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つり人編集部2025年7月19日

【アシストフック完全ガイド】メーカー担当者に教わるジギングフックの選び方とセッティング

フィールドの拡大に伴いますます入門者が増えていきそうなイカメタル。船からのイカ釣りは電動タックルと長い多点仕掛けが大きな障壁になっていたが、この2点を解消したイカメタルなら誰もが手軽に挑戦しやすい。今回は首都圏からもアクセスしやすい沼津でイカメタルに挑戦。当日はあいにくの雨模様となったが、シップスマストの完全防水ウェアに身を包み、ムギイカ(スルメイカの若イカ)の攻略に挑んだ。

オフショア用のジグは通常フックなしで販売されており、釣りをするには別売りのアシストフックを用意する必要がある。どんなフックを選べばいいのか?その基本をフックメーカーのジギングフリークに訊いた。

解説◎藤岡裕樹(オーナーばり

アシストフックが刺さる仕組み

ひと口にジギングと言っても対象魚はいろいろですから、まずは基本となるイナダやワラサといった50~60cmクラスの青物をねらうケースを想定してジグとフック選びを説明しましょう。

このクラスの青物ねらいで一般的に使われるジグのサイズは150g前後です。ねらう海域の水深や潮の速さによっても変わりますからジグのサイズは船宿が指定してくれます。予約の際に確認して準備するのがいいでしょう。

ジギングでは普通のルアーフィッシングと違い、トレブルフックではなくアシストフックをセットします。アシストフックはシングルとダブルがあり、ジグのフロントかリア、または両方にいずれかをセットします。イナダやワラサであれば、シングルなら#4/0~5/0、ダブルなら#3/0~4/0のサイズがマッチします。

組みイト(アシストライン)でジグから離れているので一見フックアップしにくそうに見えますが、魚が食いつくときにジグより軽いフックが口に吸い込まれ、そのまま魚が泳ぎ続けるとフックがカンヌキ部分に刺さります。これが理想的なフックアップのメカニズムです。

ブリ

ジギングのスタイルごとに最適なアシストフックが変わる

フックのセット方法やフックの番手選びで考慮すべきファクターはさまざまありますが、前提としてジギングのスタイルの違いを押さえておくことが必要です。つまり、ワンピッチジャークなど、テンポの速いハイピッチなジャークで上方向に誘っていくスタイルなのか、スローピッチジャークなどフォールを主体として誘っていくスタイルか、です。その日の状況に応じて、どちらの反応がよいか探りながら試しましょう。バス釣りでいえば、巻き物で探るかワームで探るかという違いに似ています。

ハイピッチジャークは比較的水深が浅い海域でレンジを広く探るときにメインになり、水深80mくらいまでの沿岸海域の青物ねらいではこちらが基本になる場合が多いです。ジャーク時にジグがスライドするアクションで魚の興味を引き、その間で食わせるスタイルですから、ジグは滑走幅が大きくなるロングジグやセミロングタイプが適しています。ジグの重心が中央付近になるセンターバランスのセミロングジグならフォール時にもアクションするので、フォールを織り交ぜる誘いにも対応可能です。これから始める人はこのタイプを使うのがいいでしょう。

スローピッチジャークはジャークの合間にイトフケを作ってジグをフォールさせます。潮が複雑で、速いジャークではジグにアクションをつけにくい場面や、青物でもボトム付近の狭いレンジを好むカンパチねらいなどでメインになります。海域によってもこちらがメインになることがあって、たとえば私のホームの明石海峡は潮が非常に速く、流されるベイトを待ち構えるように捕食しているブリをねらうときにはフォールで食わせる釣り方が有効になります。センターバランスのセミロングジグのほか、幅広ボディーでイトフケを出すとヒラヒラとアクションするフォール特化型のジグなどが使われます。

小~中型青物までは細軸・大型魚なら太軸

青物ねらいではフロントにシングルまたはダブルでセットするのが基本となります。1.2~2号のPEラインでねらう60cmくらいまでの若魚なら、ファイトはそこまで強くありません。

「ジガーライト」シリーズなど、軽いぶん吸い込まれやすく、貫通力も高い細軸のフックがよいです。フックアップ率を高めるためにダブルで使われることが多いです。ハリ先が2本同時に掛かると2倍のフッキングパワーが必要になり刺さりきらないリスクが生まれますが、細軸であればそこまでデメリットになりません。

PE3~5号が必要な5~10㎏クラスの魚になると、細軸では伸ばされる不安が出てきますし、フックが軽いとアタックされたときにハリが飛ばされて口の中に入らないことも頻発するため、「ファイアフック」「ジガーミディアムチェイス」などある程度軸が太めのフックをシングルで使います。PE5号以上でねらう大型魚は「ジガーヘビー」などさらに強く太い軸のフックが必要となります。

誘い方で変わる取り付け位置

ジグのリア側にもフックを付ける場合もあります。例えばフォール主体の釣りをするとき。リア側に水の抵抗を受けるフックがあることで、ラインを緩めたときいち早くジグをフォールアクションが生まれる姿勢にしてくれます。

また、青物に限らずジャークよりもリトリーブでねらいたい状況、ドテラの払い出す潮でジグが流されてアクションの緩急が生まれないときや、ブレード付きのジグを使うときなどですが、こういったケースではチェイスして後ろからくわえるバイトも捕るためにリアにフックをセットします。

組イト(アシストライン)の長さ

組みイトを含めたアシストフックの全長は使用するジグの約1/3となるよう選ぶのが一般的です。ねらう魚のサイズに応じて、口先からフックを掛けたい場所(カンヌキ)までの長さも考慮するといいでしょう。

ジグとフック

また、ダブルタイプのアシストフックは組みイトの長さが揃っているものと段差になっているものがあります。同じ長さのものは2本同時に掛かったときにアワセが決まりにくいですが、魚の活性が高く、順調に釣れているときには釣果を伸ばしやすい傾向があります。段差タイプは片方ずつハリが刺さるので貫通させやすくバラシが少ないです。

アシストフック2

ここでは沿岸域のイナダやワラサを念頭にフック選びとセット方法の基本を解説してきましたが、もちろん対象魚によっても変わってきますし、フックの形状による効果の違いもあって奥が深い世界です。対象魚ごとのセッティング例も作ってみましたので、ぜひ参考にしてください。

ジギング用フック(ジガーライトシリーズ)の形状による特徴比較

ジガーライトシリーズの形状

(写真上・左から)

ジガーライトホールド:他のルアーと比べて重いジグは魚が暴れた際にハリが外れやすい。ベンドに角を設けて魚の口をしっかりホールドするための形状。スローな操作で繊細に食わせたい時に

ジガーライト早掛:ハリ先がストレートでやや開いており魚の口を捉えやすく激しい操作に。しっかり掛けるには強いアワセが必要なところ、抵抗が少ないロングテーパーのハリ先でそれを補っている

ジガーライトシワリ:アタリを感じてアワセを入れることが難しいフォール中のバイトに対応する形状。ハリ先がカーブしてチモトを向いているので、ジグの重さ程度の少ない力で刺さり込んでくれる

ジガーライトサーベルトリガー:サワラやタチウオなど歯が鋭い魚に組みイトを切られないためにシャンクが長い形状。早掛け性能も高い

対象魚ごとのセッティング例

(写真下・上から)

ブリ類・カンパチ・ヒラマサ用:センターバランスのセミロングジグ180g+ファイアツイン150g用(#5/0)。青物ねらいで汎用性が高いセッティング

スローピッチジャーク用:フォール対応センターバランスジグ200g+ジガーミディアムツインチェイサー#5/0。フォールで食わせるためのフロント&リアへのセット

ヒラマサ用:ロングジグ150g+ジガーミディアムブルーチェイサー#9/0。ワンピッチジャークで滑走幅を広くとれるロングジグに中太軸フロントシングルフック。大型魚に対応

ヒラメ・根魚用:フォール対応センターバランスジグ180g+ジガーライト段差早掛#3/0。ねらうレンジが狭くフォール主体の釣り。ストレートなハリ先と段差の組みイトによって触れたところに即掛かりしやすい

中深海アカムツ用:フォール特化型ジグ300g+レーシングスペックプロツイン#3.5/0。アワセが効きにくい150~400mの水深でもハリ掛かりしてくれる細軸フック。長距離を巻き上げてくるためバレにくく設計されたフック形状

ブレードジギング用:タングステンジグ100g+ブレードスピンダブル。マダイやサワラなどをリトリーブで誘う釣り方。あえて2本のハリを同時に掛けるための幅の狭いダブルフックで、そのねらいは強烈に流れる潮の抵抗を受けても身切れを防げるホールド力

対象魚ごとのアシストフックセッティング例

※このページは『つり人 2025年8月号』を再編集したものです。

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