ルアーを作っていると、特定の機能やアイデアが本人も想像しない形で降ってくる瞬間があるという。今回は特徴的な2枚羽とチャターブレードが融合した型破りなバスベイト「AKバズ」の開発秘話をお届けする。
なぜバスフィッシングのトッププロ・青木唯は、ローライトでも偏光グラスを外さないのか?一日中同じ視界を保つことで、水の色や地形といった、わずかな「変化」を見逃さないためだ。トッププロが実践する、情報戦を制するための偏光サングラス活用術を明かす。
写真と文◎Basser編集部
青木唯さんがタレックスのイーズグリーンを使う理由
2025年5月8日、午後18時31分。アメリカから一時帰国した青木唯さんは、弊誌の取材で河口湖に浮いていた。タイムリミットの日没が迫るなか、最後までタレックス・イーズグリーンレンズの偏光サングラスを外さなかったのが印象的だった。
青木さんが日本でもアメリカでも愛用するイーズグリーンは、90%の雑光カット率を誇りながらも(UVは99%カット)、可視光線透過率が40%という、極めて明るいレンズ。ローライトでも視界が暗くならないため、マヅメから日中まで極めて幅広いライトコンディションで使用できる。
青木「日本ではほぼイーズグリーンですね。アメリカは紫外線がかなり強いので、ピーカンのときはトゥルービュースポーツをかけることも。ただ、できたらずっとイーズグリーンで通したいというのが本音です。僕は常にイーズグリーン越しの世界を見ていたい。厳密に言うと、なるべく偏光サングラスを長時間外さず、かつ同じレンズカラーで視界をキープしたいんです。時間帯にかかわらず最も長時間かけていられるのがイーズグリーンということです」
偏光サングラスが活躍するのはサイトフィッシングだけではない
青木さんが単色レンズの長時間使用にこだわるのは、「変化を捉えたい」からだという。
青木「偏光サングラスはサイトフィッシングのための道具だと思われがちですが、それはあくまで機能の一部です。むしろ、今僕が主戦場にしているアメリカのフィールドでは、日本と比べてサイトフィッシングってあまりしないんですよ。では僕が偏光サングラスで見たいのは何か。それはフィールドのあらゆる"変化"なんです」
青木さんが戦うアメリカのフィールドは、日本のそれと比べて途方もない広さだ。そんな広大で経験値もない釣り場であっても、直前のプラクティスはわずか3日間しか許されていない(数年前までは日数の制限はなかった)。必然、限られた時間で湖中を走り回り、有望なエリアのチェックや危険な航路などの確認をする必要がある。
青木「まず見たいのが、水の色の変化ですよね。バスボートで走行しながら、『あのクリークは濁ってるな』とか『あそこがサンドバーっぽく浅くなってるな』とか。光量に応じてレンズカラーを変えてしまったり、少し薄暗いからといって偏光サングラスを外してしまうと、そういう変化を見落としてしまう。常にイーズグリーンを通してフィールドを見ているからこそ、重要な変化に気付けるんです。あとは、単純に雑光を抑えてくれるので、水面から少しだけ飛び出た立木とかにも気づきやすい。僕は割と危険な航路でも最高速で突っ切っちゃうタイプなので、タレックスレンズのおかげでそういう思い切った勝負に出ることができます」
現在、青木さんは良好な視界の確保と目の保護両方の理由で、室内にいるとき以外は、釣りでなくてもイーズグリーンの偏光サングラスを常にかけて生活しているという。
青木「釣りや生活を便利にしてくれるグッズではなく、ないと絶対に困るギア。僕にとってタレックスのイーズグリーンレンズはそういうものです」

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※このページは『Basser 2025年7月号』を再編集したものです。