脂が乗って黄金色に輝く、東京湾の「金アジ」。その味に惚れ込み、店まで出した「釣りあじ食堂」店主・神山克也さんの釣行に密着。お店の仕入れとしてLTアジに通う腕前と、釣った魚を最高に美味しく食べるための「脳天締め」や「血抜き」の鉄則を公開します。

レポート◎月刊つり人編集部(アマノ)
1946年創刊の雑誌「月刊つり人」を始め、数々の釣りに関するコンテンツを作成してきたつり人社の編集部。
東京湾LTアジは初心者でも50尾、ベテランなら束釣りの手軽さ!
この釣りはアンドンビシにイワシミンチを詰めて、その先に吹き流しの2~3本バリ仕掛けをセットする、いわゆるビシアジと呼ばれる釣りです。
ただし、横浜沖では深いところでも水深が20mと浅いことから、オモリは40号、リールはカワハギやブラックバスに使うような小型ベイトリール、そしてサオもマルイカザオやライトゲームロッドを使い、通常のビシアジ釣りとは区別してLTアジと呼ばれています。
東京湾はアジの魚影も濃く、簡単なコツさえ抑えれば数釣りが狙えるほか、ライトな道具で釣りができるので、初心者にもうってつけです。
脂が乗って美味しい「金アジ」を求めて
今回のアングラーはこの釣りをこよなく愛する神山克也さん。実はこの方、自分で釣ったアジを調理して客に提供するという趣味と実益を兼ねた「釣りあじ食堂」(JR大久保駅南口から徒歩1分)のご主人。この日も釣ったアジをこのクーラーに満杯にして持ち帰り、夕方の開店に向けて、船宿から店へ直行していました。
「昔からアジが好きで長い料理人生活の中でたくさんのアジ料理を作ってきましたが、LTアジ船に乗って釣ったアジが見事な金色に輝いていて、しかもそれがめちゃくちゃ旨かったことから、思い切ってこの食材で勝負しようとこんな名前の店をオープンしたんです」
そう語る神山さんは22~25cmが中心のよく肥えたマアジを100尾以上釣り、そのほかにも150尾以上の釣果も叩き出す常連さんもいて、全くのビギナーでもレンタルタックルと船宿常備の完成仕掛けで50尾以上をキャッチするなどして早上がりしました。
釣果を伸ばすコツは仕掛けとタナ取り
神山さんは「船宿仕掛けは全長2mの2本バリと3本バリがありますが、おすすめはトラブルのない2本バリ。アンドンビシにはイワシミンチをぎゅうぎゅうに詰めるのではなく8割ほどにして、適度にパラパラと寄せエサの煙幕が出続けるようにします。タナは1日の中でもコロコロ変わるので船長のアナウンスを聞いてその都度変えましょう」とアドバイス。
今日は後半にアジの群れがとても浮いて、底から6m以上浮かせた人は良型をバタバタ釣って、昼前までと同じように底べったりを釣っていた人は数を伸ばせられませんでした。
また、常連さんのタックルほどライトでショートなのにも驚きました。やや長めでやや胴に入るサオは向こうアワセで掛かったアジや不意の大ものに対応できるものの、サオ頭常連の方たちは食い込む前の小さな触りのようなアタリにも積極的にアワセを入れることで上アゴの真ん中にハリを貫通させてバラシを減らす果敢な攻めの釣りをしていました。
連日、好釣果に沸く東京湾のLTアジ。脂が乗りまくりで食べ応えも充分です。初めてならクーラーボックスだけ用意して、レンタルタックルと船宿常備の仕掛けでやってみるのもおすすめ。1度やってみて、自分に合うサオやリールを選んでみるのもいいでしょう。
釣った直後が勝負!プロが教える「締め」と「血抜き」の鉄則
自身のお店で、釣ったアジをお客さんに提供している神山さん。 今回は、そんなプロが実践する、アジを最高に美味しく持ち帰るための「締め処理」や「血抜き」の具体的な方法も聞きました。
| 脳天締めで即死させる | 暴れることによる旨味成分(ATP)の減少を防ぐため、目の後ろにある三角形の頂点(脳の位置)をピックなどで刺し、瞬時に絶命させます。 |
|---|---|
| エラ膜を切って血を抜く | エラ膜に包丁を入れ、エラを掴んで10秒ほど振ることで、心臓のポンプ作用や重力を利用して効率よく血を排出します。 |
| 氷水で身を芯まで冷やす | 処理後はすぐに氷水へ投入。30分ほど浸けて体温を下げ、身を締めます。冷やしすぎると目が白濁してくるので、その後は氷に当てないように保存しましょう。 |
動画でも解説中
下記の動画では締め方や捌き方、刺身用の切り方まで丁寧に解説してもらっています。併せてご覧ください。
