誰もが高精度に、しっかりルアーを飛ばせるシーバスロッドFoojin'RSが進化を遂げた。その仕上がりは「未来のシーバスロッドはこうなる」と定義できるほど洗練された使用感に満ちている。現場目線で磨かれた先鋭的かつ実用的なアイテムを次々に送り出すアピア社。宇津木代表が、その意欲作について語る。

解説◎宇津木善生
まとめ◎つり人編集部
アピア代表取締役でロッドクリエイター。元IGFA世界記録・JGFA日本記録を保持し、先端素材と技術を用いたロッド開発に情熱を注ぐ。世界を釣り歩くトラベルアングラーでもあり、11月下旬にはインド洋ココス諸島でGT、ボーンフィッシュを満喫した。
誰もが高精度にキャスト可能!シーバスロッド「Foojin'RS」が進化を遂げた理由
2026年、シーバスロッド・Foojin'RS(以下RS)は大きな進化を遂げます。前作は2022年発売で、トレカ第三世代カーボンM40XとT1100Gを採用し、「シャープ」でありながら「柔軟」という相反する要素を高次元で両立し、高い評価を得ました。「4年でのモデルチェンジは早い」と言われることもありますが、私は進化したロッドをいち早く届けたいと思っています。そう思えるだけの確かな手応えが今回のRSにはありました。理由は、2025年に発売されたフラッグシップのFoojin'Z 6th(以下ゼータ)で実績を積み上げられたからです。
フラッグシップモデルの技術を継承した「Xフォース100」とナノジョイント
最大の変化はゼータで採用した「Xフォース100」というカーボン構造です。捻れが極限まで抑えられたことで、キャスト時のルアーの直進性が飛躍的に向上しました。フルキャストをしなくても軽い力で飛距離が出るのは、第三世代カーボンの割合を前作より増やした影響も大きいです。軽量化され、振り抜き感やキャストフィールは明らかに向上し、感度も一段高まりました。
もうひとつの進化はジョイントのつながりです。ゼータからインロー継ではなく並継のナノジョイントを採用し、RSも全モデルが並継仕様となりました。ナノジョイントは並継が最適解で、ワンピースのようなスムーズな曲がりを実現できることはゼータで実証済みです。
ゼータとRSの違いを挙げるなら、ゼータは軽く高反発で「シャキッ」としたテイストを持つロッドです。扱いこなせば驚くようなパフォーマンスを見せますが、技量によって使い心地が変わる面もあります。一方のRSは、初級者から上級者まで誰が使っても安定して投げられ、飛距離が出ます。「飛ぶ・飛ばない」という個人差が出ないロッドです。
もちろん芯はしっかりしていてパワーも充分です。曲がって戻る挙動も明確で、魚を掛けてから「ゴムの塊」のようにどこまでも柔軟なうえ、強い反発力でパワーを発揮するのはゼータとRSの共通した持ち味です。これこそ新世代Foojinの真骨頂といえます。
カーボンプリプレグは基本的に繊維が一方向に並ぶ。ロールするため縦方向に繊維が走る構造だが、1方向だけだと曲がる際に捻れが生じてしまう。X フォース100は、縦繊維に対して45°で交差するプリプレグを積層し、捻れを抑制する製法である。
全12モデルの継承と刷新、そしてアーバンアングラーに向けた5ピースロッドへの挑戦
RSは全12モデルです。「スプリンガーS88ML」「リンクスS93M」「デザイアS95MH」「ヴィボーグS96ML+」といった人気モデルは、前作のコンセプトとペットネームを踏襲しています。長さも名称も同じですが、中身は劇的に進化しています。
また、今作で姿を変えたモデルもあります。たとえば「リバイアサンS106MH」です。これは前作の「ベルーガS105MH」と「マジェスティックサーフS106MH」の性能をミックスした調子です。ベルーガはサーフのシーバスや青物向けでムニューッと曲がり、マジェスティックサーフはフラットフィッシュ向けのシャキッとした調子です。それぞれの長所を併せ持ち、操作時はシャキッと、掛ければしっかり曲がります。サーフのシーバス、青物、オオニベ、大型ヒラメにマッチします。「リバイアサン」の名は「海の巨獣」を意味します。
新モデルとして「ナイトバードS90L+」が加わりました。東京湾奥や大阪湾の港湾部でのバチ抜け、ハク、アミといったマイクロパターンに適したセンシティブな設計です。パワー表記のL+は、LとMLの中間イメージです。「ナイトバード」は「夜遊び好き」「夜を徘徊する者」というスラングも含み、シーバスアングラーにぴったりの名称といえます。「ナイトバードS90L+」と、シーバスど真ん中の「ヴィボーグS96ML+」は2ピースと5ピースをラインナップしています。
都市部で自転車やバイク釣行をするアーバンアングラーを想定し、この2モデルに5ピースを追加しました。かつては素材や技術の問題で納得のいくパックロッドを作れませんでしたが、今のジョイントなら2ピースと遜色のない性能が出せると判断しました。湾岸エリアで使いやすい2モデルを、5ピース化した形です。
ピースのズレを解消!パックロッドの常識を覆す新次元の完成度
パックロッド最大のストレスは、ピースのズレでガイドがちぐはぐになることです。2ピースでも手直しが面倒なのに、5ピースならなおさらです。しかし今作のRSはピースのズレがほとんどありません。手直しの手間が激減します。本当に驚くはずです。その代わり抜けにくいので、5ピースモデルには専用の滑り止めシートを付属しています。
2026年のアピアのキャッチコピーは「ディファイン・ザ・フューチャー(Define the Future)」。未来を定義するという意味です。
RSは「5年後のシーバスロッドはこうなるだろう」と未来を先取りしたような使用感を感じてもらえるはずです。つまり現状には存在しないレベルのロッドに仕上がったと自負しています。
※このページは『つり人 2026年2月号』に掲載した記事を再編集したものです。



