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つり人編集部2025年9月1日

これを読めば分かるメッキ釣りの基本【時期・ポイント選び・使うルアー・釣り方まで徹底解説】

ギンガメ…ロウニン…カスミアジ…etc. メッキと呼ばれるこれらの魚の幼魚はは表層や水面で食ってくるエキサイティングなターゲット。秋が深まれば水温も低くなる。そこで、出番が多くなるルアーがメタルジグ。東京近郊でも南方からの人気者は遊んでくれる!

ギンガメアジやロウニンアジといった、南方系ヒラアジ類の幼魚の総称が「メッキ」。これらの魚はルアーへの反応が抜群に良く、水面を割るトップウォーターゲームも楽しめるエキサイティングなターゲットだ。秋のハイシーズンを間近に、そんなメッキ釣りを存分に楽しむためのノウハウを紹介。ポイントの選び方から、有効なルアー、そして釣果を伸ばすアクションのコツまで、まるごと解説する。

文◎佐藤直樹
1980年生まれ。神奈川県在住で幼少から釣りに熱中。『全身狩漁本能』をモットーに常に魚を追い求めるマルチアングラー。テスター活動をしつつ、オンラインショップの運営もしている。
写真◎編集部
生態解説◎工藤孝浩(神奈川県水産技術センター 内水面試験場)

メッキはライトゲームの好ターゲット

釣り人の間で「メッキ」と呼ばれている魚は関東以南の比較的暖かい海に生息するアジ科ギンガメアジ属の幼魚の総称。「エバ」と呼ぶ地域もある。沖縄での呼び名は「ガーラ」。

成魚は春~夏に分離浮遊卵を産む。夏頃になると卵や稚魚が黒潮に乗って関東までやってくる。3cm前後になると沿岸に定着し、内湾や汽水域を中心に成長。大きくなると外洋を好むようになる。南方系の魚なので水温が20 度を下回ると極端に活性が下がる。また、海水温が下がる関東の海では冬を越せず死んでしまうため『死滅回遊魚』と呼ばれる。しかしなかには水温の低下で死滅せず、温排水によって冬を越し、5~10kgのGT(ジャイアントトレバリー)に成長する個体もいる。

メッキは肉食性で、ルアーに果敢にアタックしてくるため、釣りでも人気のターゲット。渓流用、メバル用などのライトゲーム用タックルで挑むことができるので手軽にチャレンジできる点も魅力だ。

メッキ

魚種の見分け方

ひと口にメッキといえど複数種が混在している。関東でよく見られる種類は、代表的なロウニンアジ、群れを形成しよく釣れるギンガメアジ、体色は青く黄色い胸ビレが特徴のカスミアジの3種類が多い。

ギンガメアジ(ギンガメアジ属)

生息域:若狭湾~山口県の日本海沿岸、津軽海峡~九州南岸の太平洋沿岸、九州西岸、伊豆~小笠原諸島、琉球列島。

体長:成魚は尾叉長90cm以上になる。

解説:ギンガメアジ属の代表種で、本属としては体高がやや低い。眼は大きく脂瞼(眼を覆っている半透明の膜)が発達する。内湾やサンゴ礁の沿岸域に生息し、ときに大群を成す。

ンガメアジ

ロウニンアジ(ギンガメアジ属)

生息域:茨城県~九州南岸の太平洋沿岸、九州西岸、伊豆~小笠原諸島、琉球諸島。

体長:成魚は尾叉長150cm以上になる。

解説:体は側扁して高く、頭部は張り出している。目の位置は高く、吻端よりはるか上にある。内湾やサンゴ礁などの沿岸に生息する。

ロウニンアジ

カスミアジ(ギンガメアジ属)

生息域:伊豆- 九州南岸の太平洋沿岸・九州西岸、伊豆- 小笠原諸島、九州列島。

体長:成魚は尾叉長60cmになる。

解説:口が小さく上顎の後端は眼の中央下に達しないこと、体側には細かな黒点と青色点がちりばめられ、生時に体の周囲や垂直鰭が青く輝き、胸鰭が明瞭に黄色いことから同族の多種と区別できる。内湾やサンゴ礁などの沿岸に群れで生息する

カスミアジ

メッキ釣りの時期はいつ?

海水温はだいたい一ヶ月遅れて季節が進むイメージ。そのうえで、おすすめできる時期は9~10月だ。魚も10~15cmに成長していて最も釣りやすい。群れがいれば数投で魚が追ってくることが多い。テンポよく各ポイントをチェックして群れを探していくとよいだろう。

11月になると、徐々に水温が下がり始める。河川の水温が20度を下回ると水温の高い海へ移動をする個体が増える。水温が下がると水深の深いポイントに固まり、表層のミノーやトップウォーターだけでは反応してこないことも多いので、ポイント、レンジを広く探っていく。また、朝夕の時合が重要で回遊傾向が強くなる。ナブラを見つけると爆釣できることが多い。

雪がちらつくこともある12月は海水温も下がり、シーズン終盤。そう簡単には釣れなくなるが、大型の漁港や、風を避けられる湾状のポイント、水路など、少しでも水温が高い場所や、さらに水深のある場所を意識して釣りをするとよい。広範囲を探ることができるボトムまで沈められる重めのルアーやメタルジグが効果的になる。

1月になるとほとんどのメッキは水温の低下に耐えることができずに死滅してしまう。温排水等で冬を越せるポイントがあれば唯一生き残れるスポットとなる。

このように、魚の成長と水温の変化に応じて、釣り方やポイント、ヒットパターンが変化していく。このゲーム性の高さもメッキ釣りの大きな魅力だ。

また、関東近郊では季節限定のターゲットだが、暖かい南の地域へ行けば一年中狙うことも可能。旅行や出張の合間に、パックロッド一本で挑戦してみるのも面白い。

メッキ釣りの風景

メッキ釣りで狙いたいポイント

メッキが釣れるポイントは時期によっても変化するが、ここでは季節を問わず基本となる場所を解説する。

漁港

メッキ釣りのポイント:漁港
潮通しのよい先端、船が通るために深く掘られている航路、魚が溜まる角、小魚を追い詰めやすいスロープ等も見逃せない。

砂浜(サーフ)

メッキ釣りのポイント:砂浜(サーフ)
波打ち際は漁港のスロープと同じく小魚を追い詰めやすい。沖に消波ブロックが入っている場所や不自然に波の立っていない深みは魚がとどまりやすいので狙い目。

河川・河口域

メッキ釣りのポイント:河川・河口域
堤防や護岸のエグレ、カケアガリ、サンドバー、流れに変化ができる橋脚周り、ベイトが豊富な流れ込みなどを選んで釣る。

水路・温排水の流れ込み

メッキ釣りのポイント:水路・温排水の流れ込み
排水に集まったベイトをねらって虎視眈々とフィッシュイーターが集まり居着くことがある。温排水であれば低水温期もメッキが狙える。

ゴロタ・石積み

メッキ釣りのポイント:ゴロタ・石積み
潮通しのよい角や地形変化のあるところ。小魚は身を隠しやすい根周りに留まる傾向にある。

最適なタックル

ロッドには渓流トラウトロッド、メバリングロッド、アジングロッドなどが流用されるが、使いやすいロッドの長さは6フィート~7フィート7インチまでで、やや張りのあるライトアクションのものがおすすめ。長いロッドを使うと飛距離を伸ばしやすいことはもちろん、沖のポイントでもスキッピングがしやすい。

メッキ釣りのタックル

リールは2000~2500番のハイギヤタイプのスピニングリールがよい。スピードのある誘いを多用するからだ。 

ラインは小型で軽量のルアーを扱いやすいフロロカーボン3~4ポンド。もしくはPE0.3~0.4号にフロロカーボンのリーダーを1ヒロ。FGノットを組むとガイド抜けがよくトラブルが少ない。

FGノットを綺麗に組む自信がない人は「第一精工 ノットアシスト 2.0」など補助してくれる道具をつかってみてもよいかもしれない。

使うルアーと釣り方

メッキは魚体に対して目が大きく、ターゲットを目でよく確認してから襲いかかる傾向が強い。動きも非常に俊敏で、ルアーをゆっくり引いていると簡単に見切られてしまうので、イレギュラーなアクションができる小型のルアーがオススメだ。トゥイッチなどのトリッキーなアクションを主体に誘うとよい。

メッキ釣りの定番といえば、捕食シーンを目視できるポッパーや連続トゥイッチすることに長けているシンキングミノーだろう。サイズは3〜5センチクラスを中心に、カラーはベイトに合わせるか、フラッシング効果が高いものが有効。小型メインの初期であればダート系のジグヘッドとワームも効果的なので、用意しておくといい。

メッキ釣りに使うプラグ
定番はプラグ系

メタルジグも便利

また、小型のメタルジグも有効である。飛距離が長いことはもちろん、よく沈むので幅広いレンジを探ることが可能。釣り人の操作しだいでさまざまなアクションをさせることができる所も魅力だ。よく使うアクションは主に2つ。1つはストップ&ゴー。沈んだ低活性のメッキに有効な方法で、効率よく探ることができる。ストップさせる前後のタイミングが食わせるきっかけを作る。

もう1つはスキッピング。ロッドを立て素早く巻くことによって水しぶきを上げながら水面を走らせ、ナブラや逃げ惑う小魚を演出する操作法だ。

メタルジグの操作方法はこれら以外のものも存在するが下から食い上がらせる誘い方がおすすめ。メッキは下に向かって捕食をすることが上手くないからだ。ワンピッチジャークを使うことも稀にあるが魚が溜まっている場所が局所的であるときにのみ使っている

その他にはブレード付きのメタルジグも有効。波動や煌めきで誘うことが可能でただ巻きだけで誘えるところも魅力。ただし、ブレードにミスバイトすることが多いので悔しい思いをすることも多い。

メッキ釣りに使うメタルジグ
メッキ釣りのメタルジグを使ったアクション
メタルジグでのアクション

この記事は月刊『つり人』2021年12月号に掲載したものを情報更新・再編集しています

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