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Basser編集部2025年8月29日

【一瞬の思い出を、かたちのある一生の宝物に】釣りの思い出を“紙の写真”で残す、という贅沢

ルアーを作っていると、特定の機能やアイデアが本人も想像しない形で降ってくる瞬間があるという。大きな羽、ジョイントボディ、特徴的なテール……。今回紹介するクローラーベイト「オッタークローラー」も、そうした複雑なパーツの組み合わせが生み出す強烈なアピール力で、唯一無二の存在感を放つルアーだ。本記事では、このユニークなルアーの誕生に隠された開発秘話をお届けする。

「疑似餌で魚を釣る」たったそれだけのはずなのに、のぞき込んでみると極めて多様で奥行きがあり、様々な味わい方できるのがバスフィッシングだ。そんな素晴らしい趣味をがっぷりよつで楽しむ人に出会った。九州を拠点に「スキルフル」を手掛ける岡本巧さんである。

写真と文◎Basser編集部

「貧すれば鈍する」

こんなことわざがある。人間は貧しくなったり余裕がなくなると精神までもが鈍ってしまい、自由な発想や正しい行動が取れなくなったりする、という意味だ。

これはバスフィッシングにも通じる部分があると思う。釣果をあげることが難しくなり、釣り禁止などでフィールドそのものも減りつつある。釣りだけでなく日本全体も様々な意味で簡単ではない状況になっている。そんな状況で、我々は「貧すれば鈍する」に陥っていないだろうか。

だからこそ、バスフィッシングの豊かな楽しみ方を今いちど思い出したい。それを改めて考えるきっかけをくれたのが、「スキルフル」の岡本巧さんだった。

岡本さんの職業はルアービルダーである。バルサに近い浮力を確保しつつ、ウッド素材よりも量産が可能な発泡ウレタンを用いたルアーが特徴で、クランクベイトを中心にトップウォーターなども手掛ける。

現在は個人ではなく、ヒューマンフィッシングカレッジの後輩である若者2人を雇い、社員3人チームで製作を行なう。型への素材の流し込みや取り出したモックのバリ取りは後輩に任せ、岡本さんは主に開発と塗装を担当している。見た目こそポップでかわいげのあるスキルフルのルアーは、その性能から多くのファンを獲得。安定した生産とバラつきがない高い品質から、これまでいくつものルアーのOEM生産やメーカー・小売店とのコラボモデルも依頼されている。

スキ
ルフルのルアー制作風景
発泡ウレタンという、高浮力で均一なクオリティを保ちやすく、なおかつウッドに比べて生産量を増やせる素材を使ったルアーがスキルフルの真骨頂。現在は岡本さん含め3人のメンバーで稼働中

福岡の古民家に作り出された世界

記者が岡本さんを訪ねたのは8月上旬。空港まで迎えに来てくれた岡本さんは、私を工房まで連れて行ってくれた。

市街地を抜けて山道に入る。しばらく走ると、工房は緑に囲まれた風景の中にあった。畳のにおいがするその古民家は、かつて祖父母の家に来たときのことを思い出させた。ガラガラと戸を開けると、岡本さんの趣味全開の世界がお出迎え。客室兼休憩場所として使っているという部屋には、ルアーやタックルだけでなくバス関連の書籍やグッズ、懐かしのアパレルなどあらゆるものがディスプレイされている。「ルアービルダー・岡本巧」を取材しに来たはずが、ついつい昔のタックルや釣り雑誌を肴にトークが脱線。長時間居座ってしまった。水辺に行かなくとも、濃厚なバスフィッシングに浸ることができたのだ。

岡本さんの工房2

岡本「こんな仕事(ルアービルダー)をしているくらいなので、『モノ』が好きなんでしょうね。だから、僕はルアーだけでなくそれが置かれる場所にもこだわりたい。イベントでも長机の上に無造作に並べるだけっていうのは嫌だし、販売に関しても『こういうお店に自分のルアーを並べてほしい』というのもあります。趣味でグッズを集めるのはもちろん、古民家の増改築といったDIYも自分でやってしまいますし、Basserなど紙の雑誌を買って読むのも大好き。釣りにまつわることや空間は、自分の好きなものや世界観がしっかり反映されているものにしたいと思ってます。その方が、バスフィッシングが楽しくなるじゃないですか」

岡本さんの工房

思い出は紙の写真で遺す

そんな岡本さんの世界に、一昨年とびきりのアイテムが追加された。2023年、弊誌のハネモノ特集号で取材を受けた際の、自身の写真である。

岡本「長くBasserを読んでいる人間やアングラーなら誰もが『いつかあの人に撮ってもらいたい』と願う、フォトグラファー・津留崎健さんの写真です。実は、あの取材のときにカメラマンさんが同行するとは聞いていたのですが、まさか津留崎さんとは……。現場でそれを知ってびっくりしました。とんでもない豪雨の中での撮影だったのですが、それでも素晴らしい写真を撮ってくれて、夢がひとつ叶いました」

当時の誌面の巻頭を飾った岡本さん。しかし、どうしてもやりたいことがあった。せっかく撮ってもらった思い出の写真を閉じた雑誌の中だけで終わらせるのではなく、いつでも目に付くところに飾りたいと思ったのだ。岡本さんは個人的に津留崎さんにコンタクトを取って写真を7枚購入し、うち1枚を額装。その宝物は、工房玄関の一等地を独占している。

岡本「ひとりで釣りをしていると、スマホの自撮り以外で自分の釣果や釣りの姿を記録できることってなかなかないと思うんです。だからこそ、友人やガイドさんとかと釣りに行った際はもっと積極的に写真を撮ってもらったほうが良いと思うし、ましてやそれがプロのカメラマンさんとなれば一生モノじゃないですか。僕はそれを手触りのあるものとして残して、いつでも見てニヤニヤできるところに飾りたいと思ったんです。スマホが普及してから写真を紙で現像する機会は減っていると思いますが、やっぱり紙の写真はいいです」

岡本さんが写真のプリントや額装に使用したのが、写真にまつわるあらゆるサービスを手掛けるアフロが提供する「アフロプリント。写真のプリントだけであれば、データを専用サイトにアップロードするだけで完了(10~14日でお届け)。紙にはルーブル美術館が採用するフランス・キャンソン社製の最高級ファインアート紙を採用している。額装は、52種類から選択でき、オーダーメイドも可能。自宅の部屋やインテリアに合わせるにはどんなパターンがいいか、コーディネーターが丁寧に対応してくれる。料金は1万1000円~(送料別)。

・アフロプリント公式サイトはこちら

アフロでプリントした写真

※このページは『Basser 2025年10月号』を再編集したものです。

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