鮮やかな体色と厳つい顔付きから「食べて美味しいの?」と訝しむ人も多いシイラ。だが、その身はクセのない淡泊な味わいで、さまざまな料理に合う。今回は下処理の注意点と、三枚おろしから皮の引き方、までを写真で紹介する。

写真と文◎月刊つり人編集部
1946年創刊の雑誌「月刊つり人」を始め、数々の釣りに関するコンテンツを作成してきたつり人社の編集部。
目次
釣ったシイラは持ち帰り方と下処理で決まる
シイラは夏から秋、海水温の高い時期によく釣れる魚。暑さの中で持ち帰ることになるため、釣ってからの扱いで味も安全性も変わる。
釣ったらすぐ締めて、冷やして持ち帰る
シイラは船上や足もとで激しく暴れるので、そのまま置いておくと身が傷みやすい。釣り上げたらできるだけ早く締めて血を抜き、氷を入れたクーラーボックスで冷やして持ち帰りたい。ヒスタミン中毒を引き起こす恐れもある赤身の魚だけに、たっぷりと氷を効かせて確実に冷却しながら持ち帰ろう。
夏は腸炎ビブリオに注意
シイラを捌く時に気をつけたいのが、腸炎ビブリオによる食中毒だ。腸炎ビブリオは河口や沿岸など海に生息する細菌で、海水温が20℃以上になると爆発的に増殖し、食中毒事例は6〜10月に集中する。これはシイラの好シーズンと完全に重なる時期だ。
他の魚でも警戒が必要な食中毒だが、シイラは海水温の高い表層を泳ぐ点や、特有の粘液によって調理時に菌を取り除きにくいことから、ひときわ注意を払いたい。
腸炎ビブリオは塩分を好み、真水に弱い。また4℃以下ではあまり増えず、60℃で10分加熱すると死滅する。家庭でできる予防法は次の点だ。
- 持ち帰りから保管まで冷やし続け、短い時間でも冷蔵庫に入れる
- ヌメリやウロコをしっかりと落とす
- 捌く前の魚の表面と、内臓を取ったあとの腹の中を、水道水の流水でよく洗う
- ウロコや内臓を取る「下処理」と、刺身を引く「生食用」で、包丁とまな板を分ける(または一度洗剤で完全に洗う)
- 加熱する料理は中心までしっかり火を通す
- 調理したらできるだけ早く(2時間以内に)食べる
- 魚を扱った手や調理器具はよく洗う
ヌメリとウロコをしっかり取って真水で洗う
下処理は、金属タワシなどでしっかりとヌメリとウロコを取り除いてから、内臓を取り除く。そのあと、頭を落とす前に、水道水の真水で体表やお腹の中をきちんと洗い流すことが重要だ。この下処理に使った包丁やまな板も、三枚おろしに入る前に必ず洗剤できれいに洗浄しよう。特に刺身で食べる場合は、工程ごとに調理器具をこまめに洗いながら進めたい。
シイラの三枚おろし
丁寧な下処理を終えたら、いよいよ三枚おろしの工程へ進む。頭を落としたら、腹側、背側の順に中骨まで切れ込みを入れ、片身ずつ切り取っていく。
皮の引き方と骨の抜き方
料理に使う前に皮を引き、身に残った骨は骨抜きで抜いておく。
料理に合わせた切り分けと、臭みを抑える塩の下ごしらえ
身は料理に合わせて切り分ける。塩を振って少し寝かせておくと、臭みと余分な水分が抜ける。出てきた水気はキッチンペーパーで拭き取っておこう。下ごしらえを済ませたシイラは、味噌焼きやムニエル、フライ、パスタなど、和洋どちらの料理にも合う。
※この記事は『つり人』2016年9月号に掲載したものを情報更新・再編集しています。




