フライフィッシングに挑戦したいけれど、何から始めればいいか分からない。そんなビギナーにおすすめなのが、手ぶらで参加できる管理釣り場の「体験教室」です。今回は、同じく初心者の編集部員・アライが、奈良子釣りセンターでベテラン講師に教わりながらフライフィッシングに挑戦してきました。
道具の基礎知識から、ドライとニンフの使い分け、確実に飛ぶようになるキャストのコツまで、記念すべき「最初の1匹」を釣るまでのプロセスを、初心者目線の実釣レポート形式でガイドします。

講師・渡辺 勲(わたなべ・いさお)
写真と文◎編集部
奈良子釣りセンターのエリアマネージャーとして数多くの初心者にこの釣りをレクチャーしてきたベテラン。「まずは難しく考えずにフライフィッシングの門を叩いてみてください」と話す。
目次
手ぶらでフライフィッシング入門!管理釣り場の「体験教室」
近年流行中のエリアトラウト。釣り場を回ってみると、フライフィッシング可のエリアでも圧倒的に多いのはルアーマンです。フライはルアーと比べてキャストに技術が必要だし、道具立ても独特でハードルの高さを感じてしまいますが、フライでトラウトをねらうのはこれ以上ない趣があり憧れを抱いている人も多いはず。
実際、弊社のフライフィッシング専門誌『フライフィッシャー』の滝編集長は、未経験者がやってみたい釣りとして最もイメージしやすいのがフライフィッシングなのだと言っていました。
しかし、タックルと装備を揃え、キャストを習得し、渓流に入り……と魚を手にするまでの道のりはかなり遠く感じてしまうのも事実です。
そこで、管理釣り場で始めてみることをおすすめします。管理釣り場ならアクセスも簡単でウエーダーも必要ないから装備も最小限でOK。ハードルの2つを一気にクリアできるから「いつかはフライでトラウトを……」と思っている人も次の週末にすぐ行けます。なんなら明日でもいいでしょう。
道具もウエーダーも不要!「奈良子釣りセンター」のビギナーコース
そして、そんな人におすすめなのが、入門教室のプログラムを受けられる管理釣り場です。中央道で都内からのアクセスも良い大月市の奈良子釣りセンターもそんな釣り場のひとつで、タックルのレンタルと座学・実技のレクチャーを通じた3時間のビギナーコースを受講できるのです。
正直なところ私(編集部アライ)は、レンタルタックルを借りてもそれをうまく振れないと気恥ずかしいし、最悪の場合他の釣り客にフライをぶつけてしまうことまで考えてしまい、管理釣り場でさえも二の足を踏んでしまっていました。だからこそ技術の確かな先生に教えてもらえるのはありがたいのです。講師を務めてくれるのは奈良子釣りセンターのエリアマネージャーである渡辺勲さんです。
基礎から学べる!フライフィッシングのタックルと必須アイテム
まずはレストハウスの中での座学からスタート。ホワイトボードを使い、フライの種類とそれがイミテートしている昆虫の種類、タックルの構成やそれぞれがもつ機能などを教えてもらいました。
フライライン
タックルを組むにあたって最初に決めるのはフライライン。フライラインのサイズ(太さ)は主に#1~15までありますが、渓流や管理釣り場で使いやすいのは#3~5。やり込むには#4がよいですが、ビギナーがキャスト覚えるには重いほうが扱いやすいというわけで、実際に借りたタックルには#5が巻かれていました。
ロッド
ロッドはラインの番手に適合するパワーのものを選ぶのです(今回は#5)が、ラインをさばくため8フィート以上の長さが必要です。
リーダー・ティペット
フライラインの先に接続するのがテーパー付きラインのリーダー。長さは9フィートで、今回の組み合わせなら5Xという太さがマッチするとのこと。フライラインとはループ・トゥ・ループで繋げばOKです。
リーダーの先のハリスに当たるのがティペットです。これはナイロン素材で長さは5X~6Xという表記のものをセット。ルアーラインで言えば約3~4lbクラスの太さで、長さは1mです。
フライ
水面に浮かべて使うドライフライと、沈めて使うニンフを用意。フックサイズ#16~12のもので、ドライとニンフでそれぞれ2~3色のバリエーションを用意します。種類はドライならカディス、ダン、パラシュートと呼ばれるもの、ニンフはマラブーなど、定番とされるものを用意。マッチ・ザ・ハッチという言葉に代表されるようにその時々で食べている虫に厳密に合わせるイメージがありますが、魚の好みにも個体差があるので最初は難しく考える必要はないとのこと。ティムコが販売している完成品フライセットを買うのが確実でしょう。
フォーセップ
フライフィッシングの必需品その1。ルアーと違いフライを飲まれることが多いので「これを忘れたらその日はもう帰ろうかなと思う」と渡辺さんが言うくらいの必須のアイテム。
フロータント
ドライフライが浮力を失って沈んでしまうときに使う浮力維持材。スプレータイプとパウダータイプがある。ドライフライを使う際の必需品。
劇的に上達する!「キャストのコツ3ヶ条」
いよいよキャストの実技編。渡辺さんからは「まずは自分の感覚でロッドを振ってみて」とフライの結ばれていないタックルを渡されました。こんな感じかな? と振ってみるとフライラインがロッドにぶつかったり、前に飛んでもリーダーから先が伸びずに1ヵ所にクシャっと落ちたりしてしまいます。
意識すべき3つのポイント
それを見てもらったうえで、これを意識すれば劇的に改善するという3つのポイントを教えてもらいました。
- ロッドは12時で止める意識で振り上げる
- 振り上げたロッドをすぐに前に振らず一拍だけ間を置く
- 前へ振るときは力を抜く
これを心がけてロッドを振ってみると、ティペットの先までうまく伸ばして着水させられる割合がだんだん増えていきました。
「頭上でラインを何度も往復させて投げるイメージがあると思いますが、遠投の必要のないこういった釣り場では1回で撃ち返していくことがほとんどです。その毎回のキャストでいつも同じところに落とせるようになれば合格です」と渡辺先生。
釣り場に応じてフライを交換
先生にOKをもらえたところでフライを結んで実釣開始。奈良子釣りセンターには水温が上がりやすい止水のポンドもあり、ここではアントパターンのドライフライにマスが食いついてくれました。手もとのフライラインを、ロッドを持った右手の中指でブレーキしつつ、左手で手繰るファイトにドキドキです。
水面でのバイトを堪能したら、次はストリームエリアに移動。ここではニンフフライ(ビーズヘッドマラブー)を沈めてねらいます。沈めたニンフは見えないのでマーカー(ウキ)を50cmほど上にセットして流していきます。
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魚が溜まっている筋に撃ちこんでいると、流れに乗ったマーカーが不自然に止まったり引き込まれたり……アタリだ! アワセを入れて流れの中からもキャッチできました。うーん、フライフィッシングっぽい。フライラインが流れに押されて弛んでいるので、けっこう強めに合わせるのが良さそうでした。
奈良子釣りセンターではレベルアップのための「ステップアップコース」も受講可能。次回はぜひマイタックルを揃えて訪れてみたいです。
フライフィッシング情報充実のティムコ・ウェブサイトもおすすめ
フライフィッシングに必要なウエア、タックル、フライ、小物類まですべてを扱っているのがティムコです。道具を一式揃えるなら、まずここを見てから決めるのが最短コースと言えるでしょう。
ショッピング機能はもちろん、入門記事や動画コンテンツも豊富で、同社が主催するスクールの申し込みも可能です。初心者の参考になる情報が満載ですので、ぜひチェックしてみてください。
釣り場ガイド:奈良子釣りセンター
・公式サイト:https://www.narago.jp/
・住所:山梨県大月市七保町奈良子10 番地
・営業時間:6:30 〜17:00
・料金:一日券5500 円(大人)、4500 円(女性・中学生)、3500 円(小学生以下)。半日券4200 円(大人)、3800 円(女性・中学生)、3000 円(小学生以下)
・体験コース:ビギナーコース(月・火・水、それ以外は要相談)1名7800円。電話にて要予約。釣り3 時間。レクチャー・道具レンタル・釣り料金込み。ステップアップコースは1名6000円(要予約)
・アクセス 中央道・大月IC を降りR20 を東進。高月橋入口のT 字路からR139に入り、5.2km道なりに進んだところの三叉路を看板を目印に左折して約2.5km

