的に考察した書籍『釣りエサのひみつ』によれば、アオリイカは色彩を見分けることができないそうですが、その分明暗やコントラストを識別する能力が発達しているとのことです。ですから、餌木のカラーを選ぶときは、色の濃さの違いで水の色や濁り具合に応じたローテーションをしたほうが結果につながりやすいと思われます。

◆関連記事
魚の視覚と釣果の関係にせまる:アオリイカの餌木とクロダイの練りエサからわかること





基本の釣り方

 ティップランエギングの基本操作はフォール→着底→シャクリ→ステイの繰り返しです。それぞれ詳しく解説していきます。

フォール

 餌木についての項でも説明したように、フォールでは確実に着底の瞬間を察知しなければなりません。そのためには適したウエイトの餌木を選択することに加えて、フォール中のラインの挙動を注意深く見ておくことが重要です。

DSC_0166
フォール中はラインの動きをよく見ておく

 船は風で押されて流されていますし、海中は潮が流れています。ラインは流れに引かれるので着底と同時に糸の出が完全に止まることはほとんどありません。海中に引き込まれていくラインをよく見て、そのスピードが緩むタイミングを見つけてください。それが着底です。10mごとに色の変わるPEラインを使っていれば、見当をつけやすくなります。

 また、フォール時に余分なイトフケを出してしまうとオマツリしてしまったり、不意にティップに絡みついてシャクったときにロッドを破損させてしまう原因になってしまったりもします。フォール中は指でラインを軽く押さえて適度にブレーキをかけるようにしましょう。

シャクリ

 着底したらすぐにシャクり始めます。アオリイカに餌木を見切らせないためと、根掛かりを防ぐために、餌木がボトムについている時間はなるべく短くしましょう。着底したらその瞬間に余分なイトフケを巻き取ってシャクっていきます。

09

イトフケを巻き取ったら……

08-1
餌木の重さを感じながらシャクり上げる

 ティップランでは、オカッパリのエギングのような激しいジャークは必要ありません。海中の餌木を無理にダートさせる必要はなく、素早く上方向へ持ち上げるイメージ。ロッドで餌木の重さを感じながら3~5回前後シャクリを入れればOKです。

ステイ

 アオリイカのアタリはシャクリ後のステイ時に出ますので、ここがいちばんの集中しどころです。

 シャクリがアオリイカの興味を引くための演出だとすれば、ステイは無防備なエサの演出といえるでしょう。3~5回のシャクリが終わったらラインを張ったままロッドワークを止めてステイ。このときに餌木は水平方向へ移動している状態になります。

 ステイ時に餌木の頭が上を向いたり下を向いたりふらふらしてしまうとイカは警戒して離れていってしまいます。海中の餌木をどれだけ安定させられるかがヒットに持ち込むためのキモなのです。

06-1
餌木をなるべく安定させることがアタリを出すキモ

 大事なのはシャクった後にイトフケを出さないことです。出してしまうとシャクリで上を向いた餌木がお辞儀をしてしまうので、シャクった後はすぐに余分な糸を巻き取ってステイさせましょう。また、ステイ中のコツはロッドをがっしりとホールドしないこと。船の揺れがティップまで伝わってしまうと餌木も上下に動いてしまうため、自分の体でうねりを吸収するようにロッドは軽く持ちます。

 ステイがきちんとできていれば、たいていは5秒以内にアタリが出ることが多いです。渋いときでもステイは最長10秒くらいでOK。ティップの変化に集中しましょう。

DSC_1512
アタリは穂先に出ます。目で見て微妙な変化を捉えましょう

 アタリは手元まで伝わってこないことがあります。イカが上から餌木にアタックしてくればティップは下に引き込まれるのでわかりやすいですが、実は下から突き上げてくることも多いのです。その場合はラインテンションが抜けるだけなので手で感じることは困難です。このアタリが出ると、通常時は餌木の抵抗で少し曲がっているティップが戻ります。そのようすを目視で確認して即アワセを入れましょう。

 気をつけないといけないのは、パチン! といういわゆるパンチ系のアタリが出たとき。この場合は触腕の吸盤にカンナが掛かっていることがあり、その状態で無理にファイトをしてしまうと吸盤が取れて逃げられてしまいます。ドラグを緩めて焦らず慎重にやり取りをしましょう。

DSC_1575
ヒットしたイカはスミを吐きます。体にかけられないように水面で吐き出させてしまいましょう



予約、受付~出船の流れ


 ティップランもその他の船釣りと同じように乗合船が利用できます。はじめて乗合船を利用するときの予約方法や注意点はカワハギ釣りの入門記事でも紹介していますのでそちらもチェックしてください。

 ティップランの場合、アングラーは船の片側に並んで釣りをするケースが多いです。1隻で釣りができる人数がほかの船釣りよりも少ないため、かならず予約をするようにしましょう。

 予約の際は料金、駐車場所、集合時間、出船時間など一般的な確認事項に加えて、用意すべき餌木のウエイトやカラーも確認しましょう。またPEラインの太さも決められていることが多いです。

02-5
ティップランは乗合船のほか、仲間を集めて1隻を貸切るチャーター(仕立て)船も人気。ひとりでも出船してくれる船宿もあるのでウェブサイトや電話で確認してみよう

◆関連記事:船釣り超入門シリーズ
東京湾のマゴチ釣りを初体験! この道40年のマゴチ神に2倍釣るための極意を教わる!!
東京湾の餌木タコ(エギタコ)釣り編 餌木でタコを釣るための基本技
相模湾のキハダマグロ・コマセ釣り編 マグロと向き合うための準備と実践
東京湾のタチウオ・エサ釣り編
カワハギ釣り編

おすすめ記事

記事検索

  • 検索フィールドが空なので、候補はありません。

月刊つり人 最新号

つり人 2020年5月号

列島をゆるがすコロナウイルス。けれども、日増しに暖かくなる春の日を、じっと家にこもって過ごすのはやっぱり体によくない。その点、手軽な海の釣りは、風も気持ちよく、大人も子どもも、思い切り深呼吸しながら時間を過ごせる。ウミタナゴ、メジナ、クロダイ、カレイ、アオリイカ、カサゴ……。元気な魚たちが泳ぐフィールドで、がんばろう、ニッポン! そのほか、3名手の渓流解禁レポート、里川で見つかる美味しい道草、みちのくタナゴ旅など旬の釣り満載でお届け。