もともとは天ぷら用に背開きにして冷凍しておいたハゼを利用した料理です。天ぷらは美味しいですが、いつも天ぷらだと飽きもきます。そこでちょっとスペイン風にアレンジしてみたのが今回のアヒージョ。簡単レシピでワインが進む逸品に!
晩秋から初冬は多くのキャスターが待ち望んでいた乗っ込みガレイの好シーズン。あのずっしりとした独特の引きや重量感を存分に楽しみたい。今回はそんなカレイの投げ釣りの基本と、攻略のコツを徹底解説する。
解説◎山崎憲二
乗っ込みガレイの投げ釣り
筆者のホームグランドである瀬戸内東部や大阪湾では、晩秋から初冬になるとそれまで少なかった投げ釣りファンが急増する。乗っ込みガレイが釣れ出すからだ。普段はあまり投げ釣りをしない人でもこの時期だけは投げザオを振るようになるし、サビキ釣りなどのサオ釣りとの二刀流スタイルで楽しむ釣り人もいる。
投げ釣り人気がピークだった40〜50年前は、休日の播磨灘や明石周辺、淡路島の防波堤、護岸、サーフではサオの林立が見られ、カレイねらいの好エサであるイワイソメ(当地ではマムシと呼ばれる)が不足する事態もよく発生していた。ポイントの確保の前にエサの確保に一苦労したものだ。さすがに近年はそのようなことはないが、好ポイントに人が集中するのは避けられない。昔も今も譲り合いの精神を忘れず釣りを楽しみたい。
カレイの魅力は何といっても食べて美味しいこと。多くの人は食味を求めてカレイをねらっていると言っても過言ではない。かく言う筆者もその1人で、時間があればそそくさと出向いて楽しんでいる。またずっしりとした重量感、地を這うような独特の引きもカレイ釣りの魅力。35cm以上になると下へ下へと突っ込んでなかなか浮いてこず、思わずへっぴり腰になりながら取り込むことになる(笑)。
20年ほど前までは25〜28cmの中型ながら4〜5尾がアベレージでいい日には2ケタ釣果もよくみられた。ところが近年はカレイの数が減り、よくて1〜3尾で、カレイの顔が見られればいいほうでオデコも少なくない。その反面、サイズがよくなっており、釣れれば30〜35cmのグッドサイズばかり。昔は瀬戸内東部では夢のまた夢だったマコガレイの40cmオーバーも普通にみられるようになった。数とサイズのどちらがいいかは意見の分かれるところだが、大物志向の筆者としてはサイズに一票を投じたい。
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カレイ釣りの時期
10月中旬になって海水温が下がり始めると、それまで水深20〜40mの深場にいたカレイが産卵の準備のために水深10m前後の浅場に寄ってくる。このようなカレイを乗っ込みガレイと呼んでいる。卵の成育のためエサをたっぷりと食わなければならず、意外と活発に動き回っているイメージがある。
11月中旬ではまだ卵は小さいが、12月中旬にははち切れんばかりの大きさにまで成長する。12月下旬から年始にかけて産卵すると、再びやや深場に移動して体力回復のため一服状態となる。つまり釣期は2ヵ月間ほどで、釣り場によってはそれより短い所もある。2ヵ月は長いようで意外と短いので、キャスターは集中して出向くことになる。
またエリアによってベストシーズンが微妙にずれている。瀬戸内東部では播磨灘でいち早く釣れ出し、淡路島、鳴門周辺と南下していくのが例年のパターン。これらを知っておくことで、よく釣れているエリアを効率よく探ることができる。ちなみに日本海側の釣期は瀬戸内海より1ヵ月以上遅くなるので、瀬戸内海で釣れなくなってから日本海側に出向くのが筆者の行動パターン。 ちなみに3月ごろから再び釣れ出すカレイのことを戻りガレイや春ガレイ、花見ガレイと呼んで乗っ込み期同様に人気が高い。これについては別の機会に紹介しよう。
カレイは時合が顕著な魚
ほとんどの魚がいつでもエサを食うのではなく、何かのタイミングでスイッチが入って活性が上がる。その時合が最も顕著な魚がカレイだ。「時合でない時は目の前にエサがあっても食べないのに、あるタイミングで急に活発にエサを追うようになる」と水族館の飼育員さんが話しておられたが、そのことは我々キャスターも身をもって体験している。
マズメの時間帯がねらい目
ではどんなタイミングで活性が上がるのだろうか。第一は朝、夕のマヅメ。朝マヅメとは朝日が昇る直前の薄暗い時から、完全に日が昇り終えて明るくなる1時間ほどのこと。夕方は逆に太陽が西に傾いて薄暗くなる時から完全に暗くなる1時間ぐらいのことを指す。朝、夕のマヅメは多くの魚が活発にエサを追うので見逃せない時間帯だ。
ある日、朝から夕方まで釣り続けたもののカレイのアタリはなかった。日が西に傾いてきたのでそろそろ片付けようかと同行の友人と相談していると、筆者のサオにアタリがでて35cmのマコガレイが釣れた。友人にも当たって同サイズのカレイ、さらにはこちらに32cmと、暗くなるまでの30分ほどの間に3尾の良型が釣れた。「朝からの努力は何だったのか」と愚痴りながらも笑顔で道具を仕舞った。このような経験を何度かしているので、体力が許す限り夕マヅメまで粘ることをおすすめする。
昼間でも潮の変化があればチャンス
日中でも潮しだいで釣れなくはない。強烈に流れていた潮流が緩んできたタイミングや、逆に止まっていた潮が動き始めるタイミングにバタバタと当たるケースが多い。このような潮流の変化は潮時表を調べておけばある程度予想がつく。潮時表通りにならないこともあるが、この時間帯と決めておき、その時に集中して探るのが釣果を上げるコツである。自分に釣れなくても周りの人の釣果も気にかけておくのも大切。誰かにカレイが釣れれば時合の可能性があるので、新鮮なエサに付け替えて頻繁に打ち返す。 ちなみに潮流が速いポイントでは潮が緩むタイミング、潮流が緩い釣り場ではよく動いている時がねらいめとなる。
タックルは本格的な投げ釣り用がベスト
港内ねらいなど遠投が不要なポイントではルアータックルでも流用できるが、基本的に潮流が速い場所や海岸など遠投で探る所が多いから、やはり本格的な投げ釣りタックルの使用が望ましい。オモリ負荷30 〜33 号クラスの4 〜4.3 mの投げザオに、大型でパワーのある投げ釣り用のリールを組み合わせる。ミチイトはナイロンなら3〜4号、PEなら2〜3号にチカライトを結ぶ。
仕掛けはカレイバリの13〜15号を使用した2本バリが基本。やや大きめなのはカレイの口内にしっかりとフッキングさせたいからだ。モトスは8 〜10号1. 5 mで上部40cmは2本撚りにする。ハリスは5〜6号で先バリは20cm、枝バリは10cm取る。カレイの目を引くためハリのチモトにケイムラ玉やシモリ玉、発光玉などを装着するのも有効だ。テンビンは置き竿の釣りなのでL型全遊動タイプ・27~30号のテンビンを使用する。
エサはイワイソメとアオイソメ
カレイ狙いで使用するエサは、定番のイワイソメ(マムシ)とアオイソメがおすすめだ。
イワイソメは、臭いが強く集魚効果に優れており、アオイソメに比べて身が硬くエサ持ちが良いのが特徴だ。一方、アオイソメは、動きでカレイにアピールして食わせる役割を持つ。何匹かを束ねて「房掛け」にすると、クネクネと動いてアピール度が格段に高まる。
購入の目安としては、一日釣りをして竿を2本出すのであれば、アオイソメが6パック、イワイソメが2パック程度。
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カレイ釣りはポイント選びが重要
どんな魚をねらうにもポイントの選択は重要だが、特にカレイ釣りではポイント選びが重要。これで釣果が決まると言っても過言ではない。
基本的に地形や潮流が大きく変わらない限り毎年ほぼ同じポイントで釣れるので、釣友などと情報交換が重要。釣り雑誌などのポイント紹介等はしっかりと覚えておくのも大切。よく釣るキャスターほどポイント情報の収集に余念がなく、潮時などのデータも合わせて記録している。
潮流のヨレ場や海底に変化がある場所に寄ることが多い
ポイントは地形や潮流の方向などから推察できる。カレイは基本的に潮流のヨレ場に寄ることが多いからそのような所を探し出す。防波堤や出っ張りなどの障害物がある所ではその潮下でヨレ場ができる。そのような所にはプランクトンが集まりやすく、それを求めて小魚、小エビなども集まり、さらにはカレイなども寄る。
また平坦な海底より少し変化がある所を好む。たとえば海岸であれば沖に向かってなだらかに深くなるのではなく段々状のカケアガリ周辺で砂地底に寄る傾向が強い。カケアガリ部には小砂利や海藻などがあるが、そこにはイソメ類や小さなエビ、小さな貝などが生息しており、それを求めてカレイも集まる。釣れたカレイの胃の内容物を調べたところ、イソメ類、小エビの他に極小の貝を食っていた。このことから貝が生息する場所も好ポイントになりうると確信した。
潮目に仕掛けを投入するのがセオリー
ポイントの目安として目視できるのが「潮目」だ。海を観察していると、ベターっとした海面に筋状の変化が現われることがある。これが潮目だ。沖側の流れと陸側の流れの速さが違う時などに現われる現象で、この潮目に沿ってプランクトンなどが集まりやすく、ヨレ場と同じでカレイの好ポイントを形成する。潮目が現れたらそこを目がけて仕掛けを投入するのがセオリー。後述する「時合」とも関連するので見逃さないようにしたい。
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カレイの釣り方は置き竿が基本
シロギスの引き釣りと違って置きザオでねらうことから2〜4本のサオを並べるのが基本。釣れるポイント(距離)が分かっている時はそこを集中的に探ればいいが、初めての釣り場や不安がある時は遠、中、近と投げ分け、その日のカレイの寄り場を捜すのが大事。以前は遠投で釣れたからと遠投ばかりしていると、その日は近投がよかった……なんてこともあるから気を付けたい。同行者とは情報を共有し、当たった距離を教えあうのも釣果を伸ばすコツ。周りの釣り人の動向も注視しておき、どれくらいの距離を探っているかを観察しておきたい。
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置き竿でも誘いはかける
投入した仕掛けを置きっぱなしにするのはよくない。10分おきぐらいに仕掛けを5〜10mほど動かす。いわゆる誘いをかけるのだ。こうすることでカレイの目を引き、エサのありかを知らせることにつながる。誘いをかけ、サオを三脚に置いた途端にググッと当たることがよくある。誘いの効果が無駄ではない証拠だ。
海底に沈み根や海藻などがある所で仕掛けをズルズルと引くと根掛かりの原因となる。そのようなポイントではサオを大きくあおり、仕掛け(オモリ)を跳ね上げるように動かすと根掛かりしづらい。 沖の深みやカケアガリに仕掛けを置くのも重要。仕掛け(オモリ)を引いた時、スーと寄ってくる所は海底が平坦な所で期待薄。グーッと重く感じる所はカケアガリや海底に変化がある場所なので、そんな所を捜して仕掛けを置くようにする。
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取り込みはタモ網を使う
取り込みの際に必ず実行してほしいのが「タモ網を使用すること」だ。カレイ釣りでバラシが一番起こりやすいのが取り込み時。カレイはエサ(ハリ)を吸い込むように食うので、口内にちょこんとフッキングしているだけのことがある。そんな時はたとえ大きめのハリを使っていてもスッポ抜けする恐れがある。
釣りあげたカレイからハリを外そうと引っ張るといとも簡単にハリが抜けることがあるが、それなどはスッポ抜け寸前の状態だったと言える。砂浜ではズリ上げることが多いからスッポ抜けは少ない。しかし防波堤や磯場では水面から持ち上げた瞬間にスッポ抜けしてカレイがドボンと海に落ちてしまうことがよくある。大型になればなるほど重量が増すからスッポ抜けしやすくなるので、ハリの大小にかかわらず取り込みはタモ網で行なうようにすること。
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シロギスやカワハギを同時にねらうのもおすすめ
カレイの活性が低くアタリが少ない時期や時間帯は、カレイだけに絞ると退屈な時間を過ごすことになる。そこでぜひおすすめしたいのが、シロギスやカワハギも同時にねらう「欲張りスタイル」だ。基本的な釣り方を変えることなく、仕掛けを少し調整するだけで、これらの人気ターゲットを狙うことができる。
詳しい解説は下記の記事で行っているので、ぜひそちらも読んでほしい。
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※このページは『つり人 2025年11月号』掲載の記事を再編集したものです。

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