シーズンを締めくくるクライマックスであると同時にシーズン終了とも隣り合わせのタイミングが冬。東京湾奥において冬のシーバスをキャッチするための方策をシーバス歴25年のベテランアングラー前田泰久さんが解説する。

解説◎前田泰久
写真と文◎つり人編集部
東京都出身。東京湾奥をホームとするロコアングラーで、シーバス歴は25 年超のベテラン。エクリプスプロスタッフ。
目次
冬の東京湾奥シーバス攻略!場所選びの決め手は「ベイトフィッシュの存在」
湾奥シーバスもシーズン的には終盤に差し迫ったタイミングだが、前田泰久さんは取材直前まで各地を徘徊してようす見を重ねてくれていた。しかし、取材日が近づいてもまだ場所を決めかねていた。
「11月半ばの週周りは各地でよく釣れていたんですが、今回の潮回りはどこも厳しくなってしまいました」と、状況があまり芳しくないという。
「取材前の潮では湾奥から湾央までのシャローが絡む場所や流れの利く場所にコノシロがしっかり入っていてどちらもシーバスがいるのは確認していました。その中で京浜島のつばさ公園と船橋市の三番瀬に絞り込んだ理由としては、やはりどちらもコノシロがしっかり入っていたからです。なおかつ、オカッパリとウエーディングの2部構成で釣りをするにあたり、この2ヵ所なら潮が動くタイミングで効率よく釣りができるからです」
決め手に欠く状況であるからこそ、頼れるのはベイトの存在ということだ。16時前に現地に到着すると公園前の航路のいたるところでベイトフィッシュのモジリが確認でき、その周囲にはビッグベイトを投じるシーバスガイド船の姿も確認できる。たしかに雰囲気は悪くない。
11月下旬の当日は大潮後の中潮3日目。干潮は1時と13時10分、満潮は8時19分と18時19分というタイドスケジュール。ちなみにこの日は月曜日だが、3連休の最終日。しかも連休を通じて行楽日和に恵まれたこともあり、「もともと人気のつばさ公園ですが、3日連続で相当なプレッシャーがかかっている感じですね」と前田さん。つばさ公園は目の前に羽田空港があり、頻繁に離着陸する飛行機を見ることができることから釣り人以外の来場者も非常に多い。そのため、キャストをする際にはいつも以上に周囲の安全を確かめる必要がある。
タイド(潮回り)に合わせて場所を移動する
つばさ公園で使用したロッドはエクリプス/アクシアトラック シーバスATSS-99MML。
「9ft9in(297.2cm)というロングレングスと40gの大型ルアーでも振り切れる強さがあるロッドなので飛距離が求められるオカッパリの釣り全般に活躍します。しかも、バロールシリーズやアストレイアシリーズのような標準サイズのルアーからコノシロパターンで使うような大きめのトップウォーターやウェイクベイトまでをカバーできる汎用性の高さも魅力です」
満潮までの上げ潮の時間はつばさ公園の中央部を中心に、潮の動きやベイトの気配により左右に移動しながらキャストを続けた。
「年々、コノシロの存在感が高まっていると感じます。以前の湾奥ではシーバスが抜けた真冬に見かける程度でしたが、今は水温が高い秋にもう姿を現わします。ただ、今日見える水面のモジリはコノシロもいますが大半がイナッコのようで、コノシロは抜けてしまったのかも……」
オープンエリアから小場所の明暗ねらいへ
満潮の潮止まりまで探った前田さんは、同じく京浜島の中にある小場所(昭和島を向いた側にある小規模な緑道公園)もチェックしていく。
「オープンエリアのつばさ公園側とは違って、マンメイドストラクチャーや明暗ねらいになり、反応もまるで違うことがあります。今回も下げ始めにセイゴクラスと思しき小さなバイトがありましたが、ちょっと釣れる雰囲気ではないので、まだ潮が高いうちに船橋側へ大きく移動しましょう」
コノシロパターンを想定した二段構えのルアー構成
この日の前田さんのルアーは、時期的にコノシロパターンを想定しつつ、それ以外の状況でも対応できる二段構えのルアー構成。写真上から紹介する。
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コノシロパターン用ルアー
・ペニーサック140MOKKA(エクリプスオリジナルカラー/ブラストチャート):「コノシロパターンで使われるアイテムの中では比較的軽めの部類のペニーサック。28gなので一般的なシーバスロッドならしっかり振り切れるのも強みですね」
・無邪気135(エクリプス):「コノシロパターンではジョイント系も強いです。フローティングなので流れに置いて食わせるのも面白いですよ」
・フィードシャロー128(エクリプスオリジナルカラー/ミッドナイトコノシロ):「絶妙なレンジをトレースできるシャローランナー。ベイトのサイズに応じて105と使い分けていくとよいですね」
・アストレイア127 ハイビート(エクリプス):「強めのウォブンロールが特徴のシャローミノー。流れの速い富津岬などで無類の強さを誇りますが、三番瀬や湾奥河川河口でも実績を残しています。流れを横切らせるように使うと多面体のフラッシングを活かせますよ」
・ドリフトペンシル110 シャロー(エクリプス):「コノシロパターンの時は110mmクラスのシンペンも活躍します。ノーマルより軽量化されたシャローは干潟でも使い勝手がいいです」
その他のパターン用のルアー
・バロール90(エクリプス):「港湾部から河川、干潟とどこでも先発を担えるシンキングペンシルです。アクションはロールを伴うテールスライド。基本的にやる気のある魚は上を見ているので、そういう魚をしっかり獲れるようなアクションとレンジセッティングです。晩冬になるとコノシロはいるけど反応がない時もちらほら出てきます。そんな時に活躍することも多いのでボックスに必ず入れておきたいアイテムです」
・バロール65(エクリプス):「年末から年明け、そして河川のバチが始まるまでの間、コノシロがいれば別ですがやはり場所によっては厳しい。そんな時でも遊んでくれるのが産卵に絡まないセイゴ、フッコサイズ。港湾部や運河内には結構いるので小さめのアイテムで癒やしてもらうのも楽しいです」
シチュエーション別に最適なロッドを
「湾奥でのシーバスねらいは、河川や運河や埠頭からのオカッパリと、干潟や河口でのウエーディングはどちらも欠かせない必須の釣り方だと思います。それぞれ好みはあるでしょうけれど、できれば両方の装備を揃えて臨機応変にオカッパリとウエーディングをやってみてほしいですね」
特に今回のように潮位に応じて、潮位の高い夕マヅメはオカッパリ、潮位が下がった夜はウエーディングという二刀流で臨むことでシーバスとの距離はぐっと縮まるという。
京浜島を出てふなばし三番瀬海浜公園に到着したのが21時過ぎ。潮位は120cmとまだ高いが、ウエーダーに履き替えて準備をする間にもどんどん潮位は下げていき、1時40分の干潮には21cmまで下がる。
三番瀬は前田さんにとってホームグラウンドともいえるが、その魅力を聞いた。
「目に見えるストラクチャーなどはありませんが、潮の流れを見ながら魚との距離を詰めていくのが面白さのひとつといえます。つまり、シーバスやベイトの通り道に近い最前線まで自らの脚で近づいていくことで迫力のあるファイトが楽しめます。ただし、水の中に入る釣りですので危険とは隣り合わせです。いきなりの単独行動は避け、まずはウエーディングに慣れている方と一緒に釣行を重ねてください。また、三番瀬は沖まで牡蠣瀬が続くため、水温が低くなるこの時期にはあまりエイの心配はありませんが、時期によってはエイも増えますのでエイガードなどしっかり安全対策をお願いします」
ウエーディングでは取り回し重視のロッド選択
通常のオカッパリはシーバスから射程圏内に近づいてもらうことが条件になるが、自らシーバスの通り道に近づいて行けるため、ロッドに求められる要素は飛距離よりも取り回しのよさになる。
三番瀬で使用したロッドはアクシアトラック シーバスATSS-88MLL。
「8ft8in(264.2cm)というレングスは腰から下が水に浸かっている状況でもキャストがしやすく、ファイトからランディングも行ないやすい、ちょうどいい長さです。ロッドの取り回し感はウエーディングにおいてとても重要な要素です。また、ATSS-88MLLは張りを強めにセッティングしているのでコンパクトスイングでもしっかりルアーを飛ばすことができるのもウエーディングの釣りに最適な理由のひとつです」
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しかし、10月中旬からしっかりコノシロの群れが入り、それを追うシーバスもシャローに差していたが、直前で結構な冷え込みがあったことでまるっと魚が抜けてしまったようだ。
「ただカヤックやプレジャーボートでは釣れていたそうなので、少し深いラインに魚が移動しただけなのかもしれません。京浜島周りは年末年始に再度盛り上がることはなかなか難しいかもしれませんが、三番瀬は年末に80cmオーバーも釣れますし、昨年は年明けまで釣れていました。コノシロもまた湾奥に戻ってくると思いますので、サイズをねらうならコノシロを探してコノシロパターンで押し通すのが一番ですね。サイズよりもキャッチ率を上げたいならサッパやイワシ系のパターンでねらうのがおすすめです」
その言葉どおり12月に入ると再びグッドサイズを両タイプのルアーでキャッチしたのだった。
※このページは『つり人 2026年2月号』に掲載した記事を再編集したものです。

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