フェイスブック内にある『ハゼ釣り情報局』というグループをご存じだろうか。数ある釣りに関するグループの中でもとりわけ地味な魚の釣りが専門ながら会員数が急速に伸びている。その理由を、サイトを立ち上げた田辺和宏さんに語っていただいた。
シマノの最新鋭カワハギロッド「ステファーノ攻」。その真価を問うには、これ以上ない舞台が整った。台風通過直後の剣崎沖で開催された「ステファーノミーティング」である。
案の定、状況はタフで参加者は苦戦。しかし、そんな中でも30cmの良型が飛び出すなど、イベントは大いに盛り上がった。最新ロッドは、この厳しい状況をどう攻略したのか。ロッドインプレッションも交えて、当日の様子をレポート。
写真と文◎編集部
剣崎沖解禁直後に開催されたステファーノミーティング
東京湾におけるカワハギの産卵期のピークは6~7月と考えられ、周年カワハギ船を出す久比里の船宿をはじめとするすべてのカワハギ船が、この2ヵ月間は資源保護のために一大産卵場と目される剣崎沖を禁漁期間に設定している。
そして今年も迎えた8月1日から剣崎沖のカワハギ釣りが解禁になり、多くのカワハギファンが集った。毎年、8月1日に松輪江奈港を拠点に開催しているのが「ステファーノミーティング」だが、今年はもっと多くの方が参加しやすいようにと平日ではなく8月3日の日曜日に開催した。
前日の8月2日に台風9号が関東地方に最接近することから翌3日の開催が危ぶまれたが、数日前から東に進路が反れ、風も落ちることが予想されたことから、特に大きな混乱やキャンセルもなく、予定どおりに瀬戸丸、一義丸、佑幸丸、そして記者が乗り合わせた成銀丸の4隻が河岸払い。

いきなりの大型登場
港を出れば目の前に剣崎灯台。灯台下のベッド島や平島は大ザラシが広がり、ウネリが這い上がる状況。風こそそこまで吹いていないが、台風通過後のウネリがかなり残っており、底荒れして潮も濁っていることが予想された。
船上で何度か開催される早掛け競争も、普段であれば本命カワハギの早掛けで競うが、同船のサポート役を務めたステファーノメンバーの飯田純男さんと池田暁彦さんは急遽、「魚種は問わない早掛け」にルールを変更。これは一気に勝負が決まるかと思いきや、3分経っても誰のサオも曲がらない。
ようやく右舷ミヨシ側にいた堀江さんが初フィッシュでイチ抜け。しかも良型のカワハギだ。その2分後に、左舷ミヨシの池田勇さんも本命のカワハギで続く。これまたデカい。計測してみると、産卵明けからまだ間もないと思しきボロボロの尾ビレの先端が30cmの目盛りに届いた。
解禁に合わせた同イベントは今期のカワハギの行方を占うという意味も多く含んでいるが、この堀江さん、池田さんの釣果での幕開けから推測するのであれば、今年も大いに盛り上がりそうである。
しかし、ここから数時間は約半数のアングラーが0ないし1尾という釣果であり、3つの付けエサが丸々残って戻って来るうえに猛烈な日差しが降り注ぐという厳しい罰ゲームに近い状況の剣崎沖であった。

ステファーノ攻の新作2本は一点突破型
このステファーノミーティングは愛用者同士の交流を図ることが一番の目的だが、今年のように目玉の新製品がある場合は、できるかぎり試供品を用意して使ってもらうことを目的にしている。
今年のステファーノの目玉といえば、攻シリーズに7月に追加発売されたばかりのLS175とH177SPの2本である。乗船前の挨拶でチームステファーノを代表して鈴木孝さんと佐々木健仁さんが2本のニューロッドについて解説した。
いわく、リミテッドシリーズが最高峰のオールラウンダーであるのに対して、攻シリーズは一点突破型の尖った個性派であると。今回加わった2本は端的にいえば「軟のLS175」と「硬のH177SP」。

スト後の握り替えもスムーズに行なえる。リールはスティーレ101XG(スプールは夢屋ダブルハンドルアルミノブ)
下は、繊細なロッドの操作性、キャスト時の安定性、巻き上げ時のパーミングのしやすさを追求したXシートフロトトトリガーを採用した同LS175。リールはスティーレ101PG
LS175はボトム特化型
LS175の特性について佐々木さんは「ボトム特化型で使えるロッド」と表現。オモリを着底させたまま、ノーシンカーあるいは中オモリ・集寄を使って仕掛けのテンションをマイナスからプラスに持っていく過程で違和感なくエサを吸わせ、そのアタリは目感で認識しやすい。捕食中の魚に違和感を与えない曲がりから、一気にフッキングに持ち込める穂持ち~バット部分を持ち合わせ、ここを佐々木さんは「掛けしろ」と表現していた。この日の朝のような極端な食い渋り時は特に威力を発揮していた。

H177SPはキャストの釣りに特化
H177SPの特性について鈴木孝さんは「トリガーシートを採用したキャストの釣りに特化したロッド」と表現。EVAやコルクといった振動伝達を阻害するマテリアルを一切排除したフルカーボンモノコックグリップは手の中に収まるサイズと形状で手感度を増加。遠投しやすく手感でアタリをとらえて掛けていく横の釣りに最適ながら足もとでの縦の釣りでもこの感度は武器になる。しかも、硬いだけではなく、ベリーからバットにかけてクッション性を持たせることでハリ伸びによるバラシも軽減している。
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朝イチと昼前で真逆の展開
当日は朝7時の干潮を挟んだソコリ付近は極端にアタリが少ない状況だったが、10時頃から一転、今度はハリや仕掛けがいくらあっても足りないほどの入れアタリに。その正体は30cm前後のシロサバフグの大群。1尾掛かると群れで水面まで追い回す状況。朝のうちはスローな誘いによる食わせの釣りが効果的だったが、一転して遠投からの速い誘いで他魚をかわしつつ、本命のアタリを見極めてハリ掛かりさせていく釣りがマッチしていた。とはいえ、掛かった魚の十中八九はサバフグ、キタマクラだったが、一、二がカワハギになったことから数を一気に伸ばしていた人も。

2種類の新作ロッドは本数限定のため、本命を釣ったら次の使いたい人へ回す順番方式ながら、7月発売の新作ロッドを購入して持ち込んでいた人もちらほら見かけた。
数ある沖釣りターゲットの中でも、調子違いのロッドがこれほど多く存在するのもカワハギくらいかもしれない。それだけ難攻不動で一筋縄ではいかない曲者なのである。結局、朝イチで尺上を釣った池田勇さんが17尾を釣りサオ頭。2番手も二桁釣果と数だけ見ればシーズン本番の様相を呈したこの日。
魚体は黒ずみ、各ヒレは傷が残る産卵明けの魚が多かったが、水温が高止まりする頃には魚体も回復。浅場での強烈な横走りで釣り人たちを翻弄するはずだ。そして水温が下がる頃には肝も肥大し、いよいよ食欲の秋全開のカワハギたちが、アサリエサを手ぐすねを引いて待っていることだろう。
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※このページは『つり人 2025年10月号』に掲載した記事を再編集したものです。