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大潮後のちゅうしお…!?

大潮後のちゅうしお…!?

つり人編集部=写真と文


バチ抜け地獄が終った勢いで
そのままアオリイカ地獄の編集に突入したA兄が
昼下がりにバサー編集部のバイト君と話していた。

こちとら、月刊つり人5月号の校正で
それどころではないのだが、
会話が断片的に聞こえてくる。

どうやらバチ抜けシーズンに突入した
シーバス釣りについて語っているらしい。

「あの運河で…、バチが…、そうですね…、ルアーは…
ライズが…、大潮後のちゅうしおでした」

会話はすぐに終わり
ふたりとも机に戻ったが
バイト君の最後のひと言に
「聞いてはいけないものを聞いてしまった」ような
妙な胸騒ぎを覚えた。

ちゅうしお…?

それって中潮(なかしお)だろ?

バイト君を呼び止めて確認しようかと逡巡。
すると、耳の奥で
「ええじゃないか」
という声が聞こえてきた。

「ええじゃないか」
たかが世間話だし

「ええじゃないか」
いちいち指摘するのも口うるさいオヤジと思われそうだし

「ええじゃないか」
校正でそれどころじゃないんだし…


ちらりとA兄を見ると
平静を装うとしているのが一目瞭然。

「いま、ちゅうしおって言いませんでした?」
「なんか、言ってたみたいだね」

やはり、A兄も
「ええじゃないか」
と聞かぬフリを決め込んでいたのだ。

きっとA兄は切り出すタイミングを逸してしまったのだろう。

ならば僕が…。

「きっキミ、ちゅうしおじゃなくて、なかしおだろ」
「あっ、はい、そうでしたスミマセン」

昔、BOOWYの布袋寅泰のことを
ぬのぶくろとらやすと覚えていた友がいたが
その友に間違いを指摘したときと同じくらいの勇気が必要だった。
(山根)


















2008/3/13

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