果敢なチェイスを目視でき、小気味よい引きが楽しいのが日中のメバリング。メバル釣り歴50年という加来匠さんのおすすめはずばり、ワインドジグヘッドと土佐カブラを用いた釣法。この2種類があれば昼間のメバルに90%対応できるという。

解説◎加来匠
写真◎月刊つり人編集部
広島県広島市在住。1949年生まれ。瀬戸内海をはじめ全国各地のメバルを釣り歩いてきた。著書に『ライトゲームアカデミー』、『アジング・メバリング超思考法』、『アジング・メバリングがある日突然上手くなる』がある。
日中のメバリングの魅力!目視でポイントを探す
「メバリング」と呼ばれるメバルのルアーフィッシングは主に灯り着きの堤防で夜に行なわれるが、今回私がおすすめするのはデイゲーム。昼の岸辺では夜ほど大型は釣れにくい。基本的には15~20cm程度の小型中心の釣りになるが、何といっても春から初夏に掛けての明るく暖かい陽光の下で行なうメバル釣りには、視認性のよさも含めて格別の楽しさがある。
水色などの条件しだいでは群れを目視で捜せるし、場合によってはルアーに対する反応を確かめながら、捕食の瞬間すら目で捉えてやれるので、初めての方でも夜ほどは難しくないところが魅力的な釣り方である。基本はメバルがいる場所を目視で捜す。だからまず偏光グラスを用意したい。
メバルの群れを見つけるコツ
付き場の条件として最も有望なのは潮の本流がすぐ近くを流れる場所で、岩や消波ブロックや藻など何らかの隠れ場所が絡む所。そしてスズメダイや小メジナや豆アジなど小魚がたくさんいれば理想的だ。偏光グラスで海中をよく観察すると分かるが、真っ黒に見えるのはスズメダイで、白っぽい薄いグレーはだいたいメジナだ。
メバルは概ねその20~30cmほど下の水深で黒とグレーの中間色もしくは茶色のように見えるし、ルアーを通して付いてくるのは高確率でメバルだけなので比較的見つけやすい。慣れてくれば泳ぎ方やシルエットですぐにメバルだと分かるようになる。
岸際の中小型のメバルは、日中はプランクトンなどを捕食するために流下微生物がよく流れてくる潮(エサを運ぶ潮の筋)が通る場所に群れる。したがってエサがあまり流れてこない潮筋には群れない。
潮がよく動く時間帯をねらう
時合がハッキリした魚でもあるので、干満差の大きい海域では上げ潮五分から満潮までの3時間ほどに集中し、干満差があまりない海域ならとにかく潮がよく動く時間帯に集中したい。中小型が中心の釣りとなるので、サイズにこだわるのではなく、「小さな大もの」と呼ばれるメバルの小気味よい引きを味わい、海の美しさや魚の美しさを愛でるような余裕のある精神性をもって楽しんでほしい。
デイメバリングにおすすめのタックルと、2つのルアー
サオは2m前後のライトクラススピニングロッド(できればメバル専用品)で、2gのルアーをぶら下げたときに穂先が適度にお辞儀する調子のものが扱いやすい。
ルアーのおすすめは、ワインドジグヘッドにシャッドワームを組み合わせた仕掛けと、和式疑似餌である「土佐カブラ」を使った釣り方だ。この2種類のアプローチを用意しておけば、昼間のメバルには90%対応できるだろう。
使用するワームは2~3cmの小型の物。カブラも6~8号の小さめを使用する。釣りイトも見切られにくく潮に馴染みやすい0.5号くらいのナイロンラインを使用し、カブラやジグヘッドを潮に乗せて流しながら巻くようなイメージが大切だ。
リアクションバイトを誘う、ワームでの「ワインド釣法」
ジグヘッドとワームを使う場合は、リアクションバイトを誘う釣りがメインになる。そこで活躍するのが「ワインド釣法」だ。ロッドを上下にリズミカルに煽り、ルアーを左右へキレよく跳ねさせる。
このトリッキーな動きは、低活性なメバルの捕食スイッチを強制的に入れる力を持っている。
ジグヘッドは専用のものを使う
使用するジグヘッドは左右に飛びやすいように作られたワインド専用。重さは2gと3gの2種類だけで十分だ。手首でしゃくるだけでワインド専用ジグヘッドは左右に20cm程度ピュンピュンと飛んでくれ、充分魚を誘う動きになる。
ただし、事前に少し練習が必要な釣りでもある。まずは港内で足もとへ水深1mほど落とし込んでやってみてほしい。魚が多い場所では、メバルに限らずカサゴやソイ、小アジ、果てはベラやスズメダイまでワラワラと群がってくるはずだ。どのタイミングで食いついてくるのか練習がてらしっかり観察してみよう。
ワインド釣法の釣り方
実釣のコツとしては、流れの中へキャストして釣る場合、ハンドルを回しつつチョンチョンチョンチョンと四分の一回転に一回のシャクリを同時に入れるリズムで行なう。堤防際などサオ下に垂らして行なう操作は、ハンドルは巻かずにサオだけ動かす。チョンチョンと4回しゃくってはピタッと1秒止めるというリズムで繰り返す。
水面直下でも底付近でも有効な釣り方だが、カブラと違って釣れる魚は選べない。堤防にいるほぼすべての魚種がワインドダートに反応するので、特に海中視認性のよい昼の漁港では楽しい釣りとなる。
昼のメバル攻略に特化!土佐カブラ仕掛けもおすすめ
土佐カブラ仕掛けもデイメバリングでは有効な選択肢となる。この仕掛けでは不思議に高確率でメバルばかりが釣れる。
元来カブラによるメバル釣りの王道は「7~10連バリ仕掛け」だが、今回ご紹介するカブラメバリングは、カブラバリを1個だけラインに結び、キャストするための1.3g程度の噛みつぶしオモリや、専用のスプリットシンカーをカブラの40cmほど手前に打つだけのシンプルな仕掛けで行なう和洋折衷スタイルだ。
土佐カブラは銘柄も少なく地域的にも釣具店では入手が困難な場合が多いが、北海道から沖縄まで通用するとても優秀な和製ルアー。ぜひネットなどで「林釣漁具土佐カブラ」と検索して入手して頂きたい。メバルで使う号数は「6号と8号」の二種。
土佐カブラのセット方法
またカブラはセットの仕方が重要だ。オモリ部分に小さな穴が空いているので、必ず内側からラインを通し、結ぶのではなく外側へ「結びコブ」を作ってすっぽ抜けないように止める。つまりカブラは釣りイトに対してフリー(ラインスルー)の状態にすることが正しい。コレを外側から通したり結びつけたりすると動きが悪くなり釣果はかなり下がるので注意が必要だ。色は「ミドリ皮白毛」「オーロラ皮白毛」の二種を揃えたい。
ナチュラルなアクションが強み!クサフグ対策にも有効
カブラを推奨する理由はふたつある。ひとつは前述のように メバルを選択的に釣ることができる能力が非常に高いこと。もう一つは、メバルのエサがプランクトンの場合でも小さな幼魚の場合でも高反応が得られることだ。
カブラ自体は単体ではキャストできないほど非常に軽いが、シンカーから先のリーダー部で自由に動き、かつ水に濡れた際の魚皮と相まってなめらかなアクションをおこすのでとてもナチュラルにメバルを魅了する。
また、デイゲームに付きもののクサフグ攻撃に耐えられる強さも魅力だ。これがワームだと毎投ごとにスパッと食いちぎられるが、なぜかクサフグはカブラにはあまり反応しない。
土佐カブラの釣り方
釣り方はメバルが居そうな場所へ投げたら5秒ほど沈め、そこからゆっくりと見える位置(足下)まで巻くだけ。流れがある場所ではキャスト後下流へ流しながら半円状に巻いてくるが、この場合は仕掛けが浮き上がりすぎないようにオモリの重さと巻くスピードを調整する。
コツは1尾が釣れるまで立ち位置を変えながら扇状に探り、5秒でダメなら10秒沈めるなどして通すレンジ(タナ)を変えてみる。1尾釣れればたいていの場合同じようなレンジにいるので連発することが多い。
最大のコツは、ゆっくりと巻いてくる途中でチョンと小さなシャクリを入れてやることだ。これでカブラはその形状によりナチュラルかつイレギュラーなアクションを起こし、興味を持ってチェイスするメバルが反射的に食いつくのである。
※この記事は月刊『つり人』2021年6月号に掲載したものを再編集しています
