道央におけるマメイカ釣りのメッカで船からのスタイルを提案しているのが『小樽フィッシングボートオーシャンドリーム』。自らも岸釣りファンという船長が、ボートゲームを始めたきっかけや、釣果アップのコツをアドバイス。
道央におけるマメイカ釣りのメッカで船からのスタイルを提案しているのが『小樽フィッシングボートオーシャンドリーム』。自らも岸釣りファンという船長が、ボートゲームを始めたきっかけや、釣果アップのコツをアドバイス。
Photo & Text by Sanshiro Okada(North Angler’s)
North Angler’sとは?:北海道での釣りを満喫するための情報誌。北海道の自然を体感するキャンプの情報や、フィールドを守るための環境問題にも光を当て、多角的な視点からアウトドアライフを提案している。誌面と連動したウェブサイト『つり人オンライン』での記事展開に加え、好評放送中の『ノースアングラーズTV』や公式動画チャンネルである『釣り人チャンネル』を通じても、北海道の釣りの魅力を発信している。
小樽港のボートマメイカエギング
秋の小樽港内には数多くのマメイカが来遊し、それをねらって連日大勢の釣り人が訪れる。私も小樽港でマメイカ釣りを楽しんでいる一人だ。日中は遊漁船にお客さんを乗せて出港し、帰港後はマメイカ釣りに直行……。そんな感じでシーズン中、堤防から毎日のようにロッドを振っている。
2023年秋のある日のこと。ロックフィッシュゲームでお客さんをガイドし、アイナメをたくさん釣っていただき、ラストに消波ブロック帯のポイントに入った。そんななかスイミングのアクションでねらっていると、ワームの下から湧き上がるかのように複数のマメイカが浮いてきたのが見えた。これまでもスルメイカがワームを追ってきたり、実際にヒットすることはあったが、マメイカは初めてのこと。しかもこの日、何度もそんな光景を目撃。追ってきたのはもちろん、何よりマメイカの多さに驚いた。
帰港後すぐ、車に積んでいる岸釣り用のマメイカタックルを船に持ち込み、先ほどのポイントに向かった。そして岸釣りと同じようにエギングでトライすると、面白いほどマメイカが連続ヒット!
短時間ではあったが、充分な釣果を得られた。以来、小樽でマメイカのボートゲームを確立すべく出港している。

船も集魚ライトは有効
シーズンは岸釣りと同様、10〜11月。小樽港内にマメイカの群れが入り、岸から釣れ始めた頃ボートゲームもスタートする。シーズン当初のサイズは小さいが、季節が進むにつれエサを食べて成長し、どんどんサイズはよくなる傾向にある。
時間帯は個人的にあまり関係ないと思っているが、やはり夜のほうがお客さんからの人気は高い。夜は船のライトを点灯させて釣る。岸釣りの投光器スタイルと変わらない。マメイカがカタクチイワシなどの小魚を追っている場面も見られることから、夜の釣りはライトで小魚を集めるのが効果的なようだ。
ボートマメイカエギングのタックル
タックルに関しては、岸釣りで使っているものを流用できる。餌木や仕掛けもそのままでOK。具体的には、ロッドは7〜8フィートのライト〜ミディアムライトアクション、ラインはPE0.4〜0.8号、リーダーはラインに合わせて1〜1.5号。ロッドは小さなアタリを取りやすく、掛かってからもバレにくいソリッドティップがおすすめ。リールは一定のスピードで巻きやすいダブルハンドルがよい。ラインはできるだけ細いほうが操作性は高くなる。リーダーは軽い餌木を沈みやすくすべくフロロカーボンを選びたい。
餌木は重めがベター
餌木は1.5〜2.5号を状況に応じて使い分ける。同じ大きさの餌木でもウエイト違いで沈みの速いものが発売されている。ボートゲームの場合、重いほうが圧倒的に釣りやすい。餌木のカラーは定番のピンクやオレンジ系から、イワシやアジなどの小魚を意識したナチュラル系も実績が高い。餌木のサイズやウエイト、そしてカラーは幅広くそろえておくとアプローチの幅が広がる。スッテを使用するならマメイカ用の小型が好適。こちらも餌木と同様、いろいろ用意したい。

仕掛けは3種から選択
仕掛けは大きく分けて以下の3つ。
(1)餌木単体
(2)餌木+スッテ
(3)スッテ連結
(1)は非常にシンプルで付属するのは餌木のみ。アクションさせるものは1つであり、釣りはしやすいとはいえ、幅広いレンジをねらうのは不得意。
(2)は餌木を一番下に付け、ドロッパーとしてスッテを付けることで幅広いレンジを探れるのが利点。スッテは餌木の重さで沈んでいく仕組み。スルメねらいのイカメタルゲームでもよく使われる。
(3)はサビキ仕掛けのように複数の小型スッテを付けたドウヅキ仕掛け。より幅広いレンジを攻略ができるのが最大の特徴。ただし仕掛けが長くなり、投入と取り込み時の扱いに慣れが必要だ。
どの仕掛けもまずは底をとることから始める。底から表層まで誘いながら「どのレンジにマメイカがいるか」をチェック。レンジが分かればそこを集中してねらう。ゆっくりとしたリトリーブやフォールなど誘い方は人それぞれで、この点も岸釣りと変わらない。さまざまな誘い方を試して当たりパターンをみつけたい。

釣り方のコツは、船が流れることを意識
タックルや誘い方により大きく釣果に差が出るのがマメイカエギングの面白さ。パターンをつかむと爆釣、逆に外すとアタリすらないという状況は多々。釣り方が合っていないと釣れないのはどんな釣りにも共通するが、タックルによる釣果差はほかのジャンルより大きいと感じる。
以前、餌木のカラーやサイズはそのままで、ウエイトを重くしただけで急にアタリが出始めたことがあった。おそらくイカの泳ぐレンジにスムーズに仕掛けを送り込めたこと、餌木の操作性が向上したこと、フォールスピードがマッチしたことなどが考えられるが、ちょっとした違いが釣果に影響した経験の一つだ。
また、ボートゲームは岸釣りと異なり水深が深く、港内より潮の流れが速い場合も少なくない。釣り座の変わらない岸釣りに対し、ボートゲームは船が流れるため動く。この点を意識するとよいだろう。まだまだ開拓中のマメイカ・ボートゲーム。秋になれば群れが接岸して楽しませてくれるはず。ぜひチャレンジしてほしい。
