ライトジギングで釣果に差がつく「タングステンジグ」という切り札。潮が速い時、ベイトが小さい時…鉛のジグでは攻めきれない状況でこそ、その真価が発揮される。高価だがボックスに忍ばせておくべき理由と、効果的な使い方を実釣からレポート。
ライトジギングで釣果に差がつく「タングステンジグ」という切り札。潮が速い時、ベイトが小さい時…鉛のジグでは攻めきれない状況でこそ、その真価が発揮される。高価だがボックスに忍ばせておくべき理由と、効果的な使い方を実釣からレポート。
Photo & Text by North Angler’s
North Angler’sとは?:北海道での釣りを満喫するための情報誌。北海道の自然を体感するキャンプの情報や、フィールドを守るための環境問題にも光を当て、多角的な視点からアウトドアライフを提案している。誌面と連動したウェブサイト『つり人オンライン』での記事展開に加え、好評放送中の『ノースアングラーズTV』や公式動画チャンネルである『釣り人チャンネル』を通じても、北海道の釣りの魅力を発信している。
ライトジギングのタングステン活用術
船のライトジギングではジグMAX150g程度のロッドを使う人が多いと思う。そうなるとジグは重くて150g前後を用意することになるが、それほど水深が深くなくても潮が速いときは底取りが分かりにくいこともあるだろう。アングラーの片腕がスピニングタックルならなおさらだ。そんなときに備えてタングステンタイプのジグをケースに入れておくことをすすめたい。底取りを把握しやすいだけでなく、それ以外のメリットも多いからだ。
初冬に余市河口漁港から余市沖にホッケやロックフィッシュなど五目釣りで乗船したときのこと。水深は約50m。時化が続いていたので、久しぶりの凪に期待が高まる。スタートからホッケの猛ラッシュで船上は大賑わい。
どんなジグでも釣れそうな感じだが、釣ったホッケがカタクチイワシを吐き出したのを見ると、ジグのサイズは小さめがマッチしそうに思えた。潮も速いので、持ってきたジグのなかで最も重いタングステンタイプの150gを選ぶ。サイズはちょうど食われているカタクチイワシと同じくらいだ。
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ボトムタッチが明確に
タングステンジグに替えるとボトムタッチが明確に分かる。ホッケは中層でも釣れているが、海況がよさそうなこの日、もしかしたらヒラメもくるかもしれない……。そんな予感がした。
「寒びらめ」という言葉があるように、冬のヒラメは美味しいことで知られる。北海道で寒びらめはなじみが薄く、実際それほどお目に掛かれるものではない。とはいえ、数は少ないながらも小樽や余市沖はチャンスがある。ヒラメは冬場に水温が下がると基礎代謝が下がってエサを食べなくなるといわれるが、その前に栄養を蓄えるべく、秋から初冬にかけて荒食いする。もし荒食いのタイミングだったら……。
ホッケラッシュが終了し、ぽつぽつとマゾイやシマゾイがあがる中、着底後はスローなワンピッチジャークを繰り返していると、底から5mくらいでドンときた。
予感は的中したようで、強烈な突っ込みに腰を落とす。リールのドラグが苦しそうに悲鳴を上げ、ラインがジッジッと引き出される。何とか耐えて隣の人がタモですくってくれたヒラメは62cmあった。
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カタクチイワシのベイトパターンに一致
やはりベイトが小さい場面において、シルエットがコンパクトでも重いタングステンジグは頼りになると実感。高価なのが難点ゆえ、根掛かりを恐れてフロントフックのみで挑んだが、良型のヒラメにとってはひと口サイズなのか、しっかりフッキングが決まった。カタクチイワシがベイトのときは持っていて損はない。
ところで、フックは魚皮やティンセルがタイイングされたものを使用したが、それらがターゲットにとってはアタックポイントになるのか、フッキングが決まりやすいように感じる。魚皮もティンセルもアピール効果は高いと考えられる。より目立たせないという人は試してみるとよいだろう。
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当日の使用ロッド
シーウォーク・ライトジギング64MLスピニングモデル(ヤマガブランクス)
・全長:1935mm
・継数:2本
・自重:115g
・ルアー:ジグ60~120g/キャストMAX50g
・ライン:PE0.6~1.2号
同ロッドシリーズの中で最もヘビーなモデル。水深50~100mに対応。ドテラやバーチカル時は120gまでのジグの操作感が良好。追従性のよいティップが食い込みのよさにつながっている。ヒット後はバットの残りが強く、しっかりと魚を浮かせられる。道内のライトジギング・シーン全般で頼りになる一本。
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